小雨。
さて、「Eクラス(十月生)」も、いよいよ「中級」を視野に入られるような頃となりました。
感慨無量です。「N3」から「N2]や「N1」に上がる時よりも、「初級」が終わる時が一番ほっとするのです。
「ひらがな」「カタカナ」と共に、「あいさつ」やら「教室用語」やらを覚えた頃には、「まあ、こんなもんか」くらいの顔つきだった人たち(在日生)も、課が進んでいくと、だんだんに不安げな表情になり、「イ形容詞」「ナ形容詞」の活用練習では、…私には無理…無理じゃないのですけれども、無理と思ってしまう。それをどうにか乗り越えたと思ったら、先に、「動詞の『テ形』」が控えていた…。
ガーンとなった顔を見る度に、10課くらい前のページを開かせ、「このとき、大変だと思ったでしょう。でも、今は?」と、それを繰り返しながら、どうにか、『みんなの日本語Ⅱ』を終えようとしています。
中には「カタカナ」が大の苦手で、「カタカナ」が姿を現す度に、今でも「う~ん」と唸りながら、壁の「カタカナ」に救いを求めてしまう輩もいますし、「漢字」がなかなか進まず、いまだに「N5漢字」テストで、アップアップしている人もいます。いるにはいるのですが、教室の中は、まあ、明るいですね。こちらにいびられる人もだいたい決まってきていますから、周りもそれ(いびられそうな兆候)が出てくると、ワクワクしながらみています。もっとも、皆が余裕を持って見ているわけではなく、次はこっちに来るかと身構える人も、中にはいる。
まあ、一番笑うのは、本人であることが、なんとも情けないことなのですが。もう手の内は見透かされている…。
そういえば、卒業生が遊びに来た時に、「この先生は(私のこと)、最初は怖いと思うかもしれないが、実は怖くない」などと、のたもうていましたっけ。
まあ、授業中、笑いが絶えないのはいいこと。でなければ、長い授業、途中で飽きてしまう…。もちろん、それもわかります。それでも、休ませてなるものかと、こちらは授業しているのですが、受けさせられている相手はそうはいかない。とはいえ、道を通りすぎていく「ネコ」も、「ウメ」や「ツバキ」にやってくる鳥たちも、私の味方、授業に協力してくれますから、助かっています。時々夜勤で疲れたという学生もいるにはいるのですが、以前のように、「じゃあ、10分だけ寝てよし」とまで言わずに済んでいるのも、学生達の生活状況も変わってきたからなのかもしれません。
なにより、(アルバイトの)時給も上がっています。最初の頃は、日本語もたどたどしく、工場で働くしかなかった学生達も、今ではかなり話せるようになっていますから、捜すとしたら、コンビニかレストランなど。日本語が使える場所がいいのです。
留学生達に取って何より大切なのは、生活が安定していること。アルバイトがあって、生活にそれほどの不安がなければ、日本語を勉強するのも、日本で働くためという留学生達。頑張れるはずです。
日々是好日