洗濯の半分をやったあと新宿へ。新宿三丁目に丸井シティのビルの上にほうにあるバルト9で映画を見るため。
バルト9のすぐ下のフロアが丸井のレストラン街。映画の前にさっさと食える昼飯ということで中華そばの青葉に入る。午前11時半の開店すぐだったので並ばずに入れた。
映画を見る前だから水分の少ないつけめんを食べる。
青葉は今はやりのダブルスープの元祖ということだ。デパートのレストラン街に店を出すぐらいだから確かにおいしい。
今日見た映画は有楽町や渋谷のミニシアターでもやっていたが、バルト9がどういうのか興味があった。都心型のシネコンということで話題になったから。
チケット売り場があるフロントのフロアは1階上まで吹き抜けになっている凝った造りだった。
今日見た映画は、「潜水服は蝶の夢を見る」。
ファッション誌の編集者だった40歳代前半の主人公は、ある日突然、脳梗塞で全身が麻痺し左目のまばたきでしか他人とコミュニケーション出来ない身体になってしまう。そのコミュニケーション法で書き上げた自伝が原作。
オフィシャルサイトの解説や予告編だけ見ると、さぞ涙腺を刺激しそうな映画に思えるがそういうことは全然ない。過酷な状況に置かれた主人公が聖人になってしまいそうな要素をとことん排除した演出となっている。ドラマと言うよりもドキュメンタリーに近い印象を受ける。
「自分の中に残された人間性にしがみつけば生き抜ける。」
これが主人公に生きる力を与える言葉になっているのだが、その人間性とは健康体だったときのあらゆる欲求を含むものなのだ。別れた妻に会えば涙し、子供たちに合うと感激すると同時に、男としての欲求も存在し続ける。心理療法士の女性2人が来れば視線はシャツの胸元から見える素肌を追い、車椅子に乗って元妻と子供たちと海岸に行けば目の前に座った元妻のスカートの奥が気になり、海辺の強風でスカートがあおられればちらちら見える太ももに視線が向く。離婚の原因となった愛人への思いも消えてなくならない。どんな状況でも生きていくためには、人間としてのすべてを受け入れて力とせよというメッセージがあるように思えてきた。
見終わった時点で涙が出るぐらい感動する作品を期待していけば、おそらくがっかりする。この映画はむしろ、見たあとで内容をゆっくりと反芻してその意味するところを考える作品だと思う。
帰りに葛西の馴染みの床屋で散髪してくる。
晩は行徳駅のほうへ行ってみる。たまには新しい店を開拓したい。まだ一度も入ったことのない店で厨子という店に入る。
隣が去年秋に一度入ったことのある海のYey。
最初は生ビール。食べ物の最初は銀むつの汐焼。「汐焼」は塩焼きのことだが、この店流の書き方のようだ。
次は自家製さつま揚。おすすめの純米酒というのがあったので一合飲む。川鶴という香川県の地酒。四国の地酒は自分がこれまで行った店では見かけたことがないので珍しい。
次は若鳥鉄板焼。タレも自家製というのがウリだそうだ。昨日も飲んだから地酒は一合だけにしておいて、次のアルコールは店名を付けた厨子サワー。焼酎ベースだが、具体的に何を入れたカクテルかは秘密みたい。
最後はたらの芽天ぷら。アルコールはライムサワー。
ママさんに聞くと、平日のほうが会社帰りのサラリーマンで混むので、週末のほうがむしろゆっくり出来るということだった。確かに今日は、最後の一品を注文するぐらいまで他のお客さんは来なかった。