羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

至福!名付けて「知子・ふれあいヨガ逆立ち」

2015年04月29日 13時22分01秒 | Weblog
 それは偶然に訪れた至福だった。
 否、いくつかの伏流が一つにまとまって、訪れた至福に違いない。
 いちばん遠い記憶は、哺乳類が胸骨を得て肋骨がまとめられ、胸郭の底をふさぐように横隔膜がつくられた新生代まで遡る。当然、ヒトはまだ存在しない。

 まッ、そのことは一時お預けしておこう。
 極極近い過去に話をすすめる。
 どのくらい近いの?
 二週間もたっていない、近さ。
 4月18日、土曜日の朝日カルチャーセンター「野口体操講座」での出来事だった。
「脊柱・肋骨・胸骨」+「横隔膜」、つまり胸郭部をテーマにした一回目のレッスンだった。
 ヨガの逆立ちをしていたときにその最初の至福体験がもたらされたのである。
 残念なことに、私は、その出来事を目の当たりに出来なかった。
 女性グループの数名が、興奮している。ただならぬ声をきいて、何が起こったのか話を聞きにいった。
 まず、Sさんが幇助をされながら野口流ヨガの逆立ちをしていたらしい。立っているあいだに傍にいた知子さんが、Sさんの下半分ほどの肋骨を中心に鳩尾あたりに手当をしたらしい。しばらくしてもう一人加わったかもしれない。
 逆立ちからおりてきたとき、Sさんは生まれ変わったような目の輝きになったと聞いた。
「ものすごく気持ちがいい」

 一応、レッスンを終わらせてからも、その興奮はさめやらない。
 するとKさんが「僕も体験させてください」と申し入れた。
 その場でヨガ逆立ちをして、数名の女性が彼の胸郭にやさしく手当した。
 みるみる呼吸とともに逆立つ真っ直ぐさが変化していくのが手に取るように見えてきた。
「これはすごそうだ!」

 一週間後の25日には、「テーマ・胸郭部2」を準備して、私自身も体験させてもらう算段をして出かけていった。
 レッスンの後半、30分のところで、「知子・ふれあいヨガ逆立ち」を皆さんに体験していたく。
 まず女子会グループに紛れ込んで、試させてもらった。
 いやはや、気持ちいい。最初のうちは立った状態で腹式呼吸を意識的にやってみた。
「羽鳥先生、呼吸は意識しないで、そのままそっといてください」
 そのことばに任せて、数名が手当てしてくれている“ぬくもり”に浸ってみた。
 からだ全体がふわ~っとしたあたたかな空気に包まれた。そのぬくもりはからだの内側にじわりじわりと染み込んで来る。
「え~、え~、こんな気持ちよさ~~」
 ことばは消える。
 からだの輪郭も消える。
 おもさも消える。
 ぽかぽかとまるごとのからだが温かくなる。
「おりたくな~い」
「このままいつまでも、こうしていたい」

 いくつの手が差し伸べられたのかもわからない。
 つつまれて、あたためられて、至福。
「こんな素敵なヨガの逆立ち、ってあるんだー」

 男女二手に分かれて体験してもらったが、終わった時には、いつも以上に笑顔にあふれた教室だった。
 いつも以上に話が弾んでいて、その声が明るく楽しそうだった。
 これはすごい!

 知子さんが手当したことがはじまりらしいが、詳しい話をきくこともしないで、25日は帰宅してしまった。
 5月2日に、伺ってみよう。
 私自身、野口体操40年目にして、はじめて味わった至福の逆立ちである。
「あれッ、野口先生も未体験の逆立ち感に違いない。え~、それは残念」
 野口先生は、独りで立てることだけが逆立ちの意味ではない、とおしゃっていたではないか。
 まったく独りでは味わえない境地なのだ。
 いやはや、今日のところはまとまりませんわ。
 再三、書きます。
 名付けて「知子・ふれあいヨガ逆立ち」であります。
 つづく。 
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