岸 恵子さんの本を読むのも、初めてでした。
映画、TVの中の印象しか、有りませんでしたが、
「女のはったり」の目次では、思わずドキッとする言葉も
あり、印象に残りました。
でも、ズバリといっている言葉に、考えさせられます。
「女のはったり」
空港ロビーにて、椅子にかけて目をつむっている。
上品なご婦人が、声をかける。
「いつまでもお若いのねぇ。秘訣を教えてェ」
(そんなこと、この混雑の中で訊くことかョ)
「実はねぇ、わたくしたち同い年なの」
(冗談は、ほどほどになさいませョ)
わたしよりひと回りは、老けて見える。
「私のようにたった1人で、人の百倍も苦労があると、
年を取ってる暇はないの」
「まぁご冗談を!苦労がおありなんて嘘みたい。いつも生き生き
とお若くて、パリにお住みなんでしょう?。優雅ねぇ。羨ましいッ。
きっと、それが若さの秘訣ですわねェ」
(何をおほざき遊ばしますッ)
無神経な声がはばかりなく、無神経な言葉を繰り返す。
「でもほんとにお若いわぁ。同い年だなんて到底思えないわぁ。
ねぇ 何か秘訣がおありでしょ?」
私は、ずけりと言った。
「はったりなの」
「はぁ?」
「女ははったり」
外界からなんの刺激も受けず、自分も与えず、ただ、安逸に夫や
大勢の子や孫に囲まれて、でれりと幸せに暮らしていれば、皺も
増えるし、年も取るわョ。
三年前、追突されてキリキリ痛む、ムチ打ちの首と背中を、
しゃんと立て、はったりだけで歩いた。
*** 文中より ***
岸 恵子さん
「外界から・・・・・」は、痛い言葉であるし、
「はったり」をきかせ
「キリキリ痛む、ムチ打ちの首と背中を・・・・・」で、思わず
笑いを誘う、ラストシーンを演じてくれました。
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ウオーキング~40分=5,100歩