本田式サバイバル・キャリア術 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2009-03-18 |
評価 (4点/5点満点)
「レバレッジシリーズ」でお馴染み、本田直之さんの最新刊は、ご自身の5つのサバイバル体験
①就職
②アメリカ留学
③帰国後、役員として経営に参画していた会社の上場延期
④9.11、セプテンバー・イレブン
⑤大手クライアントの撤退による業績悪化
を経て、本田さんがどのように今のキャリアを作ってきたかが述べられています。
その中で、以下のようなビジネスマンが今後生き抜くうえでの考え方やスキルのポイントを学び取りましょう。厳しい経済環境の今だからこそ、自分を振り返り将来を見通す大きなチャンスでもあるのです。
◎「シングル・キャリア」から「マルチ・キャリア」へ
1社に依存する従来の働き方が、いまや非常にリスクの大きなものになっている。会社でのコーポレート・キャリアも維持しながら、個人のスキルであるパーソナル・キャリアを身につけていく-これが本当の意味でサバイバル時代にふさわしいマルチ・キャリアの構築法です。
◎リスクをとらなければ現状維持すら不可能
個のスキルを磨くことが、「今よりも豊かな暮らし」や「ビジネスのさらなる成功」「平均以上の成果」など、プラスアルファ、一歩上を目指すためのものだったのは、過去の話です。今は「現状維持」のためにも、個人として能力を蓄え、磨くことが必須の時代です。
◎コーポレート・キャリアの法則
自分のキャリアを主体的・戦略的に築こうとしている人は、会社から学べるものは学び、自分の目指すものと会社の方向性が違ってきたら、自分から離れていけばいいと考えているので、会社に対して文句を言いません。
最低でも5社以上の転職エージェントに登録しておくこと。当面は転職する気がない人でも、サバイバビリティを鍛えるために試してみる価値があります。
「今の会社が気に入っているけれど、もっと気に入った会社が見つかった」-ビジネスパーソンに大きなメリットをもたらすのは、そんな転職です。
自分が活躍できるかどうかは、強いチームに入るかどうかで決まります。勝ち馬の会社にはレベルの高い人が集まっているという点でも、私は勝ち馬に乗ることをすすめます。
ビジネスパーソンの常識「報告・連絡・相談」、いわゆる「ホウレンソウ」も、サバイバル・ツールとしては通用しない。即断即決が求められるサバイバル状況では、「ホウレンソウ」などしている猶予はありません。キャリア・サバイバルの時代に生き残れるのは、「ホウレンソウ」抜き、自らのスキルと責任で成果を上げられる人です。
◎パーソナル・キャリアの法則
会社の給料以外の仕事があると、会社における働き方も、雇われ型からスキル提供型へと、自然に切り替わります。自分が提供するサービスなり商品に、どうしたら付加価値をつけられるのか、それを考えるクセがつくと、勤務している会社での働き方についても、同じような思考が働くようになります。
横の人脈を持つことで、どこへ行っても通用する、真の意味でのリーダーシップも身につきます。
◎本能を研ぎ澄まし、体を鍛える
30代後半以降、何もしなければ体は衰えていくだけです。逆にその時期に適切なトレーニングを始めて、50代になるまでにしっかり体を鍛えておけば、生涯現役で働き続けるためのインフラになります。インフラだと考えれば、「忙しくて体を鍛えている暇なんてない」などとはとても言えないはずです。
これから1・2年のうちに、工夫により時間を編み出し、仕事に対するのと同じ真剣さで体を鍛えるかどうかで、あなたのキャリアの成否が決まってくると言っても、決して過言ではないのです。