羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

おどろき もものき さんしょのき

2017年08月04日 19時01分36秒 | Weblog
 6日ぶりに母を訪ねた。
 住民票はこちらにあるので、区役所からの書類が届く。
 それを届ける用事もあった。

 さて、入所そろそろ二ヶ月。
 適応力のはやさに驚かされた。
 というか、施設のスタッフの皆さんの智慧と工夫と努力で、自宅暮らしでも見せなかった母の意外な面を知る事となった。
 
 からすの行水のはずが、湯槽につかって長湯なのだと、聞いた。
 そんな筈がー。
 事実らしい。
 思うに、プロの介助で安心して入浴が出来るということだろう。

 食事は完食、おやつもしっかりとって体重も増えたという。
「冷やし中華」のときには「美味しい美味しい」と食したそうだ。
 食が細くなっていたことは過去の事となった。

 先日の歌のコンサートは、最後まで聞いていたそうだ。
 感想を聞くと「とてもよかったですよ。楽しかったです。素敵でした」
 そう答えたそうだ。
 案ずるより産むが易し。
 娘にピアノを習わせて、音大にいれたのに、母はじっと座って演奏を聞く事はあまり好きそうではなかった。
 なのに、ちゃんと最後まで聞けたなんて、泣けますー。
 家にいたのでは経験できないことだった。

 脱衣行動もなくなった、とのこと。
 にこにこ笑顔を見せる事が多いという。
 スタッフのみなさんも驚くほどの適応力をみせている、という。

 そして、今日は、相談事も切り出してみた。
 どこまで理解してくれたかはわからない。
「それはとっても難しいわね」
 そうなんです。
 難しい相談でした。

 声楽家の方のお部屋も訪ねて、しばらくお話をした。
 芸大の三期生。
 懐かしい音楽家の名前が次々と語られて、なんだかうれしかった。
 何十年ぶりだろうか、音楽の話が出来るとは、まったく思いもよらない展開だった。

 人の一生は、最後の最後までわからないものだ。
 捨てたものではない。

 おどろき もものき さんしょのき
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