厳選!ビジネス書 今年の200冊

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今年77冊目『仕事は早くて雑でいい』

2009-04-16 23:42:29 | おすすめビジネス書
仕事は早くて雑でいい 仕事は早くて雑でいい
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2009-02-26

評価  (3点/5点満点)

本書は、企業が欲しがる人材になるための方法を、人材の採用、育成、そしてリストラにかかわる3人のプロフェッショナルによる談話をもとに構成したものです。

第1部 会社があなたを手放さなくなる方法

企業現場で採用・育成に携わる神谷健司さん(プロトコーポレーション取締役)に、採用、研修に関する問題を中心に話を聞いています。

第2部 あなたの市場価値を上げる方法

外資系企業の幹部社員のヘッドハンティングに携わる小松俊明さん(リクルーターズ㈱代表取締役)による人材マーケットが求める人材像についてのレクチャーです。

第3部 企業の本音を読み解く方法

企業の組織戦略と人事戦略づくりに携わるコンサルタントの町田秀樹さん(IICパートナーズ人事コンサルティング部長)が、企業がリストラを進める背景と具体的なリストラの進め方を企業の立場から語っています。

たんなる仕事術の話だけではなく、転職市場や企業の組織・人事戦略など幅広い観点から、自らの市場価値を上げる方法が学べます。この本は2002年に刊行されたものですが、昨今の経済環境から改めて読み直す価値のある1冊です。

【my pick-up】

◎すべての上司はせっかちである

その傾向は、上にいけばいくほど強くなる。それはなぜか。会社という組織では上の人間ほど忙しく、時間的な余裕がないからだ。個々の案件について適切な判断を行なうためには、できるだけ正確な情報が必要だ。それも、できるだけたくさん、できるだけ早く必要だ。

それは単なる性格的なものではけっしてない。会社にとって、あるいは社員全員にとっての「死活問題」だから、どうしてもせっかちにならざるをえないのだ。

◎やる気があって能力の高い人が、実は最初にリストラされる

それは、上司が使いこなせないからである。会社が「手放したくない」人材は、「やる気がなくて、能力が高い」人材である。会社はいちばん使いやすい。

とはいえ会社を変えるためには、やはり「やる気も能力も高い」人材は必要だ。そのためにはトップそのものを「やる気も能力も高い」人間にする必要がある。

◎目的を伝えない上司はすべてダメ上司

なぜ目的を伝えないのか、実は、仕事の目的をあきらかにすることは、部下に「戦う武器」を渡すことにもなるからだ。

◎「部署が5年以上変わらない」はリストラサイン

自分が預かり知らない場所で、会社の構造改革、事業改革からすでに取り残されてしまっているかもしれない。

◎人材が「お荷物」に変わる瞬間

社内の最重要課題が社内調整力であった時代に、リーダーとして一目置かれてきた人材は、事業構造が変わり、新しいビジネスモデルを構築することが最重要課題になってくると、存在意義はいきなり薄れてしまう。

◎どんな仕事にも営業センスは必要

日本企業は、好き嫌いや相性で勝負が決まる。出世レースなどはその典型だ。「A部長に取り入れば、早く課長になれる」「B課長の言っていることは間違っているけど、意見を言ったら嫌われて出世できないかも」といった考え方をする人は未だに多い。これは人間が弱い証拠であるとも言えよう。

しかし、これではグローバルな競争を勝ち抜けるはずがない。

コメント
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