羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

春の足音

2007年03月16日 19時04分09秒 | Weblog
 天気予報で、今朝は雪が舞うといわれていたので、なかば心配しながら目が覚めた。朝の4時半に起き上がって、外を見ると雨も雪も降っていなかった。
 9時過ぎになってぱらっと、白い粉が降ってきたが、これを観測史上いちばん遅い初雪というには、あまりにも無理がある。

 昨日、植え替えた植物の様子を見て、玄関に一部を取り込もうかとも考えた。しかし、たった一日しかたっていないのに、芽吹きがはじまったり、芽がいっそう膨らんだり、新芽がはやくも開きかかかっていて緑が鮮やかになったりしていたので、植え替えて土からの栄養がもたらされたのだろうと安堵した。それに水あげもうまくいっているようで、植物の生命力は、たいしたものだと感心した。
 夜は玄関先にだしたまま戸締りをした。

 今朝になってみると、もみじは赤い新芽をしっかりひらき、花梨は花芽が桃色に色づいている。とっても嬉しい。
 午後になって少し気温が上がってきたので、今日は柘植・くちなし・初雪蔓などの植え替えをしてしまった。
 あとは松と真柏のみを残すところとなった。
 この植え替えの楽しみの一つは、鉢選びである。昨年、二鉢のしゃれた鉢に杉を植えた。抜き出してみると、かなりしっかりした根が巻いていた。しかし、今年は深い鉢に植え替えて、少し楽をさせてあげようと思った。
 根の状態を中心に、木の元気さ加減や疲れ具合や自然の老いを見ながら、今年の鉢を決めていく。全体に今年は安全を選んだ。植え替え時期も昨年よりは早いし、3月になってから寒いこともあってそうした鉢を選んでみた。

 こんなに寒くなっても、春は春。
 そういえば幼いころ、多摩川近くに住んでいた母方の祖母の家にお泊りしたときのことを思い出した。祖母に見てももらいながら草摘みをし、家に帰って草団子をつくり、あらかじめ煮てあった小豆の餡をからませて「草団子」を作ったときの匂い。一緒に摘んできた土筆は佃煮にしてもらって食べてみると、苦味が舌の上に広がって、「これが春の味なのね」などと、生意気なことをいって大人たちを笑わせてしまったこと。
 
 草の匂いや感触、土筆の姿かたちのかわいらしさ等々、春の植え替えで思い出された。
 きっと土に触れ、鉢から引き抜いたときの根っ子の匂いが、50年以上も昔の感覚を呼び覚ましてくれたのだろう。

 今朝、道路を掃くついでに、隣家に植えられている淡紅色の花を咲かせる海棠(カイドウ)の蕾を見た。ふっくらとして色づき、咲き始めるのも間近いことに気づかされた

 春の足音が聞こえるこのごろ……。
コメント
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