日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

違うクラスで、同じ教材を教えたときの失敗…。「午前のクラス」の尾っぽを「午後のクラス」の時まで引いてしまう…。

2024-05-09 08:25:36 | 日本語学校
5/09

曇り。

さっきまで、時折、陽が射していたですが、今は薄暗く、厚い雲に覆われています。今にも雨が降り出しそう…。

さて、学校です。

「Aクラス」中の「N3組」と、「Bクラス(N3)」の面々、ここしばらくは、同じ教材を用いていたので(「Aクラス」の方は二週間ほどで終えたのですが)、朝の「Aクラス」を終えてから、午後の「Bクラス」にすぐ入ったりしますと、少々ネジ巻きが進んでしまい、授業がうまくいかなくなったことが、たびたびありました…。

分けても、「修飾・被修飾」の説明と、「主語」の把握。「Aクラス(N3組)」の方では、「修飾・被修飾の関係」をそれほど問題にせずとも、するりと通り抜けができたのですが、「Bクラス」の方では、そうはならなかった。まさに、んんん…。

これも、考えてみれば、何ら不思議なことではなく、例年そうだったのです。…それを失念していた私が悪い。例年ですと、こういう問題に入る前に、ある程度の説明と練習を入れていた。だいたい「N3」に入ったばかりのクラスというのに、それは無理な話。

それを「我、過てり」ですね。今日、もう一度やり直しです。

「白い花」くらいだったら、「花」を説明しているのは「白い」であるとすぐにわかるのですが、その中に文が重層的に入っていたり、主語が書かれていなかったりしますと、結局、何が何だかわからなくなってしまい、沈黙しかあたりを制せなくなる。これも理の当然。…何ら不思議はない。

主語がない(書かれていない)というのも、文の理解を難しくさせているのでしょう。同士を見ればわかると言っても、主語がない文章になれている日本人にとっては、そうでしょうが、主語の有無にかかわらず、(母国で)文章を読む訓練をそれほど受けていなかったりすれば、それは、「何が何で何なのじゃ」となるのも当然のこと。焦った私が悪かった。     

それにつけても、「Aクラス(N3組)」、なぜするりと通り抜けられたのか…。休みがちの人と、どうしても午前中にしか来られないからという、ちょっとこのクラスのレベルに合わない人は、あまり計算に入れなかったとしても…よくわかったな。

このクラスでは、ついて行けなくなっても、ゆっくりはしませんし、諄くはしません。上に合わせて(もちろん、必要な箇所は入れていきますが)やっていきます。ゆっくりやりたかったら、午後に行くようにと言って、授業を進めています。下に合わせると、上が捨てられてしまうことになるのです。

この「Aクラス」には、普通の進度でやれていた「四月生」(昨年の12月の能力試験に「N3」合格)の中に、「N3組」として、ヒアリングがいいからどうにかなるかと思われたスリランカの「七月生」二人と、同じ「七月生」で、高校受験を控えているネパールの女子一人、それから「十月生」の二人(一人は中国人、もう一人は語学の能力に長けているなと思われるネパール人)が入っていて、複式授業の形をとっています。いずれ一つにするつもりですが。

もちろん、今は、「初級」が終わったばかり(3月)の「十月生」と、彼らよりも半年も早くから勉強している「四月生」とでは、かなりの差があります。しかしながら、一緒に勉強し始めて、既に一ヶ月。こちらの話に、同じように笑える部分も増えてきました。

それにいいところは、特に「十月生」なのですが、無理はしていないのです。見ていると(「文法」だけは、「N3」だけでなく、「N2」も受けさせています)、こちらが書けと言ったのに、書いていない時がある。聞くと、「無理ですから」と笑っている。そりゃそうでしょう。「N3文法」も入っていないのに、「N2文法」なんてそりゃあ、無理というもの。この「できる」「できない」を自分で見分け、「『できない』部分は放っといて、『できる』部分だけに集中する」ができるかどうかがキモなのです。聞いて思わず、「でかした」。

「そう。『N2文法』で、今、無理をする必要は全くない。聞いているだけでいい。『N3』の試験が終わってから、きちんと勉強しよう」。こちらのつもりでも、「非漢字圏」で、母国で大して日本語の勉強をやってきていない学生の場合、「N3」まではどうにかできても、「N2」の試験に一度で合格できるという人は、それほどいないのです。だいたい二度チャレンジしてやっと合格するくらいのもの。ですから、「Aクラス」の学生というのは、今年の12月に「N2」か「N1」合格を目指せるであろうということで入れてあるのです。

ただ「Bクラス」にも、資質的には、「Aクラス」に入れられそうな人はいる。とは言っても、今年の「一月生」として来ていたり、11月の中旬くらいから入ってきて、こちらの空き時間にチョイチョイ教えてきただけの人には、資質的には無理はないからといって、今「Aクラス」に入れるかというと、それはどだい無理な話。漢字一つにしても、まだ「N5」か「N4」レベルなのですから。手がまだ全然慣れていないのです。

とはいえ、二人のうちの一人は、読みだけは「N3」のものもかなり読めるようになっている。試験になれているのでしょう。もうちょっと早く来ていたらと残念は残念なのですが、「Aクラス」の人も別に遊んでいるわけでも、資質が劣っているわけでもないので、この差は、あまり縮まりそうにありません。

もっとも、このクラス(「Bクラス」)でも、今年の7月に「N3」に合格できたら、その時は、本人と話し合って、「Aクラス」に移るという場合もあるでしょう。結局は、本人のやる気(どういうつもりで勉強しているか)なのですから。

日々是好日
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