goo blog サービス終了のお知らせ 

萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

「レッドクリフ~赤壁~」観てきました

2008年11月25日 | おすすめモノ


 映画「レッドクリフ」を観てきた。partⅠと言うとおり、完結ではなかった。迫力あるシーンも多々あり、まあまあ楽しめた。個人的に配役を評すると、関羽、超雲あたりははまっていたが、張飛は毛むくじゃらすぎ、劉備はさえないオヤジ過ぎの気がした。孫権、周瑜はまあまあ。小喬は色っぽ過ぎ。金城武の諸葛孔明はチャーミング過ぎだ。

ま、三国志の役どころは各々個人的に思い入れがあろうから、俳優とイメージが違ってしまうのも無理のないことだと思う。

観ていて考えさせられたのは、この赤壁の戦いというのは呉国から見たら「祖国防衛戦」だったことだ。曹操という北の巨人が圧倒的な戦力で南下してきて、呉を攻め取ろうする。降伏すべきか戦うべきか。降伏すれば、“呉”という国は無くなる。国王孫権が悩んだ末に決めたのは戦って呉を守ることだった。同じく曹操に追い立てられた劉備軍と同盟し、迎え撃つことに決めたのだ。

最近「坂の上の雲」を読み返したばかりだったので、ニコライ2世と曹操、ロシア軍と魏軍、バルチック艦隊と魏の夥しい軍船、追い詰められた日本と呉、などが重なって見えた。遠路はるばるやってきて、疫病や船酔いにやられて士気が落ちている魏軍もバルチック艦隊の戦闘員たちとダブル。そして、なにより、これが「祖国防衛戦」であり、負ければ強国に呑みこまれてしまう、といった“後の無さ”が酷似している。

結果は日本も呉も侵略側に完勝して終わる。専制君主の野望に対し、“国防”の必死さが上回ったのである。後世からみれば、誠に痛快時であるが、実際にことにあたった人たちは大変な気苦労があったかと思える。

日本陸軍の総参謀長として勝利のために心血を注ぎ込んだ児玉源太郎は戦後8ヶ月で急遽した。周瑜もまた赤壁の戦い後まもなく没する。矢面に立つ人間の途方も無い“心労”を思わずにはおられない。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

呑み屋徘徊シリーズのタネ本紹介

2008年08月10日 | おすすめモノ
太田和彦の居酒屋味酒覧 第2版―精選173
太田 和彦
新潮社

このアイテムの詳細を見る


「呑み屋徘徊シリーズ」もこの前の函館「粋花亭」で丁度10回を迎えたので、そろそろネタ本をご紹介する。この本一冊で全国津々浦々、実に良店・名店173店が紹介されている。東京だけで40店以上あるので、あまり、出張や旅行に出かけない人でも、都内に住む人や行く人なら、買っておいて損のない一冊である。

もちろん、酒好き、居酒屋好きでなければ用は無いが・・・。

逆に、酒が好きで居酒屋が好きで、一人で呑むのも厭わない人で、出張や旅行が多い人は、この本を持ってるのと持ってないのとでは「天国と地獄」、とまではいかなくとも、「月とスッポン」ぐらいの差はありますぞ。ぜひ、ご購入をお薦めします。

現在、未公開も含めると小生は12店舗徘徊している。どの店も80点以上の良店、名店ばかり。出張先や旅先でつい、ブラっと入った店が大したことなくて失敗した、という経験は誰にでもあるかと思う。残された人生でもう二度と来ないかもしれない町での失敗は許されていいものではない。

この本さえあれば、まず、そういう後悔はしません。失敗したと思った店の隣に、あるいは裏道にここで紹介された店があったかも知れません。この本さえ持っていれば・・・。

この本のいいところは太田和彦氏の名解説文と店の地図、住所、電話番号、休日、主な肴や酒とその値段、が1ページに要領よく紹介されているので、スケジュールと予算が立てやすい。

皆々さま。出張、旅行の際はぜひご活用の上、ワンランク上の満足感を味わってください。小生も未徘徊店がまだ、161店もあるので、まだまだ、これからです。楽しみはまだたっぷり残されている。もちろん、徘徊後は記事をアップして行きます。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自転車促進剤「イーメーターズ」

2008年06月25日 | おすすめモノ

<季節のサクランボとイーメーターズ>

梅雨とは名ばかりで雨が降らない日が多い。おかげで、自転車通勤ができる。何回か書いたがブリヂストンサイクルが出した「emeters(イーメーターズ)」を使うようになって俄然自転車に乗るようになった。

池袋駅の駐輪所に「武蔵丸」をデポして往復18キロの自転車通勤を始めたのも、emetersがきっかけだ。前から一度は実行しようとしていた大宮から練馬の本社までの自転車通勤の背中を押してくれたのもemetersだ。

また、都内まで折りたたみ車「御免丸」で走って、居酒屋で呑んで、帰りは輪行して自転車で帰ってくる「酒呑みラン」の企画を思いつかせてくれたのもemeters。おかげで、ブログネタにも困らなくなった。自転車4台を使いこなすことで、クルマを廃車にする踏ん切りをつけてくれたのも、考えてみればemetersだ。

思えば、たった1個のサイクルメーターから生活が一変した。このメーターが凄いのはサイトにつないで、全国の自転車好きの仲間達とコミュニケーションを取れることだ。友達申請しておいて、御互い、励ましあったり、アイデアを交換したりできるのがいい。自分と同じぐらい走っているライバルを見つけておくと、彼には負けたくないと思い、機会を見つけては自転車で走る。この間はカッパ着て雨の中も走った。

“自転車に乗る!”ということのモチベーションが否が応でも持ち上がる“しかけ”がたくさんある。自転車好きの人、これから活用しようと思っている人にぜひおすすめです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“適度な運動”の定着化のために

2008年05月31日 | おすすめモノ
人間も動物である以上は、動かないことには身体に変調をきたす。クルマ中心の生活で、あまり歩かず三度の飯をしっかり食べて、日中は飴やチョコレートを間食し、夜は酒を呑む。おまけに喫煙でもしていれば、身体がおかしくならない方が不思議である。

だが、周りをみているとそういう人は結構多い。考えてみれば、上記のような生活は昔は王侯貴族しかできない生活であった。今は庶民が簡単にできてしまう。しかも、子供の頃からそういう生活が当たり前とばかりに育つ。糖尿病などの若年化が進んでいるのは当然の結果だ。

身体を動かすといっても、いきなり、サッカーや野球などができるわけはないので、大体「適度な運動から」となる。但し、これを日常に取り入れて定着させるのは、結構難しい。ただ歩けといってもなかなかモチベーションは上がらない。退屈だ。小生が散歩を定着させることができたひとつの要因は、このオムロンの歩数計だ。

オムロン ヘルスカウンタ ウォーキングスタイルHJ-710IT

オムロンヘルスケア株式会社

このアイテムの詳細を見る


単なる歩数だけの表示ではなく、これはサイトに登録してデータを管理できる。順位を競ったり、同じ趣味を持つ人同士で励ましあえるコミュニティを作ることもできる。また、全国横断チャレンジなどという企画もあり、北海道から沖縄までの都道府県地図があり「現在○○県を通過中」など、“歩き”のモチベーションをあげてくれる。

最初の頃はこの歩数計を着け忘れて家を出ると、俄然、歩く気がしなくったぐらいだ。今はそれほど力んではいないが、一日一万歩以上を目標にして歩いている。


自転車を活用する人には、今春、ブリヂストンサイクル(株)から発売された「emeters(イーメーターズ)」がおすすめ。こちらもオムロンの歩数計同様、サイトに登録して、データ管理はもとより、いろいろなコミュニティに参加できる。“歩き”の世界よりも、若々しい雰囲気がある。また、自転車は通勤・通学、レース、ツーリング、買い物、子育てなど、多様な世界なので、コミュニティも活発だ。自転車に乗りたくなる仕掛けが満載だ。

もともと自転車が好きなこともあったが、今はこのメーターを購入して大いに活用している。通勤形態も“歩き”から“自転車”に変わってきた。このブログにも書いたが、JR池袋駅の駐輪場に自転車を一台デポして、池袋~会社間の片道9.5キロの自転車通勤を始めた。

別売りのセンサーコードを買えば複数の自転車に乗っても、ひとつのメーターでデータ管理できる。小生は現在4台の自転車を使い分けて活用。3月末にはクルマを廃車して、移動手段は「自転車+歩き+公共交通機関」に限定した“人力生活”を開始した。

ということで“動物”らしく、毎日の適度の運動は定着化したのであるが、“健康優良オヤジ”かというと、そうでもない。体重も減ったし、身体もよく動くようになったが、血圧は高めだし、尿酸値も高い。ひとえに“呑みすぎ”の所為だとわかっちゃいるが、“人力生活”をしてなければ、もっとどうしようもない身体になっていたはずだ。

とひらきなおってどうする!やっぱ、呑みすぎはよくないね。自重します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ダライ・ラマ自伝」 ~チベット問題理解のために~

2008年05月13日 | おすすめモノ
ダライ・ラマ自伝 (文春文庫)
ダライラマ
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る


ここの所、チベット問題で世間が揺れている。聖火リレー時の長野、中国の胡錦濤主席来日にともなう、早稲田や奈良での騒乱。なぜ、急にこんな騒ぎになっているかと疑問に思っている方も多いと思う。この本を読むまでは小生もその内の一人であった。恥ずかしながら、うろ覚えであったチベットの歴史について、よく認識できた。また、ダライ・ラマ14世の考えていることもよくわかった。

1949年から50年にかけて中華人民共和国が侵略してくるまではチベットは独立国であった。以来、50年余にわたって、中国の圧政を強いられている。この本によると「過去30年にわたる大量殺戮によって、信じがたいだろうが、125万人ものチベット人が、飢餓、処刑、拷問、自殺などで死に、数万人が強制収容所に閉じ込めれている。」という。チベットの人口は600万人程度であるから、2割の人が大量殺戮の犠牲者となっている。この本は1990年頃書かれたものなので、それから、18年経っている。犠牲者はもっと増えているだろう。

また、中国人の人口移住も脅威だ。「計画的中国化政策」と呼ばれるこの政策のもとに、600万人のチベット自治区に対し、2500万人の中国人が移住しているという。不平分子は殺戮、投獄し、4倍、5倍の中国人を移住させ、混血させて行けば、100年後にはチベット民族そのものが無くなってしまう。

この本では「彼ら(中国政府)は土着のチベット人口を取るに足らないものにし、自分達の母国で権利を喪失した少数派にしてしまうことによってこの政策を現実化しつつある」という、一民族にすれば怖ろしい政策を推し進めている。同じように、満州、東トルキスタン、内モンゴルにもこの政策を組織的に進めているという。

小生はこれが、遠い国の話ではないと思いゾッとしている。日本が米国と安保を結ばずに、自衛隊も持たずに無防備でいたら、同様のことをあるいは、近いことを平気で仕掛けてきたのではないか。と思うからである。

それは長野の聖火リレー時の報道をみればあきらかだ。傍若無人に赤い国旗を振りかざして「ワン チャイナ」を叫ぶ多数の中国人たち。日本を自分達のものと思っているのではないだろうか。「フリー チベット」と叫ぶ、日本人やチベット人に対し「帰れ!」と言った中国人もいたらしい。

チベットの歴史について、中国の仕打ちについて、もちろん、ダライラマ14世の考え方について知りたい方にお薦めの一冊です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“打撃の極意”の参考書

2008年05月02日 | おすすめモノ
誰でもたちまち130キロが打てる武術打法
宇城 憲治,小林 信也
草思社

このアイテムの詳細を見る


「打撃の極意はバッターボックスでいかにリラックスするかに尽きる」とイチローや野村監督をはじめ、多くの天才バッターは語る。だが、一口にリラックスと言っても、これがなかなか難しい。相手投手も打たれないように必死だし、チャンスの打席はどうしても力む。

この本はそういう打者のメンタル面の問題を解決してくれる一冊だ。武道の精神を用いて“力”ではなく“気”で打つことを教えてくれる。

小生もこの本を読んで、実戦に臨んでいるが、効果はてき面。打率もアップしたし、チャンスにも強くなった。現役の選手諸君はもちろん、監督、コーチを勤めている人、ぜひ一読あれ。1300円の投資は元を取って余りあること間違いなし。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「スウィニー・トッド」観て来た ゾッ

2008年02月29日 | おすすめモノ


この前、「スウィニー・トッド」なる映画を観てきた。主演は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジョニー・デップだ。あまり、予備知識ないままに友人に誘われて観たのだが、吃驚仰天した。

第一印象は、ディケンズの「クリスマス・キャロル」のロンドンの下町を舞台に「モンテ・クリスト伯」エドモン・ダンテスが復讐劇を展開するような作品だ、と思った。(なんのこっちゃ)

また、この映画はミュージカル映画だ。ミュージカル映画といえば、オードリー・ヘップバーンの「マイ・フェアレディ」とジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」だ。いずれも、明るいタッチでホロッとくる不朽の名作である。

この映画、R15指定は伊達じゃない。正視に堪えないシーンが多々あった。そのオープニングから、モノクロ調の映像に真っ赤な、血と思われる液体がおどろおどろしく流れてくる。ある程度、血生臭い映画だと想像はつく。「フリート街の悪魔の理髪師」という副題を考え合わせれば、事の顛末は知れようと言うものだ。また、主人公達は吸血鬼を思わせる目の周りを黒くしたメーキャップである。これも、十分“脅し”が効いている。

まだ観ていない人もいるだろうから、詳細は避けるが、スウィニー・トッドなる理髪師が復讐のためロンドンに戻り、もとの理髪店で営業再開する。が、これがただの床屋ではない。身寄りの無い男性を選んで、髭を剃らずに喉を掻き切るのだ。しかも、歌いながら。(ミュージカルだから仕方ないが)犠牲者は自動的に一階の倉庫へ落とされ、一階でやっているミートパイ屋の肉にされる。

復讐する対象者(ストーリーを追う限り、せいぜい二人)だけを殺すなら、まだ分かるが、次々と一般客が首を切られ、ミンチにされる。完全な猟奇殺人だ。

何千年もの間、牛や羊を解体して肉食してきた西洋人にしか創れない映画だな、と思いましたよ。ホンマ。

これだけを聞いたなら、残酷なだけで何処がいいのかと思うだろうが、観終わった感想は、悪くないのである。

トッドが復讐鬼にならざるを得なかった切ない過去。ミュージカルという歌の効果。映像の美しさ。J.デップの演技力。それら、すべてが混ざり合って、いつまでも心に残る映画なのである。

調べてみると、この「スウィニー・トッド」は英国では150年ぐらい、映画やミュージカルで語り継がれてきた物語だそうだ。原型はただの殺人鬼に近い内容だったという。時代の変遷とともに、ストーリーも変わって、今のものになったようだ。「床屋で首を切って殺し、金品を奪い、死体はミートパイ屋で処理して売さばく」という部分が原型で、その他の部分は後から付け足されたようだ。

こう、考えると納得がいく。原型の部分は正視に堪えないが、心に残る部分は後から付け足されたストーリーなのだろう。

ただ、映画館を出た時はしばらくは床屋に行けないな、と思った。特に二階が床屋で一階がハンバーガー屋なんてシュチエーションの床屋には。まだ、観ていない人は床屋に行ってから映画館に行った方がいいかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

江戸へ

2007年11月07日 | おすすめモノ

<ページを開くとこんな感じ>

江戸アルキ帖 (新潮文庫)
杉浦 日向子
新潮社

このアイテムの詳細を見る


 現代社会は快楽や便利さを追求のあまり、様々な歪みが出てきている。そんな現代の行き詰まりを感じる時、現政治体制以前の徳川の世に思いを馳せたくなる。しかし、そんな思いを抱きながら東京の街を歩いても、なかなか江戸情緒にはたどり着けない。景観が悪いのか自身の想像力の欠如なのか。

小生はずっと前者、つまり「あまりにも景観が変わりすぎて、とても江戸時代など想像できん」と思っていた。せいぜい、皇居周辺、御茶ノ水からの聖堂方面の景色、浅草界隈などに多少江戸情緒を感じるものの、それにしたって、なんとなくそう思うのであって印象は漠然としていた。

ところがである。この本は著者自身の絵とともに、見事に江戸に入り込んでいる。想像力がすばらしい。現代の景観に対する不満は微塵も無い。あたかも本当に江戸の町を見てきているかのようだ。

著者は2005年、47歳の若さで惜しくも亡くなってしまったが、蕎麦と日本酒好きでも有名であった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鮨をもとめて歩き出したくなる本

2007年11月01日 | おすすめモノ
失われゆく鮨をもとめて
一志 治夫
新潮社

このアイテムの詳細を見る


『思えば、鮨について、これまで何もわかっちゃいなかったのだ。』
  
『本当にうまい鮨は、どこにあるのか。』

この本の帯のコピーである。“帯”には続けてこう書いてある。

『東京・目黒で出遭った「世界一幸福な食事」の秘密を追って、
 利尻、鹿嶋、勝浦、能登、築地、伊豆、奥志摩へ―。
 食文化の奥深さと、その危機的状況を浮き彫りにする、
 食紀行ノンフィクション。』


著者が“出遭った”鮨屋の“親方”と“失われゆく鮨ネタ”の原産地を訪ねて、食べ、呑み、そして語る。それを書きまとめた本。しがない勤め人からみるとうらやましい限りのお仕事である。

この本を読むと無性に鮨が食いたくなり、鮨をもとめて歩き出したくなる。本に出てくる“親方”の店は目黒にある。いずれは行ってみたいが如何せん遠い。とりあえず、ネットであたって大宮でまあまあの評価の店に行ってみた。

会社帰りの夜9時半に入る。客なし。ガラスケースの中のネタの上には布巾がかぶされている。今日の客は小生がはじめてか。あまり流行っていないようだ。つきだしもいまいち。刺身も2500円にしてはしょぼい。酒は埼玉県の名酒とされているSを頼む。

以前この酒を一升瓶で買ったことがある。清酒は鮮度が大事なので日付をチェックして買ったのだが、古い酒独特の嫌な香りと味がした。製造年月詐称なのか、もともとこういう味なのか。それ以来口にしていなかったが、手ごろな値段の酒がなかったので頼んだ。出てきたが、ほんのりとあの嫌な香りと味がする。これではっきりした。この酒はもう二度と呑まないだろう。熱燗に切り替えた。

コハダ、いくら、鉄火巻、玉子巻を頼む。鮨はまあまあの出来。巻物はうまかった。最後に醤油仕立てのトン汁のようなものが出たがこれはうまかった。1時間ほどいて、しめて7千円。夜はあまりおすすめできないが、昼のランチにはいいかも。

大宮からそんなに遠くないJR駅の近くに、“親方”の鮨屋で修行した主人の店を探し当てた。ネットでの評価はかなり高い。今度はここは行かねばなるまい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネイティブ・アメリカンの語り物

2007年09月22日 | おすすめモノ
一万年の旅路―ネイティヴ・アメリカンの口承史
ポーラ アンダーウッド,Paula Underwood,星川 淳
翔泳社

このアイテムの詳細を見る


ヤンキースの“怪童”ジョバ・チェンバレンがネイティブアメリカンの血を引いている、ということで思い出した本である。

 イロコイ族の系譜をひく女性ポーラ・アンダーウッドが、一万年間語り継がれた一族の大いなる旅路を一冊の本にまとめたものだそうだ。原題は「THE WALKING PEOPLE」というそうだが、この方がこの本の内容に合っていると思う。

※以下『』内、本文引用部分。

15世紀末にコロンブスが大西洋のハテに大陸を発見した。以降、この大陸にはヨーロッパの人間が大挙してやってきて占領し「アメリカ大陸」という名前をつけて自分達のものにした。しかし、それ以前からのこの大陸には先住者がいた。彼らを「インディアン」とか「ネイティブアメリカン」と呼んでいるが、そもそもこの呼び名も占領した側の言葉だ。

先住者たちはこの大陸を「亀の島」と呼んでいたそうだ。『これは北米大陸をはるか上空から眺めた時、北極海の氷の中へ頭を隠した亀の形に見えるところから』つけた名前だそうだ。世界地図か地球儀ををひっぱり出して見てみればわかるが、確かに亀に見える。ちなみに南米大陸は「魚の島」と名づけられていたそうだ。なんという能力だろうか。海岸線を歩き、高い山から眺め、それらを総合して想像してつけたのだろうか。それとも彼らの先祖は別の星から、宇宙船に乗っててやって来たのか。ユーラシア大陸のことは「大いなる島」と呼んでいたようだ。

彼らは「大いなる島」から、ベーリング海峡が辛うじて陸続きであった時代に歩いて「亀の島」に渡って来た。人種的には我々日本人と同じモンゴロイドだそうだ。

この一族はまた、「コミュニケーション ピープル」といっていいぐらい皆でよく話し合う民だ。会話の手法や技術は現代人よりも優れている。そして、今行なうことが、常に彼らの子孫にとっていいことなのかを議論している。『子どもたちの子どもたちの子どもたちに想いを馳せ、彼らが最後に歩く土地を心にかければこそ、一族が楽な生活に別れを告げる』ということが頻繁に行なわれたようだ。今は“楽”でも子孫にとって害がありそうなら、その生活を捨てて、新たな土地を探す。この繰り返しが、結果的に「大いなる島」から「亀の島」までの果てしない距離を1万年もかけて移動していくことになったようだ。

“自分達さえよければそれでいい”という現代の風潮になにかと考えさせられる一冊である。単行本で545ページと結構厚い本だが、イロコイ族の粘り強さに比べれば、読み抜くのは屁の河童。秋の夜長に是非。ジョバ・チェンバレンを見る目も変わるかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

七人の侍

2007年09月15日 | おすすめモノ


秋の夜長のおすすめ映画。一本選ぶとしたら、やっぱり、黒澤明監督「七人の侍」かな。207分(3時間半)と“夜長”に対しても十分な長さがある。製作は1954年、53年前の映画である。小生もまだ、生まれていない。監督や製作スタッフ、俳優もあらかた鬼籍の人となっている。ただ、脚本にかかわった橋本忍は昨年「複眼の映像―私と黒澤明」という本を出しているので健在かと思われる。1918年生まれとあるから、89歳の高齢だ。

小生がこの映画を最初に見たのは高校1年の時、TVで観た。西部劇の「荒野の七人」は「七人の侍」をマネたものだ、という知識はあった。当時、ユル・ブリンナーやマックィーン、C.ブロンソン、J.コバーンなど有名どころが出ていた「荒野」の方は何度と無くTVでやっていた。だが、オリジナルであるはずの「七人の侍」は放映権の問題があったのか、とんとお目にかかる機会はなかった。

「白黒の古びた時代劇」という先入観で観だしたのだが、最初から最後まで飽きることなく食い入るようにして観ていた記憶がある。「こんなに面白い映画が日本にあったのか」という印象であった。

その後、大学時代にどこかの大学の文化祭で「七人の侍」をスクリーンに写すというので友人4~5人で見に行った覚えがある。スクリーンで見たのは初めてであったが、戦闘シーンなどは非常に迫力があった。また、社会人になってからであるが、有楽町の映画館で観た事もある。確か、欧米人向けに英語の字幕スーパーが出ていて、ぼそぼそと聞き取りにくいシーンは英語の字幕のおかげでかえって意味がわかる、という体験をしたのを思い出す。今はビデオやDVDで簡単にみられるようになったが、当時は黒澤明の映画というのはめったに観ることが出来なかった。

好きなシーンは、百姓達に村を守るようにたのまれた勘兵衛が、最初は断っていたが、ついに、どんぶりメシを持って決断する。

「この飯。おろそかには喰わんぞ。」

というセリフを吐くシーン。事実上ここから、この物語は“動く”のだ。腹いっぱい飯を食わすという条件だけで、村を野武士達から守ってくれる侍探しが始まるのである。

もうひとつ。千秋実扮する人気者の平八が死んで、墓で一同が悲しんでいる時に突如、菊千代が平八の作った旗をもって、茅葺屋根に駆け上がり、旗をさすシーン。「侍のテーマ」の勇壮な曲とともにそのシーンは印象的だ。そして、ここで菊千代が野武士軍団の来襲を発見。

「野郎、来やがった!来やがったぞー!」

と叫ぶ。ここから対野武士戦が始まる。


他にも見所満載。書き出したらきりが無い。観た事がない人は是非、観たことのある人も秋の夜長にどうですか。あらたな発見があるかもしれません。

最後に防御すべき村の絵図を紹介します。防衛上の機密資料ですので野武士側の手に渡らぬよう、取り扱い注意願います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ちょっと季節外れですが高校野球の本です。

2007年09月09日 | おすすめモノ
高校野球が危ない!
小林 信也
草思社

このアイテムの詳細を見る


 まだ、甲子園の県予選をやっていた頃、7月26日のブログで地元の中学生ばかりで構成している高校のチーム“ジモチュウ軍団”に頑張って欲しい、ということを書いた。結局埼玉県代表は私立の雄「浦和学園」が甲子園の切符を握った。しかし、全国4千校の甲子園の頂点にはジモチュウ軍団である「佐賀北高校」が立った。胸のすく天晴れな快挙であった。

小生は漠然とジモチュウ軍団が勝つと清清しいと思って書いた。しかし、この本では、今の高校野球は他の業界や公共施設同様、“カネ”に汚染されていて危険な状態にあるという。“勝てばいい”“売れればいい”“儲かればいい”という、いまや、日本の隅々まで浸透している下品な“方針”が高校野球にもあるという。

著者は「高校野球とは負けるものだ」という。そうだろう、県予選も含め夏の甲子園で負けないのは優勝した一校だけである。後の四千某かの高校はすべて負ける。そして、3年生は去る。これが、高校野球だ。入部して2年半。野球から何を学ぶか。これが重要なのである。“勝てばいい”ましてや“儲かればいい”という方針からはなにが学べるのか。監督や部長先生は選手の前に生徒である彼らに、人生の厳しさ、楽しさを教えるべきであろう。

高校で野球をやっていたおかげで、その後の社会に役立った“球児”は沢山いる。なんせ、毎年4000校の球児たちがいるのだ。少ない数ではない。小生もその内の一人である。野球をやっていたおかげで、今も沢山の友人知人がいるし、人生に豊かな彩りを与えてくれている。また、重要な会議でのプレゼンの呼吸はまさに、投手の打者に対するそれと同じであり、おおいに役に立っている。

この本は「今、高校野球で何が起きているか」を教えてくれる。著者自信“球児”であったから、“汚染”されている部分には批判的であるが、高校野球自体に対しては愛情のこもったレポートになっている。(56年生まれとあるから、小生より1年先輩だ)

これを読んだ小生は仕事をやめて、いますぐ高校野球の監督になってみたいと思ったぐらいだ。雇ってくれれば、の話ではあるが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペットボトル考その2

2007年07月24日 | おすすめモノ
環境問題はなぜウソがまかり通るのか
武田 邦彦
洋泉社

このアイテムの詳細を見る

先日のブログ「ペットボトル考」で紹介した著書です。

この著者は「錦の御旗と化した『地球にやさしい』環境活動が、往々にして科学的な議論を斥け、人々を欺き、むしろ環境を悪化させている」と冒頭に言い、さらに「国民が望んでいる環境の改善という問題を私物化し、それによって収益を得ようとする日本社会の構造こそが問題」と唱えている。そして、「ペットボトルのリサイクル」「ダイオキシン」「地球温暖化」などを例に取り上げ、それらが、特定の人間達の利権に利用されている実態を暴いている。

「環境問題」になにか胡散臭ささを感じていた人、ゴミの分別に嫌気がさしている人、役人達に疑問を感じている人などにお勧めの一冊です。


さて、「ペットボトルのリサイクル」についてである。

1年間に販売されるペットボトルは51万トン(2004年)を超える。500mlのペットボトルで換算すると国民一人当たり2日に1本の割合になるそうだ。その内、分別回収量が24万トン、残り27万トンがゴミとして捨てられている。分別回収したものは全てリサイクルしているかというと、そうではない。その内の3万トンに過ぎない。後は焼却しているのが実態だそうだ。中身を洗って、地域によってはラベルまで剥がして分別しているのにその程度のリサイクルである。

なぜ、こんな現象が起きているかと言うと、

①リサイクルと言わないとお金が来ない。
②リサイクルと言って法律まで作り、国民に分別をさせているのに、今更、リサイクルはダメだったとはいえない。
③リサイクルすると言って国民に分別させて、業者に渡しさえすれば、その後、捨てても「産業廃棄物」になるからお役所の責任ではない。

つまり、自治体は助かり、業者は潤う一方で、国民だけが分別し、税金を払っている。

と言うことらしい。

家電リサイクルなども含めてだが、「リサイクル関連」の国家予算は年1兆円強かかっていると著者は推定する。もちろん、全て我々の税金で賄われる。これがホントなら、税金の無駄遣いも甚だしいし、国民に対する詐欺行為でもある。こういう愚行を止める手立てはないのだろうか。住民達がボイコットするとか、署名運動するとかしない限り放置されたままなのか。

日本人はお上に従順である。分別して、洗浄して、ラベルを剥がして、決められた曜日と時間に、決められた場所に出せ。と言われれば、大抵の人はキチンと守る。「お上の考えることはどうもおかしい?」と思っても多くの人は我慢する。さしあたっての生活に影響なければ、それで良しとしてしまう。そんな、従順さがアコギな業者や政治家をのさばらせてしまっているのだろう。

ここ数年、次々と起こる「偽装○○事件」は従順な国民をだまして、政治家や業者や企業家が巨万の富を得る、という図式だ。どこかで歯止めをかけないと日本はめちゃくちゃになるのではないか。もう少し“うるさい”国民にならないと自らが住みやすい環境は作れないだろう。

が、ここに来てさすがに従順な国民も堪忍袋の緒が切れた感がある。今度の参院選が、どうなるか見ものである。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイ・ハード4 観てきました。

2007年06月24日 | おすすめモノ

<タフな男が帰ってきたぜ!ポスターでかすぎ?感動を大きさで表現したのだ。>

昨日、先行上映という奴で「ダイ・ハード4」を観てきた。まだ観ていない人が沢山いると思うので、詳細は言えないが、シリーズ最高傑作ではないかと思う。どんな目にあってもなかなか死なないジョン・マクレーンは健在だ。今回の不死身度はさらにすごい。全編に渡ってハラハラドキドキ、気がつくとイスを押していたり、足を踏ん張っていたりの連続。6月29日に一般公開されたら、映画館のイスと床はかなり痛むのではないか。今のうち補強しておいた方がいいかも。それほど面白かった。

前作から12年も経っていたのですな。ブルース・ウィリスはさすがに老けたが、ジョン・マクレーンは元気。監督はレン・ワイズマン。初耳監督だが「製作」にダイ・ハードの1、3を監督したジョン・マクティアナンが加わっている。

アクション映画が好きな人はお見逃しのないように。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤンキースの名将ジョー・トーリ監督の名著紹介その2

2007年04月13日 | おすすめモノ
覇者の条件―組織を成功に導く12のグラウンド・ルール

実業之日本社

このアイテムの詳細を見る


先日、この本の紹介をもっと長くやろうと思っていたのであるが、諸般の事情で、簡単に終えてしまった。本日は多少補足いたしたく。以下ジョー・トーリの云う組織論について感銘を受けた箇所を抜粋してみる。


「管理職が最も優先的に評価するのは勤勉さと創造力である。社員の勤務ぶりをいちいちうるさく管理することはもはや必要ない。<中略>独裁者が号令を出したり、厳格な業績基準を定めたり、威嚇的な監督体制をとったりすのはもう古い。むしろ、互いに敬意を払い、一丸となって目的達成に邁進する雰囲気のほうがチームプレーヤーの意気も高まるだろう。」

「部下指導の成否の分かれ目は信頼感」であり、「指導者が信頼されていない場合、アドバイスは耳を素通りしてしまう。敬意と信頼、共感を示した指導者が最高の結果を生んでいる。」という。

管理監督者は自分の意の通りにならないと、その権力をかさに威嚇する。これは「もう古い」とトーリは云っているが、まだまだ、日本の会社、少なくとも小生の所属している会社にはよくあることである。その威嚇が的を得たものであればまだいいが、そうでない場合はその人の人格が疑われ「信頼感」は遠のく。

続けてトーリは云う。

「どんな組織でも互いに尊重し合うという基本を定着させるのはマネージャーの責任である。マネージャーが部下を尊重すれば、それが鑑となって部下も互いに尊重しあうことを学ぶ。これは非常に大切なことだ。メンバー同士が敬意を欠くと、どんなチームもバラバラになってしまう。生き馬の目を抜くビジネス界でもチームスポーツでも団結が完璧であってさえ勝つことはむずかしい。チームがばらばらでは勝てるはずがないのである。」

うーん。そのトーリ(失礼)なのだが、実践するのは難しい。尊重し敬意を払いたくない、部下や上司にはどう対処すればいいのか。何か良いところを見つけてそこに敬意を払う、ということだとは思うが。

また、仕事をすすめていく心構えとして次のように言っている。

「心穏やかに
 一、人に意見をするとき声を荒げない
 二、何事も辛抱強くやる
 三、気持ちを一定に保つことが落ち着きを生む。一度負けたからといってあまり落ち込まない。逆に勝ったからといって有頂天にならない。
 四、脅しや癇癪を難問解決の手段にしない。」

さらに、云う。
「自分の健康と家族が第一で仕事は二の次だ。自分の健康と家族と友人を大切にすること。なぜなら、それらはかけがえのないもの(代わりの無いもの)だから。取引や顧客やマーケットや昇進なら、いつでもすぐ次があるのだから。」

以上、いくつか抜粋したが、自分が働いていて戸惑ったり、迷ったりした時に救いとなる言葉がこの本にはたくさんある。また、この本をよく読めと言って渡したい奴もたくさん居る。野球論というよりビジネス論、人生論の趣の方が強い本である。

  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする