おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

  黎        明

2009-08-31 17:33:24 | Weblog

 公示から十日余りで、衆議院選挙の審判が今日下った。
結果は民主党の圧勝で落ち着くところに落ち着いた感である。選挙の度にそれらしき催しをちらつかせながら、正面切って大鉈をふるうことのできなかった民主党を、一票に魂を込めた世論が、後押しをした格好で表舞台へ押し出した。
 今世紀になって経済は停滞して、所得の分配の不平等が進んだ上に契約社員や、パートが増加し、若い人達は就職難に苦しんでいる。
 政府の財政は逼迫し、高齢者は適切な医療や介護が受けられなくなりつつある。
 戦後克己勉励して経済大国となった日本がこんな筈ではなかった。
 十年後二十年後のビジョンを見据えて指導する人と政党がなかったのである。
 この末法の世の中では、余りにも、経済、医療、福祉、教育など、個個の諸問題が、重くのしかかって、政治家も、鬼に金棒と威張れることは何にもないのである。
 ならば余計に楽観主義は許されない。
 高い生活水準を享受してしまった今の日本人に、政治の是正は果たして出来るのであろうか。ここで人間性が問われる。マニフェストを実行する姿勢が問われる。
 せっかく大改造のチャンスを得たのであるから、ぬるま湯につからぬ内に任期、任期で政党や為政のキャップをチェックしたり、首をすげかえる目を国民も持ちたいものである。
 特に若い者が自分達の将来社会の事として作り上げて行くものでなければならない。

 俳句 意のままにのぶ百日紅並木道
    

    無言館黙して出る秋の暮れ   

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軽 井 沢 旅 行

2009-08-24 01:54:43 | Weblog

 車山高原は霧が峰の一帯の中にあった。
リフトで標高千九百二十五メートルの山頂に登ると、北アルプス、浅間連山、八ヶ岳連峰、南アルプス、中央アルプスが、さえぎるものもなく、晴れ晴れと、見渡すことの出来る大パノラマであった。 空気も澄んでいた。
 恒例の軽井沢山荘行は今年は二十三名で、すずらん峠近くの道の駅でチャーターしたバスの中
で昼食のおにぎりをほおばった。   山荘に着くと新幹線が出来て東京駅から、軽井沢駅まで一時間一寸で来れると東京からの四人が、首を長くして待ってくれていた。
 八畳や十畳間に二人か三人づつの部屋割りが終わって、ゆっくりしてから夜の宴会が始まった。
 お互い喜寿ともなると、歌は二、三曲が出ただけで、積もる話に旧交を暖めた。
 翌日は自由行動で旧軽井沢を、土産物屋を冷やかしながら散策し、蕎麦の昼食をした。
 私も土産にとジャムをまとめて買って宅急便で送ってもらった。孫にはそれぞれのイニシアルの入ったハンカチを買った。
 誰言うとなく、タクシー三台でかの有名な万平ホテルへ乗りつけカフェテラスで、午後のコーヒータイムを持った。
 男性二人が東京の、何とか美術館へ観に行くからと一泊で抜けたが後日行状記を聴きたいものだ。
 次の日は上田市の戦没画学生慰霊の無言館へ立ち寄って、痛ましく厳粛な気持ちになってポストカードを買ってから中央道をひた走り次回を約して別れた。
 漫然とした避暑旅行であったが、これから先いろいろ思い出したり、つけたしたりして、暖めていくことになるであろう。

  俳句 無言館誰がつけし名ぞ八月尽
     跨線橋越えて帰省の友送る

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残 暑 見 舞

2009-08-13 22:16:54 | Weblog

 残暑お見舞申し上げます。
梅雨明けが遅くて真夏日が、数えるほどしか無いままに立秋になってしまいました。
 お野菜の生育も悪くて品薄だそうです。
台風が兵庫県などに、山崩れ、家屋の倒壊、川の氾濫などと、惨たんたる爪あとを残し、死者まで出たと嘆く傍ら、一昨日は静岡に震度6もの地震があり、この季節は、毎年のように物騒な事で御座います。
 私事でも、スーパーに施錠をせずに置いた自転車が無くなり、運気が下がった気配です。
 今日は実家の墓参りに昨日は我が家の、墓掃除と霊の迎えに行き、真摯に合掌をしました。
 お盆の内は平明な気持ちで、真面目に過ごそうとおもいます。皆様も恙無くお過ごしなさることを祈ります。

  俳句 あめんぼう夫婦らしきが畏まる
     桃畑一山覆ふ香りかな

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今 年 は 石 川 県

2009-08-06 07:01:22 | Weblog

 去年福井県の東尋坊へ行ったメンバーに、今年は石川県の片山津温泉旅行に誘われた。
 名駅西を九時に出たバスは、養老インターを過ぎ米原から北陸自動車道へ入り長浜をかすめて、緑濃い賎ヶ岳のサービスエリアで休憩し、山中グランドホテル迄走って昼食をとった。
 日本の高度成長期、商売は何かと言うと招待旅行と抱き合わせで、私の嫁ぎ先では、しょっちゅう長男の社長から旅行に行くように言われる舅は、次男の嫁である私にしかめ面をしながら「そう行きたくもないけれど、あれが良いつもりで薦めてくれるので」と方々へ出かけていた。
 同じような年齢になってみると、それも結構大変だったと判るようになって来た。
 山代温泉は、のれんわけをしてもらった夫が、紺地に白で店名を染め抜きにさせた旗を持って嬉しそうに、自分の得意先を団体旅行に、率いて行った所である。
 立ち上げた事業はその後都合が悪くて廃業したが、パンフレットには其処を通るようになっていたので期待していたけれど、カットされて通らなかった。
 今日行く片山津は何度も来ているがそのうちの一回は、小学校の同窓会で、岐阜県の故郷からスーパー林道を通って、入った記憶である。
 
観光事情が、変わったせいかそんな折のグランドホテルは今は無い。
 今日は北陸国際ホテルにチェックインして夕食までを、柴山潟のほとりを散策したが、あいにく今年は土用が過ぎても梅雨明けせずに、今にも降りそうな空模様なので、間歇泉や浮御堂も今一浮かない風采であった。
 只私としては、公園で可愛い鬼百合の写真が撮れたので何よりであった。
 
世間では政争のマニフェストが熱く論議されている折、ゆっくりと温泉にばかりつかっているような旅であったが、高齢者なのに、男性も女性も九人ともお酒が強くて例によって、からおけで日頃の憂さを発散して英気を養った。
 少しずつ行く先が遠くへ伸びて、来年あたりは能登半島と言うことになるやも知れぬ。私は未だ能登へは行ったことがない。

 俳句 近江路を降られて合歓の花白し
    雨マーク高速道路昼暗し 
    ひまわりの向きこもごもに雨そぼつ 
    蓮の田の茂りけなげに合掌花

 

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