朝日新聞夕刊5月25日付けにこんな記事を見つけた。
読む前にTwitterで内容の一部は知っていたが、詳しい経緯をこの記事で知った。
記事の大見出しは『原発事故、都バス赤字危機』である。
都交通局のルーツは、戦前に東京市電(後の都電)を手がけていた東京市電気局だそうだ。戦時下の国家総動員法に基づいて配電統制令で手放し、1951年にそれらの事業をまとめて発足したが東電。こうした経緯から、都は東電の株を設立当初から大量に取得した。都は発行済み株式の3・15%を保有し、直近では第五位の大株主になっている。
ここ10年ほどの東電株の配当利益は、年に約25億6千万円。それが交通事業会計に入っていた。都バスの黒字7億7300万円は、配当金によって齎されたものだった。これから東電株が無配となれば、当然のことに都バス経営は20億円の赤字となる事は必至、いう内容記事だ。
果たして利用者にふさわしい値上げくらいではおっつかないだろう、と素人でも予想がつく。
おそらく他にも東電にからんで、財政問題を抱えている自治体や事業体があるはず。
とりわけ原発を誘致する事で潤ってきたところが、更なる原発建設が難しくなる事で財政難に陥ることは目に見えている自治体についても報道されている。
補助金をたよりにして新しい産業開発を怠った付けも回っているという。
いやはや今回の原発事故は、日本社会構造の根底を揺るがす事態に発展している。産業構造をも換える自然エネルギーへの転換もその一つだ。
またしても菅総理は直接関係する閣僚ににおわす事もせず、国際会議の席で、「自然エネルギー変換20%」について、一人で旗ふりを行ってもそっぽを向かれるに違いない。
せっかく変換にとってよき時期にありながら、なんともまずい行動にまたもや辟易させられる。
自然エネルギーへの変換は、産業構造を根本から換えることと一体なのだから軽率には動けないのが現実だ。「言い放ってしまえばいいってものではない」のだ。
今回「再生可能自然エネルギーの利用拡大の必要性」を強く総理に訴えたのは、内閣官房参与の田坂広志氏だという記事も読んだ。田坂氏は哲学をもち説得力のある言葉を持った有能な方だ。菅総理はご自身で見極めて、責任をもって発言していただきたかった。
さて、話が飛んでしまった。
都バスの記事から思う事は、本業で収益をあげることが難しい事業体はたくさんあるだろうこと。とりわけ教育文化に関わる事業はその最たるもの。
他にも、今、光があったているNPO法人活動も、危うい財政の上に乗っている。民主党はNPO法人を「新しい公共」の担い手として優遇し、法的にも守っていくと言っている。その民主党が信じがたい様相を呈している。
NPO法人が、大震災の復旧や復興に関連して“都合良く使われる”に終わってほしくない。それは許されない。しかし、財政がしっかり担保された地に着いた活動へとつなげていく将来は難しいのではないか、と老婆心にかられる。
また、ニュースで見る限りだが、お祭り騒ぎのボランティア活動が見られることに危惧を抱かざるをえない。
「さぁ、一致団結、日本が一つになって、みんなで一体になって助けよう」という危うさが見えてきた。
願わくば、「右か左か」「原発か脱原発か」、といった二分法ではなく、成熟した大人の対応ができる復旧復興を支える方向を探りたい。自分自身も含めて、この危機だからこそ「人を育てながら」将来の日本の基礎を築く時が、震災後三ヶ月を迎える6月からであってほしい。
とにかく単純ではない。カオスなのだ。矛盾する事を内包しなら、いくつものカンテラを持って道を歩む勇気と責任を、一人一人が持たなければなるまい、と自戒も込めて書いている今日のブログ。
「都バス記事に学ぶ」を、ひとことでまとめれば「本業で収益をあげる」ということに知恵を働かせて真摯に向き合おう、でした。
ずいぶん遠回りをしてしまった。
読む前にTwitterで内容の一部は知っていたが、詳しい経緯をこの記事で知った。
記事の大見出しは『原発事故、都バス赤字危機』である。
都交通局のルーツは、戦前に東京市電(後の都電)を手がけていた東京市電気局だそうだ。戦時下の国家総動員法に基づいて配電統制令で手放し、1951年にそれらの事業をまとめて発足したが東電。こうした経緯から、都は東電の株を設立当初から大量に取得した。都は発行済み株式の3・15%を保有し、直近では第五位の大株主になっている。
ここ10年ほどの東電株の配当利益は、年に約25億6千万円。それが交通事業会計に入っていた。都バスの黒字7億7300万円は、配当金によって齎されたものだった。これから東電株が無配となれば、当然のことに都バス経営は20億円の赤字となる事は必至、いう内容記事だ。
果たして利用者にふさわしい値上げくらいではおっつかないだろう、と素人でも予想がつく。
おそらく他にも東電にからんで、財政問題を抱えている自治体や事業体があるはず。
とりわけ原発を誘致する事で潤ってきたところが、更なる原発建設が難しくなる事で財政難に陥ることは目に見えている自治体についても報道されている。
補助金をたよりにして新しい産業開発を怠った付けも回っているという。
いやはや今回の原発事故は、日本社会構造の根底を揺るがす事態に発展している。産業構造をも換える自然エネルギーへの転換もその一つだ。
またしても菅総理は直接関係する閣僚ににおわす事もせず、国際会議の席で、「自然エネルギー変換20%」について、一人で旗ふりを行ってもそっぽを向かれるに違いない。
せっかく変換にとってよき時期にありながら、なんともまずい行動にまたもや辟易させられる。
自然エネルギーへの変換は、産業構造を根本から換えることと一体なのだから軽率には動けないのが現実だ。「言い放ってしまえばいいってものではない」のだ。
今回「再生可能自然エネルギーの利用拡大の必要性」を強く総理に訴えたのは、内閣官房参与の田坂広志氏だという記事も読んだ。田坂氏は哲学をもち説得力のある言葉を持った有能な方だ。菅総理はご自身で見極めて、責任をもって発言していただきたかった。
さて、話が飛んでしまった。
都バスの記事から思う事は、本業で収益をあげることが難しい事業体はたくさんあるだろうこと。とりわけ教育文化に関わる事業はその最たるもの。
他にも、今、光があったているNPO法人活動も、危うい財政の上に乗っている。民主党はNPO法人を「新しい公共」の担い手として優遇し、法的にも守っていくと言っている。その民主党が信じがたい様相を呈している。
NPO法人が、大震災の復旧や復興に関連して“都合良く使われる”に終わってほしくない。それは許されない。しかし、財政がしっかり担保された地に着いた活動へとつなげていく将来は難しいのではないか、と老婆心にかられる。
また、ニュースで見る限りだが、お祭り騒ぎのボランティア活動が見られることに危惧を抱かざるをえない。
「さぁ、一致団結、日本が一つになって、みんなで一体になって助けよう」という危うさが見えてきた。
願わくば、「右か左か」「原発か脱原発か」、といった二分法ではなく、成熟した大人の対応ができる復旧復興を支える方向を探りたい。自分自身も含めて、この危機だからこそ「人を育てながら」将来の日本の基礎を築く時が、震災後三ヶ月を迎える6月からであってほしい。
とにかく単純ではない。カオスなのだ。矛盾する事を内包しなら、いくつものカンテラを持って道を歩む勇気と責任を、一人一人が持たなければなるまい、と自戒も込めて書いている今日のブログ。
「都バス記事に学ぶ」を、ひとことでまとめれば「本業で収益をあげる」ということに知恵を働かせて真摯に向き合おう、でした。
ずいぶん遠回りをしてしまった。