気ままな思いを

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綴る雑日記です 

「30年の物語」 岸 恵子著を読んで

2006-02-14 | 読書

    岸 恵子さんの本を読むのも、初めてでした。
   映画、TVの中の印象しか、有りませんでしたが、
   「女のはったり」の目次では、思わずドキッとする言葉も
   あり、印象に残りました。
   でも、ズバリといっている言葉に、考えさせられます。

      
「女のはったり」
    空港ロビーにて、椅子にかけて目をつむっている。
    上品なご婦人が、声をかける。
    
「いつまでもお若いのねぇ。秘訣を教えてェ」
         (そんなこと、この混雑の中で訊くことかョ)
    「実はねぇ、わたくしたち同い年なの」
         (冗談は、ほどほどになさいませョ)
        わたしよりひと回りは、老けて見える。
    「私のようにたった1人で、人の百倍も苦労があると、
    年を取ってる暇はないの」
  
「まぁご冗談を!苦労がおありなんて嘘みたい。いつも生き生き
  とお若くて、パリにお住みなんでしょう?。優雅ねぇ。羨ましいッ。
  きっと、それが若さの秘訣ですわねェ」
         (何をおほざき遊ばしますッ)
    無神経な声がはばかりなく、無神経な言葉を繰り返す。
  
「でもほんとにお若いわぁ。同い年だなんて到底思えないわぁ。
  ねぇ 何か秘訣がおありでしょ?」
      私は、ずけりと言った。
            
「はったりなの」
            「はぁ?」
            「女ははったり」
   外界からなんの刺激も受けず、自分も与えず、ただ、安逸に夫や
  大勢の子や孫に囲まれて、でれりと幸せに暮らしていれば、皺も
  増えるし、年も取るわョ。
    三年前、追突されてキリキリ痛む、ムチ打ちの首と背中を、
       しゃんと立て、はったりだけで歩いた。  
                  *** 文中より *** 

   
  岸 恵子さん
         「外界から・・・・・」は、痛い言葉であるし、 
              「はったり」をきかせ
      「キリキリ痛む、ムチ打ちの首と背中を・・・・・」で、思わず
      笑いを誘う、ラストシーンを演じてくれました。

   
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