もっと もっと 壊そうね
書の道の常識を
書の道のとらわれを
あなたならそれができる
もうすでに壊しかかっている
二階のぶ子
生殖の力終わりて人を恋う
異人の葡萄酒(ワイン)に
酔うた振りして
(自詠)
添え書きより
はじめてみるあなたの衝動
隠していた
何十年も
おりおりに 感じてはいたのよ
この人は 何かを 壊そうとしている
刃ではなく
薬でもなく
柔らかな筆先 墨の滴り
いや硬い筆先 滴る血液
前衛書道の産声をきいた
幻聴だったとは思えない
まだまだ時間はありますよ
2024年6月13日 武蔵野市立吉祥寺美術館
市民ギャラリーにて