日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「ヒヨドリ」。「ネコ」。「勢揃いした『一月生』」。

2009-01-28 08:10:48 | 日本語の授業
 今朝、空を見ていて、不思議なことに気がつきました。最初は、少し明るくなった空の青に黒い雲が浮かんでいて、「こいつあ、斑の空だ」と、勝手に喜んでいただけだったのですが、学校に着く頃、消防署の角を曲がる頃には(随分明るくなっていました)、東の方の雲は、まだ黒っぽいままでしたのに、そのずっと上、私の頭上の雲は、既に白くなっていたのです。東の地平線から遠ざかれば遠ざかるほど、白くなっていたのです。

 夜明けが、お日様と反対側の、雲の色から始まっていたなんて、今まで気がつきませんでした。

 けれど、本当に夜が早く明けるようになりました。暮れるのも遅くなったようです。
これは、昨日のことでした。午後の学生が、帰るときに、
「先生、まだ明るいです。変です。日本はまだ冬なのに」
と言っていましたっけ。

 そう言われてみると、彼らが帰るときには、玄関と階段の灯りが必要でしたし、私にしても、朝、カギを探すのに、(暗かったので)もたついていましたっけ。「春遠からじ」でしょうか。この後、幾度か、冬将軍の訪れがあるにしても。

 春と言えば、学校のマーガレットの花はもう咲いています。先日、それを啄みに、ヒヨドリもやって来ました。二羽のヒヨドリが、いきなりやって来て、乱暴に花びらをむしり始めたのです。

 何ともはや、ギャングだけあって荒々しい所行ではありました。が、それでも、小鳥は小鳥。よくぞ、道路の、直ぐそばまでやって来たものです。最近は野良猫もウロウロしているというのに。

 猫と言えば、一階のクラスは道に面しているので、最近は、授業中も、猫の姿をよく見かけるようになりました。

 一昨年は、裏の猫が数匹の子供を生んで、その仔ネコたちの遊び場が、一階の階段でした。階段と言いましても、窓に面している三段ほどです。そこに季節の花をプランターに入れて飾っているのですが、やって来て遊ぶのは、ここと決まっていました。花と戯れたり、蝶を追いかけたり、時には窓ガラスにとりついて、教室の中をのぞき込んだり…。そうすると、まだ子供ですから、夢中になって遊んでいるうちに、人間の直ぐそばまでやって来るようなこともありました。勿論、母猫に呼ばれて飛んで帰るのですが。可愛かったですね。春が近づくたびに思い出してしまいます。彼らはどうしているでしょうか。無事に育っているでしょうか。だれかにもらわれて、幸せに暮らしていると良いのですが。

 今、よく目にするのは、、大猫です。大人の、大きな猫。しかも、新顔が二匹、加わっています。それぞれ違う時間にやってきて、辺りを悠然と歩き回って、それから、ねぐらに帰っていくのです。これはもう、毎日の仕事ですね、彼らの。雨が降らない限り、続けられているようです。

 力関係で、向かいの駐車場の日当たりの良い所で、日向ぼっこができるかどうか決まってくるのでしょう。寒さが厳しかった頃には、訪れる猫もいなかったようでしたが、晴れた日や風のない日には、学生達が、
「先生、先生。あそこ、あそこ」
と言って教えてくれるので、直ぐに判ります。

 ところで、一月生、最後の一人が、一昨日、無事に着きました。タンザニアからの学生です。

 タンザニアからエミレーツ航空で、ドバイを経由し、関西空港に着き、JALに乗り換えて、羽田に着いたのが、一昨日の夜。昨日は疲れていて学校に来られないだろうと言っていたのですが、朝、彼女を呼んだ人に、ちゃんと連れてきてもらっていました。

 これで、「初級Ⅰ」クラスは、アフリカ勢が二名ということに…と思っていたのですが、お隣のマンションに住んでいるスーダン人の男性が、友人を連れてきたのです。その人は大使館の仕事をしていて、もう日本に来てから一年になるけれども、日本語が話せないので、困っていると言って。それで、まず、授業を見てもらうことになり、結局昨日の授業の時には、アフリカ勢が三名、参加することになりました。アフリカ勢三名、インド人一名、中国人三名、これにあと病気で休んだタイ人の男の子が一人加わるのですが、何とも賑やかなことです。

 タンザニアから来た女子学生には、隣にガーナから来た学生が座り、世話を焼いていました。授業が終わった後も、お手伝いで、同室になる中国人の女の子と一緒に、彼が荷物を運んだり、市役所へ行ったりしてくれました。

 学校に戻ってきてからも、教師の手が空く四時までは、自習室で勉強していなさいと言うと、素直に上がって待っていてくれました。そして、彼らが出ていった後、教室を見てみると、黒板一杯に「ひらがな」が書いてありました。どうも、二十日ほど前に来て、既に「ひらがな」「カタカナ」をマスターしていたガーナ人の青年が、彼女に教えていたらしいのです。

 「二十日前」の先輩です。たった二十日しか違わなくても、一生懸命勉強していただけのことはあって、こうして教えてやることができるのですね。これまでは、「ひらがな」「カタカナ」を書くのも遅いし、言葉も通じているのかいないのか、判らないような部分もあったのですが、彼女に通訳してくれているところを見ていると、こちらの意図する所
を察するだけの力はついているようです。無駄に二十日間を過ごしていなかったことが判って、一同ホッとしました。

 ただ二十日も遅れてから日本へやって来たというのは、勉強の面から考えると、彼女にとっては、少々辛いことです。ただ、昨日一日だけで、もう「仲間」という感じになっていたので、人間関係は徐々に築き上げていけば、大丈夫。あとは日本語の勉強だけです。まずは「ひらがな」「カタカナ」です。何事もそれからのこと。

日々是好日
コメント
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