電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

戦後の新制中学校における実習室や実験室の整備

2023年03月16日 06時00分16秒 | 歴史技術科学
終戦直後の混乱期をなんとか通過した頃、ベビーブームによる子どもたちが大挙して学校に入学するようになります。昭和23年に発足して間もない新制中学校(*1)は、義務教育の受け皿として拡充整備することが求められますが、選択科目の英語だけでなく各科目を教えられる教員も足りなければ教える教室も足りないという状況で、1クラスに55人も生徒が入っているという状況でした。特に戦後の町村合併と重なった地域では校舎建築が間に合わないほどだったようです。筆者の母校でも、それなりに歴史の長かった小学校と違い、当初は旧国民学校高等科の建物を利用していた新制中学校は隣接する二つの地区の請願により2校が統合されることとなり、一期工事で昇降口と便所、普通教室のほか第1と第2の理科実験室と準備室、二期工事で体育館とグランド、三期工事で普通教室と特別教室棟が追加建設されました。このうち特別教室は、音楽室、技術木工室、同金工室と準備室等を含むもので、新制中学校で新たに誕生した技術家庭科のための実習室でした。

ここで、一期工事に普通教室に加えて理科室が入っていることに驚きます。おそらくは、先の大戦が科学技術や合理的な考え方を軽視し、精神主義・非合理主義に陥っていたという反省から、科学技術教育の重視が打ち出されていたことの影響でしょうか。理科の先生が得意そうに白衣をひるがえし、科学部(クラブ)にはかなり多くの部員が所属していたということからも、当時の風潮がうかがわれます。また、放課後の部活動も、昭和40年頃にはおよそ6割が運動部に所属し、4割は文化部・生産部に所属して、科学、音楽、美術などのほか、木工、珠算、家庭(料理・被服)などの活動に従事していました。ほとんどが運動部に所属する平成〜令和の姿を思うとき、感慨を禁じえません。

それと同時に、産業復興を支える人材育成を目指したのであろうと思われますが、1951(昭和26)年に産業教育振興法が制定(*2)され、いわゆる産振棟・産振設備の整備が可能となっておりましたので、技術家庭科の実習室はこれらの補助を受けて整備されたものと思われます。また、1953(昭和28)年には理科教育振興法が議員立法によって制定され、理科や数学等の実験器具や模型等の整備ができるようになりました。二つの振興法に基づく予算規模は桁が違いますが、理科の場合は建物や設備整備ができず備品の購入の補助にとどまったのは、当時の社会情勢によるものと思われます。

というのは、昭和25年頃には約42%強だった高校進学率が、昭和35年にはおよそ60%に増加し、昭和40年には約71%、昭和49年にはついに90%を突破するという背景がありました。しかも、進学先の高校が、昭和25年、昭和35年、昭和40年と、ずっと高等学校在籍生徒数の約6割が普通科に、約4割が職業学科に学んでいたのです。私の年代でも、中卒で就職する人が同級生の約二割はいたと記憶していますが、産業教育の振興は、産業人材の育成を目指すという点で、高度経済成長を続ける当時の社会の要請でもあったのかもしれません。



残念ながら、その後の展開は必ずしも趣旨が充分に生かされたかどうかは疑問な面があり、商業高校や工業高校が中型コンピュータ(ミニコン)によりオンラインで結ばれる整備がようやく実現した頃にはパーソナルコンピュータとネットワークが普及してきているという具合に、設備整備の速さよりも技術の進歩の速さが勝るなどの矛盾も見られるようになりました。設備整備が終わった頃にはすでに技術が陳腐化しているというものですが、それでも法律が制定当時に果たした役割は大きなものがあっただろうと思われます。

(*1): 新制中学校の発足と義務教育年限の延長〜「学制百年史」文部科学省
(*2): 産業教育振興法の制度〜「学制百年史」文部科学省

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パイロットの「LIGHTIVE」万年筆に古典BBインクを補充して

2023年03月15日 06時00分59秒 | 手帳文具書斎
パイロットのライティブ(LIGHTIVE)万年筆のインクが切れかかっていましたので、コンバータCON-70にプラチナ古典BBインクを補充しました。CON-70はプッシュ式で、何度もプッシュしているとインクが吸入される仕組みですが、ペン先がインクに浸っている必要があり、インク残量の少なくなったボトルからは吸引が難しいです。大型のペン先を持つモンブランのマイスターシュテュック149と同様に、プラチナ古典ブルーブラック(BB)インクの旧ボトル(30mL)だとインク残量が少なくなってもインクの深さを確保しやすいことから、この2本に関してはもっぱら小型の旧ボトルを使うことが多いです。



今回も、旧ボトルから吸入しましたが、それでもインク残量が不足気味で、ボトルを傾けて万年筆のペン先が浸るようにして吸入して、ようやく必要量を補充することができました。これは、職場に置きっぱなしの新ボトルの残量を旧ボトルに集めて、インクの深さを確保しておく必要がありそうです。



パイロットの廉価万年筆ライティブ(LIGHTIVE)は、中字でとめはねがかっちりとした書き味で、古典BBインクが少し空気酸化されてしまいがちですが、書き心地としては悪くありません。軽くて頼りないという面もありますが、金属軸の重たいものよりも私としては書きやすいと感じます。



確定申告も提出済みだし、今日のお天気は終日ずっと晴れのようだし、コーヒーと水とおやつを持参して果樹園に出かけ、剪定枝を集める仕事をがんばって前に進めましょう。

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ずっと若い人たちが退職年齢になっているということは

2023年03月14日 06時00分46秒 | Weblog
昔、職場で一緒に働いていた人たちが続々と退職年齢になってきているようで、あちこちから退職の報せが届きます。そうか、自分の定年退職からもう十年の月日が流れたのだなあ。その後、ある程度きちんとした料理を覚え、マイ包丁を持つようになりましたし、農作業もすっかり板につきました。まだまだ人生の店じまいをするには早いと思うけれど、身辺の不要物は少しずつ片付けておく必要があるでしょう。



幸いに、まだ健康で今後は地域の役割・仕事が待っていますが、趣味の音楽の楽しみはまだまだ続きそうです。3月も魅力的な演奏会が目白押しに。確定申告を終え、サクランボ果樹園の剪定枝を片付けながら、さて実際にいくつ聴きに行けるのか、楽しみです。

  • 3月12日(日) 15時〜 山響第307回定期演奏会 ■(済)
  • 3月23日(木) 12時〜 山形テルサ・ランチタイムコンサート 砂川涼子(Sp)、仲田淳也(Pf)
  • 3月23日(木) 19時〜 日新製薬サンクスコンサート 今年は当選しないかな?
  • 3月30日(木) 19時〜 セレナーデ in 文翔館 


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山響第307回定期演奏会でハイドン、ブルックナーを聴く

2023年03月13日 06時00分14秒 | -オーケストラ
よく晴れた日曜日、午前中にサクランボ果樹園の剪定枝の片付けをしてまだまだ終わらない量にため息をつき、午後から山響こと山形交響楽団の第307回定期演奏会に出かけました。会場の山形テルサ方面の駐車場は確定申告等で混雑するであろうと考え、早目に出かけたのが大正解、なんとか駐車場を確保してプレトークに間に合いました。

西濱事務局長が登場し、今回のソリスト堤剛さんと山響創立名誉指揮者の村川千秋さんとの友情と長い間の協力を紹介し、指揮の飯森範親さんに話を振り向けます。飯森さんは遅咲きの作曲家ブルックナーについてかなり詳しく紹介してくれました。それと、今回の新基軸として楽器配置の変更を行っていることも紹介。

さて、本日のプログラムは、

  1. ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2  Vc: 堤剛
  2. ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調 WAB 107(ハース版)
      飯森範親 指揮、山形交響楽団

というものです。

1曲め、ハイドンのチェロ協奏曲。楽器編成とステージ上の配置は、中央左にソリストと右に指揮台、そして左から第1ヴァイオリン(6)、チェロ(3)、ヴィオラ(4)、第2ヴァイオリン(6)、左奥にコントラバス(2)、中央奥にホルン(2)とオーボエ(2)、というものです。作曲された時代を考え、かなり編成を絞っての演奏となります。三大チェロ協奏曲というと、このハイドンの2番とシューマン、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を指すようですが、80歳のソリストにとってはこれまで何度演奏したかわからないくらいでしょう。その名曲の、おなじみの序奏がやわらかに奏でられる中に独奏チェロが入ってくるときの伸びやかな雰囲気が、なんともいえずいいなあ! 若い時代ならば音楽をねじ伏せようとする勢いが喝采をあびるのかもしれませんが、そうではなくて、かけがえのない時の流れを懐かしみ音楽を愛しむような、そんな演奏でした。考えてみれば、60年も前の若い頃に、米国で一緒に音楽を学んだ仲間の一人が故郷にオーケストラをつくり、草創期の苦闘の時代には来演して支えたそのオーケストラが、今50年の記念の年を迎えている。そんな感慨を持ちながら、しみじみチェロの音はいいなあと思ったことでした。

聴衆の拍手の中、創立名誉指揮者・村川千秋さんが花束を持って登場、堤剛さんに贈ります。90歳の指揮者が80歳の独奏者に花束を贈る、50周年記念年の最後にふさわしい光景に、飯森さんも思わず感激の様子でした。そして堤剛さんのアンコールは、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲第1番から、第1曲「前奏曲」。ゆったりと奏されるチェロの響きに、やっぱりバッハはいいなあとため息でした。

休憩の前に、西濱事務局長から連絡が入り、3月25日(土)の16時から、YBC(山形放送)TVで山響のドキュメンタリー番組が放送されるとのこと。また、音楽雑誌「モーストリー・クラシック」の4月号で山響が取り上げられ、本文6ページのほか、表紙も山響が飾っているのだそうな。休憩時の物販で提供とのことでしたので、急ぎかけつけましたが、残念ながらタイミングでアウト! 幸いに終演後に追加で提供とのことで整理券をゲットし、あわせて堤剛さんのCDでフランクとR.シュトラウスのソナタと三善晃の「母と子のための音楽」を収録したものを購入して自席に戻りました。



休憩後の後半は、ブルックナーの交響曲第7番です。この曲は、2013年1月の第226回定期演奏会(*1)で取り上げられ、後に山響のレーベル YSO-Live からCDになっています(*2)から、9年ぶりの再演ということになります。前回の演奏の時と楽器編成や配置で変わった点というと、「新基軸」との言葉にあったとおり、コントラバスの数と配置でしょうか。前回、2013年には 10-8-7-6-5 という弦楽5部でコントラバス(5)は左後方に配置されていましたが、今回は弦楽5部が 10-8-6-6-4 という編成で、指揮者を中心に向かって左から 1st-Vn(10)、Vc(6)、Vla(6)、2nd-Vn(8)、コントラバス Cb(4) は正面最奥部になっています。正面奥に木管が二列、Fl(2)とOb(2)、Cl(2)とFg(2) が並び、その左に Hrn(5)、右に Wagner Tuba(4)、木管の奥には金管が横一線に Tp(3)、Tb(3)、Tuba、その後ろの最奥部に Cb(4) と Timp. という並びです。

演奏が始まると、ヴァイオリンのトレモロに続いてホルンとチェロが「ブルックナー開始」を告げると、迫力ある低音が正面からビンビン響いてきます。ホールの大きさと響きの特徴を知っている飯森さんらしい工夫と感じます。さらに、Tp, Tb, Tuba が横一線に並んで一斉に奏する時、迫力ある高音から低音まで光のスペクトルのように左右に広がります。この効果も、残念ながら我が家のスピーカーからは出せません。実演ならではの音響的な楽しみです。今回、いわゆる「ブル7」の演奏で気づいたのは、ティンパニが大きく連打するところだけでなく、その後もずっと鳴っていることでした。CDで聴いているときには気づきませんでしたが、目で見て演奏を聴いていると、たしかに背後にティンパニの連打が聞こえ、印象的に意識されます。また、第2楽章で Wagner Tuba と Vc, Vla が奏する中に Vn や Cb 等が加わっていくところ、悲痛というか厳粛というか、深い感情が呼び起こされると感じました。第3楽章スケルツォ、第4楽章フィナーレと進み音楽が高揚していくところは、この曲を聴く喜びとなります。曲が終わり、飯森さんの指揮棒がまだ下りきっていないうちに拍手が始まってしまったけれど、パワフルな演奏を聴き終えてじっとしていられなかった人がたぶんいたのでしょう。気がせいて待ちきれなかったということで、まあ、仕方がないのかも(^o^;)>poripori

拍手の中、飯森さんがオーケストラの団員一人ひとりに握手、挨拶をしていきます。常任指揮者、音楽総監督として山響の発展・飛躍を成し遂げ、阪哲朗さんにバトンを引き継ぎ、今後は桂冠指揮者として山響を見守る立場に変わるわけですが、来年は予定がなくても、今後また山響で意欲的なプログラムを聴かせてほしいものです。一人の音楽愛好者として、また山響ファンの一人として、飯森範親さんに心から感謝をしたいと思います。

コロナ禍への対応も少しずつ変わってきており、今回から分散退場のアナウンスもなし。ホールから外に出ると、まだ薄明るい景色に春の訪れを感じました。新シーズンも、山響が楽しみです。



(*1):山響第226回定期演奏会でシューマン、ブルックナーを聴く〜「電網郊外散歩道」2013年1月
(*2):飯森+山響によるブルックナー「交響曲第7番」を聴く〜「電網郊外散歩道」2014年5月

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緑茶と干し柿〜固くなった干し柿を柔らかく食べる

2023年03月12日 06時00分43秒 | Weblog
昨年、たくさん干した干し柿が、ずいぶん食べてそろそろ終わりになる頃です。さすがに今の時期になるとだいぶ固くなって、歯の弱い人には厳しい面がありそうなほどです。ところが、妻がお年寄りから耳寄りな話を聞いてきました。固くなった干し柿は、お茶に浸して食べると柔らかくなるというのです。それはいいことを聞きました。さっそく試してみましょう!

念のためできるだけ小さい干し柿を選んでヘタを取り、2つに割いて熱いお茶に投入しました。ふむふむ、なるほど。ドライフルーツを熱湯で戻すような感じなのだな。



少しずつお茶を飲んでいると、最後に干し柿が残ります。身はだいぶ柔らかくなり、固くなっていた表面も充分に噛み切ることができます。これなら、歯の弱い老人でも食べられそうです。緑茶に干し柿、これはいいことを知りました。



調子に乗ってコーヒーでも試してみたら、圧倒的に見た目が悪いです。どす黒い色というか、茹でた石炭を食べるみたいな感覚になってしまいます。たぶん紅茶でも同じような印象なのでしょうか、見た目も考えれば「緑茶に干し柿」、これで決まりのようです。

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2011年3月のブログ記事を読み返すとき

2023年03月11日 06時00分35秒 | ブログ運営
今日、3月11日は、東日本大震災が発生した日です。すでに12年の時間が経過し、あの年に生まれた子どもが小学校を卒業するのですから早いものです。被災した方々の心の傷はまだ「かさぶた」状態なのかもしれませんが、それでも日常は動いていくのでしょう。周囲の人々との日々の営みの積み重ねが、少しでも心を癒やしてくれることを祈ります。

私も、2011年3月の、特にブログを再開した14日以降の記事(*1)を読むと、厳粛な気持ちになります。文章に緊張感があり、背筋がピンと伸びているような感じがします。軽妙さやユーモアの要素はほぼ影を潜め、物事を斜めに見ることもなく、事態をまっすぐに捉えようとしているのが感じられます。ある意味、自分の過去記事から自分自身の現状が叱責されているような感じさえ受けるほどに、今の自分もおそらくこれ以上のことは書けなかったであろうと思います。

(写真は、山形県の村山盆地中央部を水害から防止することができている理由の一つ、最上川と古最上遊水地です。先人の智慧に感謝です。)

(*1): 「電網郊外散歩道」2011年3月の過去記事

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干し芋とインスタントコーヒー

2023年03月10日 06時00分27秒 | Weblog
過日の休憩時に、最後の干し芋をおやつに、コーヒーを飲みました。干し芋は娘が送ってくれたもので、茨城県の農家で作っているものらしい。妻が好物でよく食べていましたが、最後に残ったものを私がいただきました。手でちぎって食べると、少し歯にくっつく感じがありますが、それなりに美味しい。今回のコーヒーはインスタントで、コーヒーメーカーで豆から抽出したものと比べると、ちょいと満足感が今ひとつです。それと、昔のインスタントコーヒーと比べると、飲んだ後のカップの汚れ方がひどいように思います。おそらく、コーヒーの香りを出すため等の理由で、コーヒー豆の皮などを一緒に混ぜているのではと思いますが、飲んだ後のカップの汚れ具合を眺めていると、せっかくの満足感が三割減になるような気がするなあ。まあ、インスタントの手っ取り早い便利さには負けますが(^o^)/



こちらは、過日の「ひよこ」と豆から抽出したコーヒー。やっぱり透明感が違う。

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週末は山響でハイドンとブルックナー〜新年度の定期演奏会チケットも届く

2023年03月09日 06時00分20秒 | -オーケストラ
お天気に恵まれ、自宅裏の果樹園の剪定も少しずつ進んでおります。サクランボが一段落し、桃の若木に悩みながら、気分転換に柿をなんとかしようと奮闘中。昨年秋、柿の収穫中に母が入院し死去したために、収穫も中途で終わってしまい、徒長枝の伐採もできずに終わってしまいましたので、とさかを逆立てたニワトリの頭のような姿になっていました。まずはこの徒長枝を切っておかないと、後で大変な労力を要する事態になってしまいます。



そんな頑張りも、週末の第307回山響定期演奏会という目標があるからできることで、馬の鼻先に人参をぶら下げたようなものでしょう(^o^)/
今回のプログラムは、

  1. ハイドン:チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2  Vc: 堤剛
  2. ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調 WAB 107(ハース版)
      飯森範親 指揮、山形交響楽団

というものです。

チェロの堤剛さんはすでに何回も実演に接しておりますが、私が最初にお名前を知ったのは中村紘子(Pf)さんと海野義雄(Vn)さんと三人で組んだチャイコフスキーのピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」の録音でした。NHK-FMの放送で耳にして気に入ったもので、LPを探しましたが入手できずに残念に思ったものでした。また、1969年の大阪国際フェスティヴァルでの演奏会、ブラームスのVnとVcのための二重協奏曲とドヴォルザークのチェロ協奏曲、秋山和慶と日本フィルハーモニー交響楽団の録音がCBS-SONYの2枚組シリーズの中にあり(SONW-20065〜66J)、高校生の頃にほしいなあとチェックしていたのを思い出しました。




思わず昔話を思い出すほど、長い間、演奏活動を続けて来られたチェリストです。山響の創立者である村川千秋さんとは米国留学時代の仲間だったとか。飯森さんのブルックナーの再演とともに、堤剛さんのハイドンが楽しみです。




そうそう、山響からは新シーズンの定期演奏会のチケットがまとめて届いておりました。定期会員になると、チケットがだいぶ割引でお安くなるだけでなく、いちいち買いに行かなくても良いという安心感があります。定期演奏会等の予定はすでに手帳に記入済みです。スケジュールの調整で、なんとか皆出席をねらいたいところです。

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果樹は剪定しだいと言うけれど〜サクランボとモモの剪定の違いは

2023年03月08日 06時00分33秒 | 週末農業・定年農業
自宅裏の果樹園のサクランボは、ようやく剪定が終わりました。本当はまだまだ強く剪定するほうが良いのでしょうが、太枝が枯れるのが怖いので、何年経ってもなかなか思い切って切ることができません。そのかわり、サクランボの剪定のコツのようなものがだいぶわかってきました。要するに、サクランボの場合、樹の生理が「頂芽優勢」のため、栄養成長を抑制して生殖成長とのバランスを取ることが求められるわけですが、徒長枝は切り、よく太った芽が多い良枝を残し、切り過ぎと思えるほど強く選定することが求められます。



ところが、モモの場合は違います。亡父の果樹園農業を受け継いで週末農業を始めて数年後、サクランボと同様に桃も強く剪定していたのでしたが、しだいに樹勢が衰えてくることに気づきました。これは間違った剪定をしているな。で、いろいろ調べたり人に聞いてみたりしたら、桃の場合は要するに根本に近いほうが強い「基部優勢」の傾向がある上に、生育期間の短い雪国では、光合成をする葉の枚数を確保するために、あまり強く剪定してはいけないのだそうです。とくに枝の先端に近い方は手を出さないほうが良いようです。また、切る場合も付け根から5cm位を残して切るのだそうで、その方が癒合しやすいようです。このあたりも、付け根からバッサリ切るサクランボとは違います。



こんなふうに、サクランボの剪定と桃の剪定では、考え方を転換する必要があります。リンゴはさらに違うというように、樹種によって異なる剪定の仕方があり、剪定しだいで果樹のでき具合がまるで違ってきます。このあたりが果樹栽培の基礎技術なのでしょう。



さて、この桃「あかつき」の若木は、どう剪定してやろうか。

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今村翔吾『塞王の楯』を読む

2023年03月07日 06時00分20秒 | 読書
集英社刊の単行本で、今村翔吾著『塞王の楯』を読みました。昨年、2022年の1月に第166回直木賞を受賞した作品です。実はほぼ1年前の4月に購入(*1)したまま積読していたもので、このたび一気に読み終えたものです。

織田信長の猛攻に遭い、朝倉家の一乗谷城が陥落し、父母と幼い妹を失った主人公の匡介は、穴太衆飛田屋の頭で塞王の異名をとる飛田源斎に助けられ、特異な才能を育てられます。穴太衆というのは、安土桃山時代に活躍した石工の集団で、寺院や城郭などの石垣づくりを行った技術者の集団だそうです。ドラマは匡介が源斎の後継として「絶対に破られない石垣」を作ることで戦乱を終わらせようとし、ライバルである鉄砲職人集団の国友衆の後継者、國友彦九郎は逆に「どんな城をも落とす鉄砲」を開発しようとしています。



矛と盾の矛盾をドラマの対立軸に置き、その解決をクライマックスに据える手法は「弁証法的作劇術」とでも言えましょうか。舞台となる大津城主の京極高次とその妻・初の人物造形が面白いです。城の石垣を造る石積みの描写がたいへん興味深く、久々に面白い本を読みました。

(*1): 最近、購入した本は〜「電網郊外散歩道」2022年4月
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ネコ枕にはキーボードよりペンケースのほうが無難

2023年03月06日 06時00分24秒 | アホ猫やんちゃ猫
我が家のアイドル李白クン、私が書斎で作業をしていると、デスクに上がってゴロンと横になり、ちょっかいを出し始めます。ちょっと、いくらなんでもカッターナイフはあぶないよ!




どうやら飽きて眠くなった模様。先代のアホ猫(母)もリフォーム前の母屋の段差をネコ枕にしていました(*1)が、さすがにキーボードを枕にされるのはちょいと問題だなあ(^o^)/

李白くん、キーボードじゃなくて、こっちのペンケースのほうがいいんじゃない?



うん、これは具合がいいなあ。高さといい、固さの加減といい、ボクにぴったりだ!

おかげでカーキブラックやカシスブラック・インクの万年筆が取り出せないんだけど(^o^;)>poripori

(*1): ネコ枕。〜「電網郊外散歩道」2006年8月

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サクランボの剪定から戻り、お茶と和菓子でひと休み

2023年03月05日 06時00分37秒 | Weblog
自宅裏果樹園のサクランボの剪定は、おおむね75%ほどの進捗状況です。まだ桃とリンゴ、スモモ等の剪定が残っていますが、好天のうちになんとか進めたいところです。昨日は、初めて午前午後とも畑に出て、体がしだいに慣れてきていると感じますが、やはり疲れると休憩時には甘いものがほしくなります。写真は、妻が手作り人形で桃の節句としたときのお菓子ですが、さすがに和菓子とどら焼きを一度に食べるのは無理があり、どら焼きは翌日に回しました。緑茶と和菓子との組み合わせはさすがの味で、これは美味しい。少し食べかけてから写真を撮ろうと思い立ちましたので、手前側が欠損しております(^o^)/



雪どけの様子は、日に日に雪の白い面積が減少し、地面の土と草の緑色が見えてきています。おそらくもう一度か二度、降雪があるでしょうが、たいしたことはなく、春の日差しにすぐ融けてしまうことでしょう。



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この春、非常勤の仕事を終え、地域の役割が増える見込み

2023年03月04日 06時00分24秒 | 季節と行事
70歳になりましたので、非常勤でお手伝いしてきた職場を今年度限りで退職します。非常勤にもかかわらず、若い人たちから送別してもらい、花束までいただき、以前の職場で同僚だった人から、また今回はじめて同じ職場で勤務した方からも、過分なスピーチまでいただいてちょいとうるうるしました。おそらく人生最後の勤務地になったであろうと感無量なひとときでした。



退職して一度は専業農家として暮らした年もあったのです。たまたま助っ人を頼まれて一年間フルタイムで働きましたが、母の健康状態のこともあり、助っ人稼業も非常勤へと変えてもらいました。勤め人稼業から足を洗って、今後は専業農家(および覆面ブロガー)として活動する予定。また、新年度からは地域の役割が増える見込みです。通勤がなくなるというのが大きな変化です。



ニャンコは退職の感傷などはお構いなしで、いただいてきた花束のほうが気になるようです。花束が食べられないことはわかっているようです。

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最近、妻が「気づいてくれない!」とおかんむりだった理由は

2023年03月03日 06時00分45秒 | 季節と行事
今日は新暦で三月三日、全国的には桃の節句でお雛様を飾る日だそうです。当地は雪国ですので、桃はまだ冬眠中、花の便りはまだまだ先で来月になります。旧家の雛飾りを公開するひな祭りイベントも旧暦で行われる関係で、今のところひな祭りイベントはまだ低調。

このところ、妻が「気づいてくれない!」とおかんむりだった理由が判明、実は手作りのお雛様を玄関に飾っていたのでした。ダンナは全然気づかないで通過するだけ、せっかく作ったのに! プンプン! ということのようでした。

いやいや、そうでもないですよ、コーヒーのお供に和菓子や雛菓子などが並ぶようになると、自然に意識はお雛様に向いてきて目に付くようになるかも……いえ、スミマセン(^o^)/



君子、危うきに近寄らず。地雷は避けて通るのが鉄則です(^o^)/ というわけで、写真に撮り、記録といたします。本当は、亡母がやってくれていたように家のお雛様を出して飾る(*1)のが良いのでしょうが、まだ仏間の飾りは法事モードですので雛飾りの雰囲気ではありません。一周忌を終えた来年以降にはできるようになるでしょうか。

(*1): 旧暦で飾る雛人形〜「電網郊外散歩道」2010年3月

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演奏会の予定をうっかり忘れない工夫と自画自賛していたけれど

2023年03月02日 06時00分53秒 | Weblog
あっという間にはや三月。各部屋に下げたカレンダーを破って、新しい月のものに変えました。書斎のカレンダーには、演奏会の予定や車の定期点検等の予定をうっかり忘れることがないように、チラシや案内ハガキを該当の月に貼り付けています。こうすれば、毎日カレンダーを確認するので、うっかり忘れを防止できると自画自賛していました。



ところが! 今月の予定を確認していて、気がついてしまいました。

当地の農協のカレンダーには、なんと、その月の山響の定期演奏会の予定が入っている!



農協のカレンダーに、山形交響楽団の定期演奏会の予定がちゃんと入っている! この、驚きの事実! いや〜、さすがです。昔は山形で柏戸の悪口を言うと生きては帰れないと言われたものでしたが(^o^)、今は山形で山響を無視しようものなら、農協が黙っていない、ということでしょうか(^o^)/
ただでさえ狭くなりがちなクラシック音楽ファンの世界で、ある意味、これはすごいことです。演奏会の予定を忘れない工夫などという自画自賛は、どこかへ吹っ飛んでしまいました(^o^)/

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