羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

つながり つたわり とおり まわり めぐり……

2017年08月05日 09時25分32秒 | Weblog
『アナトミー・トレイン』医学書院 を、少しずつ読み進んでいる。
 野口先生の人間のからだとからだの動きを裏付ける内容に、ようやく解剖もここまできたのか、と内心ほくそ笑んでいる。
 先生がご存命だったら、だから僕はずっと言ってるでしょ!とおっしゃるに違いない。

 従来の解剖学のとらえ方は有用ではあるが、と断って「アナトミー・トレイン」の考え方は、”統合された存在として我々の内部感覚に間違いなく役立つ”と訳者まえがきにしたためられている。

 一つには、感覚を重視する。
 たとえば、IQー知能指数 EQー心の指数 に加えて、 KQ、つまり運動感覚指数を考えている。 
 
 従来の解剖学が、機械論的な視点から、身体内部の関係性を人間としてよりも、むしろ「物」として扱っている。
 それに対して『身体を「柔らかな機械」とし、成長し、学習し、成熟し、最終的に死を迎える人体として体験することと結びついける方向に少しずつ進んでいくことを願う』とある。

 新しい身体の見方、新しい解剖学の扉が開かれたのである。
 ひとつに統合された情報系として、身体を見直す作業が、「アナトミー・トレイン」のようだ。

 基礎講座として、一個の水風船のような受精卵が分割されて、腸管が作られ、次第に外胚葉、中胚葉、内胚葉にわかれ、筋膜がからだ全体に張り巡らされていく過程について、Web動画でわかり易く説明を受けることができる。この本のすごいところだ。
『体中に張り巡らされた筋膜の網を通してヒトの姿勢や動作の安定がどのように得られるかを解明する理論である』と、12本のアナトミ・トレインを定義づけている。

 画期的なのは、骨格と筋筋膜経線(アナトミー・トレイン)の関係のとらえ方が実に面白い。
 これは野口先生に知らせたら、だから、言わないこっちゃない!というに決まっている。

 私としては、こうした発想は、なぜか親しみを感じている。考えてみると、西洋音楽は長調と短調の二つだが、実際には12音平均律にそれに当てはめる、24のコードを持っているとも言える。
 一つのコードのなかで、いくつも音楽が作られる。その発想に繋がっているような共通性を感じているのかもしれない。

 いずれにしても、明日は、朝日カルチャー「野口体操講座」があるので、またこの本とiPadを持って行こうと思っている。

 つながり つたわり とおり まわり めぐり ながれ 次々順々

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 明日、レッスンに出席されるみなさま、前回テーマにした「SBL(Superficial Back Line)」と「SFL(Superficial Front Line)」で「上体のぶら下げ」のイメージ練習を、一段と深めていきましょう。
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