羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

脳天逆立ち

2009年09月20日 09時05分20秒 | Weblog
 昨日の朝カルのレッスンでは、自宅で試した‘座位によるほぐし+にょろ転+おへそのまたたき+逆立ちへの軌跡’にたっぷり時間をさいた。
 これほど丁寧に行うのは、はじめての試みだと思う。
 からだを固めないこと、床に触れているところから緩められ、溶け込み沁み込む感じをほとんどの方がつかんでくださったようだった。

 最後に‘脳天逆立ち’をMさんに伝授した。
 壁に支えてもらっているのではなく、自分自身でも柔らかく逆立ちしている。
 背中側は壁にそっと触れている状態を保つことで、両手を床から離して、胸の前で組むことが出来る。
 腰を上げていくときには、両手で真下方向に一瞬間力をいれて床を押すことになる。それをきっかけにして逆立ちまで一気に持っていくのだ。
 上下方向しかない。鉛直方向にからだの長い軸を、一瞬にして一致させることで逆立ちになってしまうわけだ。

 自覚的には腕の外側の筋肉に力を入れる感覚がある。
 野口体操としては珍しく局在感として筋肉の能動的収縮感がつかめる動きだ。
 くりかえすがそれは、ほんの短い時間の出来事で、あとは骨に重さを任せる逆立ちである。

 春秋社刊『野口体操 感覚こそ力』の220~221ページに4人で行っている写真がある。「遡ることは朔まること」と題された中の‘脳天逆立ち’である。
「これは子供たちがやっているんですか」
 ある体育の教授に訊ねられて一瞬言葉に詰まった記憶がある。
 彼の言葉の裏側には‘こんな難しい逆立ちは、大人になったら出来ないに違いない’と言う思いがべったり張り付いていた。
 言葉にはなさらなかったが、大人を通り過ぎて年をとってきたら(少なくとも五十に近づいたら)出来なくなるに違いない、と言いだけだった。
 すかざさず私は答える。
「今でも、出来ますよ」
 たしか二年ほど前のことだった。(五十八歳ごろのこと)
 彼曰く
「このごろ硬くなってしまったからなぁ~」
 さすが体育専門の方だけに見抜いておられた。
 これが野口体操なのですぞ!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 昭和的なるもの・こと | トップ | 季節は巡る »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事