日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「『知識』と『知恵』と『感情』と『気持ち』と」。

2011-03-24 09:14:08 | 日本語の授業
 曇り空ながら、時折、陽が射してきます。今日は、ずっとこのようなお天気なのでしょう。

 何かが、きっかけがになった時だけなのですが、「知識」とか「知恵」とかいうことについて考えることがあります。それから「気持ち」とか「感情」とかについても。

 「知識」をいくら増やしてみても、それは「知恵」に正比例しないのです、悲しいことに。却って「知恵」を阻害してしまうということさえあるのです。いらぬ「知識」です。本当に「知識」というのは、厄介なもの。

 もしかしたら、これは「知識」が正当に育っていないということなのでしょうか。「知識」というものは、ただ「与える」だけではだめなのかもしれません。「育てて」いかなければ、だめなのかもしれません。つまり、「与え方」の問題なのでしょう。

 とはいえ、「知識」もあり、「知恵」もある人でも、「感情」が邪魔して、正しい「判断」ができなくなることもあります。それは「気持ち」だけの問題であることもありますし。

 本当に難しいですね……ったく。

 さて、新入生です。事故が落ち着くまで、(まあ、「学校がいいですよ、来ても」と言うまでは)来ないでくださいと、連絡してあったはずなのですが、ベトナムからは、一人、明日、来るそうです。この月末にも一人。

 中国の内モンゴル、モンゴル国、ロシアなどから来ている、または来ようという学生たちとは全く違う反応です。これらの地区ではまだチェルノブイリの記憶が新しいからでしょうか。それにしても、それに関する正しい知識は入っているのでしょうか。単に右往左往した記憶しかないのではないでしょうか。日本人だって、広島・長崎の記憶は薄れていました。記憶が鮮明ならば、原子力発電所の存在自体、国民が許さなかったでしょうから。

 しかしながら、この事故のおかげで(「おかげ」というのは変ですが)、「被曝(被爆ではありません)」やら、「放射能」やら、「原子力発電所の構造」やらの知識を得ることができました。それから、果敢に仕事をしてのける人達の存在を知ることもできました。

 特に、こういう人達の存在は、被災者のみならず、多くの日本人を勇気づけました。日本人は捨てたモンじゃないというのが、日本人皆の、正直な気持ちだったのではないでしょうか。結局、人なのです。人を勇気づけるのも、だめにするのも。

日々是好日
コメント
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