公示から十日余りで、衆議院選挙の審判が今日下った。
結果は民主党の圧勝で落ち着くところに落ち着いた感である。選挙の度にそれらしき催しをちらつかせながら、正面切って大鉈をふるうことのできなかった民主党を、一票に魂を込めた世論が、後押しをした格好で表舞台へ押し出した。
今世紀になって経済は停滞して、所得の分配の不平等が進んだ上に契約社員や、パートが増加し、若い人達は就職難に苦しんでいる。
政府の財政は逼迫し、高齢者は適切な医療や介護が受けられなくなりつつある。
戦後克己勉励して経済大国となった日本がこんな筈ではなかった。
十年後二十年後のビジョンを見据えて指導する人と政党がなかったのである。
この末法の世の中では、余りにも、経済、医療、福祉、教育など、個個の諸問題が、重くのしかかって、政治家も、鬼に金棒と威張れることは何にもないのである。
ならば余計に楽観主義は許されない。
高い生活水準を享受してしまった今の日本人に、政治の是正は果たして出来るのであろうか。ここで人間性が問われる。マニフェストを実行する姿勢が問われる。
せっかく大改造のチャンスを得たのであるから、ぬるま湯につからぬ内に任期、任期で政党や為政のキャップをチェックしたり、首をすげかえる目を国民も持ちたいものである。
特に若い者が自分達の将来社会の事として作り上げて行くものでなければならない。
俳句 意のままにのぶ百日紅並木道
無言館黙して出る秋の暮れ