萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

讃岐・阿波を走る!第一話「讃岐うどん」

2008年05月08日 | 自転車の旅

<いかにもって感じのうどん屋さん。期待して足を伸ばしてきたのに「本日休日」がっくり。>


<こんなのどかな田園風景の先に長蛇のできる店がある。>


<これが人気の「やまうち うどん」長蛇の列はカメラで捉えきれない。>

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「自転車の旅」と称していながら、第一話が「うどん」の話で恐縮ですが、なんせ、讃岐に行ってきた、というと周りの人間が興味を示すのが「讃岐うどん」のことばかり。「食は文化なり」ということでもあり、まずはうどんの話から書く事にしました。

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そもそも、小生が「讃岐うどん」なるものを知ったのは入社4年目の26歳の時に高松へ出張した折だ。その頃は高松空港はジェット機の離着陸ができず、プロペラ機のYS11で羽田から向かった。バスに翼とプロペラをつけたような飛行機で“エアバス”という意味が“空飛ぶバス”だということを実感できたのを思い出す。

会議終了後、食べに連れて行ってくれたのが、今もある屋島の「わら屋」である。そこで生まれて初めて「釜揚げうどん」なるものを食べた。今でこそ、首都圏でも「讃岐うどん」やら「釜揚げうどん」はポピュラーであるが、当時の関東人でその存在を知るものはごく少なかった。

現地の先輩社員が注文したのは「家族うどん」というやつだ。やがて、大きなタライの中に熱い湯とともに入った太くて長いうどんが運ばれてきた。葱の刻んだのと、自分でおろした生姜を器の出汁の中に入れ、タライからうどんをすくって食べるのだ。一口食べてみて驚いた。うどんがモチっとしていてコシがあるのだが、ツルリと喉を通る。感激してると、先輩が言う。「うどんは喉越しでたべるものだ。」と。“喉越し”はビールだけかと思っていたが、うどんもそうだったのか。

出汁に溶けた生姜が絶妙の香を醸し出し、食がすすむ。大量と思われたタライのうどんが瞬く間になくなってしまった。若かった小生はいくらでも食べれると思った。先輩達の「もうたくさん」と言う言葉に同調して外に出たが、未練たらたらだったのを覚えている。

こんなに旨い“うどん”が世の中にあったのか。

まさに、カルチャーショック!

以来、釜揚げうどんの大ファンとなる。が当時、首都圏地区ではなかなかうまいのは食べられなかった。やっぱり、釜揚げは「わら屋」に限る、と思っていた。30歳のころ幸か不幸か大阪転勤を命じられる。大阪から讃岐はすぐだ。だが、当時は仕事が忙しく、休みも少なかった。2年間の転勤中に行けたの二回だけだった。

近年、讃岐うどんがブームになって、本などをチェックすると、“釜揚げうどん”は讃岐うどんのほんの一部にすぎず、「讃岐うどん文化」はもっと奥が深かったことを知る。今回、讃岐に行くにあたって“うどんめぐり”をしない手は無い、と思い「麺通団のさぬきうどんのめぐり方」という本を買って参考にした。

高松に着いた晩。まずは、その時間でもやってる店「鶴丸」「こんぴらさん」の二軒に行く。「鶴丸」では15分ほど並んでから「カレーうどん」を食べる。麺にコシがあり、カレーもうどんに合うように旨く作ってあるが、結構値段が高い。取り立てて“旨い”というほどではなかった。

「こんぴらさん」は細切りうどんが有名。細切りの釜揚げをたのむ。細切りの分、出汁がうどんに絡んで、通常の釜揚げとは、一味違った美味しさがあった。ただ、量的に物足りなさを感じた。この二店は市街地にあるせいか、価格的には首都圏相場でコストパフォーマンスは感じられなかった。

翌日、映画「UDON」に出てきそうなシュチエーションの「がもう うどん」に寄ってみるが生憎「休み」。気を取り直して、善通寺の手前にある「長田in香の香」という釜揚げうどん屋に行く。前述のガイド本「めぐり方」によると釜揚げうどんでは讃岐の東の横綱が「わら屋」で西の横綱はこの「長田」だという。ここでも15分ほど並んだ。注文したのは「特大釜揚げうどん」。待つこと10分余。キタキタ。タライに乗ってきましたヨ。味は西の横綱というだけあって、美味しかった。たしかに「わら屋」に匹敵すると思った。

炭水化物だけをたらふく食べる満足感と楽しさを久しぶりに味わえた。

こうなると、屋島に行っていながら、なんでスケジュールをあわせて「わら屋」で釜揚げを食わなかったんだ、と後悔した。「うどんの旅じゃねえやい。」ともう一人の小生が言ってはいたが・・・。

翌日は朝一で「やまうち うどん」によった。ここも映画「UDON」に出てくるようなうどん屋だ。ここでは30分近く並んだ。駐車場が広いのでクルマで来る人が多いのだ。交通整理する人まで出ていた。儲かってるんだろうな。こんな田舎にこんな人だかり。讃岐うどんブームここに極まれり!

ここでは「あつあつ大」に「かきあげ」をたのむ。“あつあつ”というのは麺も出汁も熱いという意味。長い行列ができるだけのことはあった。出汁もいいし、麺にもコシがあって喉越しもなめらかだ。カラッと揚がった「かき揚げ」が出汁に崩れたのを、うどんと一緒にすすり込む時の幸福感は食べてみないと分からないだろう。
こうなると、カウンターに並んでいたトッピングの中の「ちくわの天婦羅」に未練が残る。

が、もういいかげん自転車の時間だ。この店でパワーをつけて、猪鼻峠へと向かわなくてはならないのだ。
          
                           つづく
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2 コメント

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話だけでも美味しそう! (Mr.Gan)
2008-05-12 11:24:50
讃岐うどんですか。いいですね。
私も2年前香川県に行ったとき本場の讃岐うどんを食べました。萬蔵さんのように緻密な計画を立てず、行き当たりばったりでお店を選び入りました。
2軒ほど入ったのですがどれも美味しかったです。う~ん、さすが本場は雰囲気が違うと言う感じでした。
お店に入って不思議に思ったのが、どのお店も店の中心におでんが置いてあって、「香川の人はうどん屋に来ておでん食べながら一杯やるんだ」と思っていたら、うどんとそのおかずのようにおでんを食べていて、一杯飲んでいたのは自分たちだけでびっくりしたのを覚えています。
香川ではおでんと言えば酒(ビール)ではなく、うどんと言えばおでんなんでしょうね、きっと。
それではまた美味しい話を期待しています。

追伸 私はラーメン博士と地元であだ名が付いてしまいました。ただ人よりちょっとラーメン好きなだけなのに!
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そうだ。おでんとうどんだった。 (萬蔵)
2008-05-12 18:59:34
Ganさんの言うとおり。そういえば、必ずおでんがあって、しかも、酒を呑むためのおでんではなかった。小生が行った時は連休だったので、混んでいて、ゆっくりビールや酒を呑めなかったのだが、みんなどんぶりにおでんを盛っていましたよ。

オモロイ習慣ですね。「讃岐うどん」は美味しいのですが、もの足りない所は、あまり“呑む”という雰囲気がないところです。関東の蕎麦屋は昼間から“呑める”雰囲気があるのがいいところです。
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