羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

復刻版 『大菩薩峠繪本』

2008年07月13日 15時20分09秒 | Weblog
 今朝、‘ゆりかもめ’に初めて乗った。
 東京湾を半周するような感じで、ゆらりゆらりと蛇行して走る間、さまざまな角度から東京湾岸の東京を眺めていた。
 日曜日ということもあって、どのビルも人がいない。シーンと静まり返った町の様子に、少々戸惑いを覚えた。

 しかし、久しぶりに見た東京湾の海だ。
 ‘ゆりかもめ’は、車体が高いところを走っているだけに‘眺望’という点では申し分ない。これが夜だったら、きっと違った風景に変容するのだろうな~。海の上からこの景色を眺めたら、ここが、自分の住む東京とは思えないだろう。

 国際展示場正門駅に降り立って、「第十五回東京国際ブックフェア」会場に向かった。駅から歩くこと1、2分だが、やんわりと頬を撫でる海風に潮の匂いを嗅いでいた。
 朝10時。
 日差しは真夏の午後の暑さを予感させるに十分に気温を上げていた。
 会場に到着して、受付を済ませるのに列に並び数分はかかった。

 いざ入場すると、今度は新刊本の匂いが鼻に忍び込む。
 視覚は少し遅れて本の表紙や背表紙に注がれる。
 入ってすぐが人文系出版社のブースである。
 左右を見ながら歩き進むと、左手に春秋社のブースがあった。
 不思議なもので、いや不思議ではないかもしれないが、「野口体操」の文字がすぐ目に飛び込んでくる。
 
 春秋社の編集・営業の方々と話をしていると、社長の神田氏が到着された。
 社を担っている中心の方々が全員揃った。
 会話していると、この写真の本を差し出された。

 復刻版「春秋社創業90周年記念 大菩薩峠繪本」である。
 昭和11年『大菩薩峠』の名場面を得にした稀覯本『大菩薩峠絵本』の一部を復刻したものらしい。
 春秋社は「トルストイ全集」や「ドストエフスキー全集」等々を出版し、その後この『大菩薩峠』の普及版によって、出版社としての基盤が磐石なものになったと聞く。

 このような記念の本をいただけるとは思っていなかった。
「次は、百年記念です」
 編集部長氏の言葉が耳に残った。
コメント
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