羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

秋彼岸

2008年09月27日 07時38分04秒 | Weblog
 お中日‘秋分の日’を中心に、前後3日。
 彼岸の入りから明けまでの一週間が終わった。
 
 季節は移ろう。
 今朝はすっかり秋の空気に変わっていた。
 昨日から、そろそろ夏物の洗濯や、片づけを始めていたが、初秋の晴れ間は、運動会日和と同時に季節のものの入れ替え日和でもある。

 さて、話は戻る。
 今年の彼岸は、珍しいことが起きた。
 といってもごく小さな出来事である。
 父の三回忌以降、墓参りに出かけなかった母が、どのような風の吹き回しか、一緒に行くと言い出した。
 なるほど。
 彼岸前に珍しく面倒がらずに髪染をしていたのはこのせいか、とあとから納得した。40代から始めたもののさすがに80代になってからは、億劫がることが多くなった髪染め。
 それでも続けてきたことを、できるだけ止めたくないらしい。

 そんなわけでお中日は避けて、翌24日に揃って出かけた。
 行きはタクシーで、帰りはバスと電車に乗りたいという希望をかなえた。
「今日は、楽しかった」
 こんな言葉を聞くなんて、初めてだ。
 そうとうお疲れの様子にもかかわらず、満足げな表情を見せてくれた。

「これでお寺さんにお別れが出来た」
 12月に七回忌があるけれど、それはそれらしい。
 自分の問題として、彼岸に墓参りをすることで、一つ、人生の区切りをつけたらしいのだ。
 翌日は、さすがに朝寝坊をしていたが、起きてきたときにはいつになく元気で背筋も伸びていた。

 晩年、野口先生もよくおっしゃっていた。
「70歳にならなければ、80歳にならなければ、年寄りの気持ちはわからないよ」

 それはそうかもしれない。
 しかし、年は若くても老いた人の心の襞に、少しでも触れることがあってもいいよね。
 最近は、母の毒舌が少なくなった。
 ところが以前にも増して‘予感’が当たるようになっている。
 ちょっと怖いな!
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