電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ヴィヴァルディの協奏曲集「四季」より「冬」を聴く

2011年01月21日 06時04分00秒 | -協奏曲
厳冬期の通勤の音楽として、ヴィヴァルディのヴァイオリンのための協奏曲集「四季」を聴いております。演奏は、懐かしのネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団、正確に言えば、アカデミー・セントマーティン・イン・ザ・フィールズという団体。もともと12曲からなるヴァイオリンのための協奏曲集「和声と創意の試み」Op.8だったわけですが、この中から四曲を選んで「四季」と命名して親しまれたのだそうな。最初に発案した人の、企画とネーミングの勝利と言うべきでしょう。

本日は、その中から、第4番「冬」、ヘ短調を取り上げます。急・緩・急の3つの楽章からなり、それぞれにソネットがついています。
第1楽章:アレグロ・ノン・モルト。「冷たい雪の中の凍りつくような寒さ、吹きすさぶ荒々しい風の中を行く。絶え間なく足踏みしながら走り、あまりの寒さに歯の根が合わない。」とのこと。いかにも冬の風のような音楽の描写も、見事なものです。それにしても、イタリアってそんなに寒かったのだろうか(^o^;)>poripori
第2楽章:ラルゴ。「炉辺で静かに満ち足りた日々を送り、その間、外では雨が万物をうるおす。」実に穏やかな音楽です。万物をうるおす雨が降るというのですから、やっぱりヴィヴァルディが住むイタリアの冬の寒さはたいしたことはありません。当地山形はいま、真冬の真っ最中、雨降りどころか、大雪であります。
第3楽章:アレグロ。「氷の上を歩き、ゆっくりとした足取りで、転ばないように注意深く進んでいく。乱暴に歩いてすべって倒れ、また起き上がって、氷上を激しい勢いで走る。氷が砕け、裂け目ができるほど。閉ざされた扉の外に出て、南風、北風、あらゆる風が戦っているのを聴く。これが冬なのだ。でも何という喜びをもたらすのだろう。」様々な風が戦うさまを、高音域と低音域というように、協奏する音楽になっています。うーん、子供の頃は、どーして休みの間に雪が降らずに、休みが終わってから降るんだよ!と冬空を見上げたものでしたが、今はそんな気分にはとてもなれません(^o^)。イタリアの冬のシロッコと北風の争いにも負けぬほど、除雪機の爆音で毎日毎日ひたすらに冬の静けさを破っております(^o^)/sumankotte

でも、ヴィヴァルディの音楽は実に楽しい。冬道の通勤の緊張を、やわらげてくれます。マリナー指揮アカデミー室内管の演奏も、少女たちの合奏団を率いる赤毛の司祭(*)の前向きで活動的な意識を、よく伝えてくれるようです。

■マリナー指揮アカデミー室内管(London,F00L-23004)
I=3'17" II=2'19" III=2'59" total=8'35"
■イタリア合奏団(1986,DENON COCO-70722-3)
I=3'43" II=2'28" III=3'13" total=9'24"
■イタリア合奏団(1996,DENON COCO-70429)
I=3'34" II=2'10" III=3'08" total=8'52"

(*):ヴィヴァルディは女学校音楽部の顧問の先生~「電網郊外散歩道」
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