日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「若い女性に、『あなたは何歳?』とか、『恋人はいるの?』とか聞くと言うこと」。

2013-06-18 08:34:36 | 日本語の授業
 曇り。次第に晴れ。

 今朝はいつもより一時間ほど早く起きました。それでウロウロしていますと、早起きには三文の得って本当ですね。かわいらしいお客さんが来ていることに気がつきました。雀さんです。これが宵の口であったならば、
「すずめどの ちょちょっとござれ ささの相手に」(誰の句だったのか、忘れてしまいました。一茶かなとも思うのですが)
絶滅危惧種であるなんて、脅されていたのは、ついこの間のことのような気がするのですが(確かに少なくなっているのは事実です)、電信柱や植木の上などで、5,6羽ほど、遊んでいるのです。小さくとも樹は樹、小鳥が似合います。しばらく見とれていました。

 これがもう少し明るくなると、もっと大きな鳥、「ヒヨドリ(鵯)」とか「カラス(烏)」とかがやって来て、脅しをかけるのでしょうけれども。何か、お米かパンくずでも撒いてやりたくなるのですが、でも、それをやると、ギャング鳥がくるのですよね、自分は食べないくせに。地面すれすれまで飛んできて、小鳥たちを追い払うのです。食べていた小さな鳥たちは、慌てふためいて逃げ惑います。きっとそれが面白いのでしょうねえ。どこの世界にも、意地悪な者はいるようです。

 さて、昨日、若い先生が、「Dクラス」で、年を聞かれて困ったと言いに来ました。

 外で「日本人の若い女性に『あなたの年は?』とか、『電話番号は?』などと聞くようになると困るので、『失礼です』と切り捨てておいてくれ」と頼んでおいたのですが。

 こう書くと、「何と嫌な奴だ、外国人にもっと親切にできないのか」と、日頃、こういう人たちと付き合いのない人達は一様に思うらしく、「あなたのようなやり方はねえ」と直接非難されたこともあります。中には、「年くらいいいじゃないの、言えば」とか、「もっと失礼のないように断れば」とか言ったりする人もいます。

 これも、大学で習った「教育」を金科玉条のごとく信じ込み、それを、現場で実行しようとして、当の相手に馬鹿にされる…の二の舞になるしかないのですが、こういう人たちは一過性の付き合いしか(したことがあっても)したことがないので、平気なのです。もちろん、それが判って、「だから、外国人は嫌い」になる人もいるようですが。。

 彼らに、「あなた方の国の若い女性に、『年は何歳か』、『恋人はいるのか』、『電話番号を教えてくれ』などと、聞くことはあるかと聞くと、皆、「ない」と言います。「それでは、なぜ日本でそれをやるのか」と聞くと、彼らは黙ってしまいます。もちろん、中には、意味の判らない笑いを浮かべて、日本人の女の人は優しいからなどと言う者もいます(これを聞くと、日本人を馬鹿にするなと腹が立つのですが。確かに、嫌でも嫌だと言えない女性は多い)

 日本人は、普通、相手の身になって考えますから、(相手に悪いからと)嫌だなと思っても答えることが、確かにあります。それを、相手は、(この人は嫌がっているということが判らず)誤解してしまうのでしょう。こういうことが度重なると、さすがの日本人女性もいい加減にしろよと腹を立て、「大ッ嫌い。気持ち悪い」となり、完全に彼らの周りの日本人からシカトされることになるのです。何事も限度を知らない行為は、どこの国であっても、人に嫌われます。

 日本人女性には、何を言ってもいい(あるいは怒らない)と思っている、そう感じるときは多々あります。これは、彼らの国の習慣から言えば、およそ、女性はしないものと思われていることをしている(日本だけではなく、タイ、中国、フィリピンなどの)女性に対してのようにも思われます。明らかに誤解なのですが。ただ中国人女性は強いので、直ぐに喧嘩になります、それで、彼らは首を引っ込めて聞いたり、言ったりしないのでしょう。

 日本では、街を歩けば、夜遅く女性が闊歩している。自由な恰好をして、一人で、あるいは女同士で歩き回っている。酒も飲む。こういう姿を見て、ああ、日本では、(自分の国の女性には決してしないことでも、言わないことでも)言ってもいいのだ、してもいいのだと思うようになるのでしょう。

 こういうことは些細なことですが、「日本人にあいつはいやらしい奴だ」と思われる前に、言っておいた方がいいのです。日本には見えないルールがたくさんある。普通、得体の知れない(年を聞いたり、恋人の有無を聞いたりされるような関係ではない)外国人と必要も無いのに親しくなろうとする日本人の若い女性は、まず、いないのですから。

これは、また中国に留学していた頃の話ですが、最初、私たち日本人に近づいてくる人達は、一時帰国した時にカメラを買ってきてくれとか、あるいは日本円やドルと人民元を交換してくれと言いに来る人達が大半でした(外国人と結婚して国外へ行きたいという人達は別として)。

 それで、たまたまバレーボールをしている時に知り合った大学生に、そのことを話しますと、「日本でもそうでしょ。普通のきちんとした家の人は、知らない外国人に話しかけたりしない」…。そうか。そうだな。

 これは、どこの国でもそうなのでしょう。

 日本でも、一見、自由に見えるかもしれませんが、実は皆、見えないルールを守って生活しているのです。これは本人の自由に任されて、守っているだけに、却って強いのです(彼らは「お坊さんが言っている」とか、「親が言っている」で守っているだけですから、外国へ行けば、直ぐに地が出てしまいます)。それゆえ、彼らの国から見れば、安全で心地よく生活できているのです。そのルールを知らなくて、何でも言いたい放題、自分の国とは違うと思い込んで行動してしまうと、とんでもないしっぺ返しがやってきます。

 まだ、彼らは日本語もできないので、そういうルールには気づけないのです。しかし、目に見えないルールはある、しかもほとんどの人達は自然にそれを守っている、それを守らない人間は日本ではやっていけないということを、知るだけは知っておいてほしいのです。

 普通、毎日学校に来て勉強さえしていれば、2年ほどでそのことに少しずつ気づくものです。折に触れ、私たちが注意していきますから。勿論、どうしても、それが守れず、日本人に嫌われる人も、出ては来ます(もう、大人ですから、守る守らないというのは、本人の問題です。どうでもいい、そんなことはと思えば、それで終わりでもあるのです。その場合は、知っていて守らなかったということになるだけです)。

日々是好日
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