<これが火鍋だ。鍋中央に仕切りがある。左が白湯スープ、右が麻辣スープ>
<しゃぶしゃぶ用の上牛肉である>
<おなじく、上ラム肉である>
<野菜や他の具材も大変美味しいのである>
皆様、中華料理の「火鍋」というのをご存知でしょうか。
友人に教えられて初めて食べた時にはさすがは「中国四千年」、“食”への拘り方が半端ではない。と、いたく感動した。鉄製の鍋を二つに仕切り、淡いが濃厚なスープ(白湯~パイタン)と香辛料が沢山入った辛いスープ(麻辣~マーラー)の二種類を入れ、好みに合わせて肉や野菜を煮て食べる鍋料理だ。
日本の中華街でも普通に食べることができる。小生も初めて食べたのは池袋の中華街だった。大宮でも何回か食べ、香港でも本場のを食べたことがある。回を重ねるにつれ、最初の感動は薄れつつあった。
ところが、である。
この前、上海生まれの“菲菲(フィフィ)”が連れていってくれた新宿の「小肥羊(シャオ・フェイ・ヤン)」という火鍋専門店には改めてうならされた。ドラゴン氏と3人で行ったのだが、“火鍋専門店”というだけあって、店に入った瞬間から、独特の香辛料の香りが漂う。否が応でも食欲がわく。
メニューはコースもあるが、こういう時にはうってつけの“中華ソムリエ”菲菲に丸投げだ。ウェイトレスも中国人が多く、日本語でやるよりも中国語でやる方が話が早いようだ。菲菲とウェイトレスがまくしたてる北京語は、もちろん何を話しているか分からなかったが、この場の雰囲気を盛上げるには十分であった。
ここの経営者はモンゴル人だそうで、中国国内には何百店もある有名店だそうだ。日本にはこの新宿店と渋谷、赤坂、関内(横浜)の4店しかない。やがて、二種類のスープの入った鍋がセットされ、新鮮で生でも食べれそうな牛肉、ラム肉が出てくる。野菜の盛合せや中国式凍み豆腐やツミレ(白身魚のツミレの中に小籠包の中身と同じようなのが入っている)などが運ばれてくる。
菲菲はツケダレとして「ゴマダレ」と「ニンニク油」、薬味に「パクチー」を選び、ツケダレ用の器に混ぜてくれる。各々好きな具材をとって、好みの味のスープに入れる。肉はしゃぶしゃぶの要領で湯をくぐらせる程度で食べられる。沸騰するスープにサッとくぐらせてゴマダレベースのツケダレにつけて頬張る。スープの旨味とゴマダレの香ばしさが肉を最高の味に仕立ててくれる。
旨いねぇ。実にいい。
牛もラムも両方ともうまい。また、中国式の凍み豆腐やツミレはまさに絶品であり、この「火鍋」の為にわざわざ作っているとしか思えないできばえであった。
この辺りは中国国内に何百店もチェーン店を持つノウハウなんだろう。何せ食に拘る中国人たちにも人気のある店なのだから。小生は辛い麻辣スープの方が好みだが、時々白湯のスープでも食べる。皆、そうやって食べている内に、辛さが混じって煮込まれるからだろうか、しまいには白湯スープの方も辛くなる。これがまた、ちょうどいい味加減なのだ。
締めには細い麺をこの味加減のよくなった白湯の方に投入。ラーメンのようであるが細くて硬い。少々煮込んでものびない。これが、また、味は滲みこむがフニャッとせずにコシがあって旨い。いろんな、工夫がされていてサプライズの連続であった。まさに、これぞ究極の「火鍋」だ!
呑む方は最初は生ビールで途中から赤ワインに切り替える。3人でボトル二本あけた。ここの火鍋を前にすると“呑”より“食”が優先するが、それこそこの店の特長であろう。中国四千年の食の厚みを日本に居ながら味わえるのである。大酒くらっている場合ではないのだ。
こういう店が日本に4店しかないなんて。イチイチ都内まで行くのは面倒だし、大宮あたりにもできないかと思っていたら、なんと、なんと。5店舗目が大宮駅前にオープンすることになったのだ!。しかも、本日7月7日が開店日である。なんという偶然か。この文章を書くのに「小肥羊」のHPを覗いたら、そう書いてあったのだ。
近々行かねばなるまい。しかし、大宮にできると頻繁に行くようになり、「小肥羊」ならず「大肥豚」になってしまうのが恐い。
追伸・・・今回より「呑み屋徘徊シリーズ」の名を改め「呑み処(どころ)徘徊シリーズ」としました。“屋”という呼び方がお店に失礼だと思っていたのと、“呑み処”と呼ぶことで、火鍋だろうと蕎麦だろうとカレーだろうと酒が呑める処なら、どこでも紹介できることになりますので。また、19回にもなったので、カテゴリーも独立させました。
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