NHKテレビに「団塊スタイル」という番組がある。
1ヵ月ほど前のその番組に、作家の五木寛之さんがゲストで出ていた。
五木寛之さんの著書は学生時代からよく読んでいた。
野性味と知性を併せ持ち、風貌もカッコよかった五木さんは、
僕たちの世代にとっては、羨望・憧れの的という存在だった。
その五木さんも、もう83歳になられたという。
それでも、ほとんど昔と変わっておられない。
「団塊スタイル」で五木さんの「平均的な1日」が紹介された。
エッセイにも書かれていたので、何となく知っていたけれど、
番組で紹介された“日課”を見て、改めてへぇ~と思った。
以下が五木さんの平均的な1日である。
まず起床が午後1時。…お昼の1時、ですよ。
そして午後3時ぐらいから仕事モードに入る。
原稿のゲラを直したり、編集者と打ち合わせをしたりする。
それが、夜まで続く。
そして次は、夜中の12時から朝の5時まで、原稿を執筆する。
それが終って、寝るのが午前6時から。
で、午後1時に起床…となる。
いやまぁ、すごい日課ですこと。
さらに食事も「バラバラですね」と五木さんは言う。
「全く食べない日もあるし1日1食の時も、4、5回食べる時も…」
そう言いながら、
「それでも生きているんですからね~」と五木さんは笑った。
「御年83で、それだけお元気なんですからねぇ」
と、司会者の人が感心したふうにつぶやいた。
五木さんは、1日3食規則正しく食べろとか、
野菜を沢山食べて栄養バランスをどうとか、
そんなの、アテになりませんよねぇ、とも言っていた。
「どんなふうに生きていくかは、一人一人違うんですから」
五木さんのその言葉には共感する。
でもやっぱり「健康常識」に囚われている僕ら凡夫には、
なかなかそう割り切れないし、それほど確固たる信念もない。
しかし、その番組を見てから1ヵ月も経つというのに、
いまでも五木さんのそれらの言葉が耳から離れない。
テレビでも医学や健康に関する番組が溢れ、
「1億総健康志向」の様相を呈してきた感があるけれど、やはり、
自分は自分、という意識が大切なのかな~と思ったりしています。