日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

「今朝は雪のはず…」。「入学式」。

2009-01-09 07:58:06 | 日本語の授業
 昨日の天気予報を見た限りでは、今朝は雪景色の中で目覚められるはずでした。カーテンを開けると、うっすらと道は雪化粧…のはずでした。

 ですから、起きるとすぐに、勢い込んでカーテンを開けたのです。が、道は黒く濡れ、そぼ降る雨が、私を迎えてくれるばかり…。

 そういうのも、嫌じゃないのですけれど…。予定では、通勤も、雪の中を歩いていくはずでしたし、そういうつもりだったのです。

 けれども、あろう事か、歩いているうちにポカポカしてきました。やはり、雪は無理だったのかもしれません。ここ、行徳は、予報のなかなか難しいところのようで、「日本橋」にも地下鉄で20分と、すぐ近くなのに、そことこことでは、お天気が全く違うのです。しかしながら、雪がないとなると、学生達は気落ちしたことでしょうね。

 昨日の帰り、「明日は雪のようです」の一言に、「寒いぞ」という反応ではなく、「わあい!」でしたから。ともかく、雪はお預けのようです。年度末までに降ってくれるのかしらん。

 さて、昨日は「入学式」でした。

 「一月の就学生」、計六名。一名はまだ来ていないので、昨日参加できたのは、五名です。ミャンマーからの学生が二名。ガーナ、中国、インドからの学生が、それぞれ一名。それに、「初級(Ⅰ)」のクラスの開講を、待っていた学生が参加して、なんとも賑やかな「入学式」でした。

 午後の「初級(Ⅱ)」のクラスの学生と、午後も残って勉強していた「中級」クラスの学生が、何名か参加しただけだったのですが、事前に(「式」の準備の間に)、練習していただけあって、ガーナからの学生も、立派に自己紹介できましたし、在学生達の挨拶もなかなかのものでした。

 その後の簡単な茶話会でも、
「先生、ジュースはこれだけ?もうないの?」
「ない、ない。それだけ。それだけをチビチビと飲むのだ」
という教師の諭し(?)通り、在学生達は、
「これだけだからね。大切に飲むのだよ」と、
新入生達を指導(?)してくれましたし、人種・国籍・民族に関係なく、和気藹々と写真を撮ったり、撮られたり。相手に通じていようがいまいが、関係なく、話しかけたり、話したり。特にシュークリームをぱくついているところを撮られた学生など、
「先生、わるーい!○○さん、わるーい。消して!消して!」
と追っかけ回していましたが、撮った学生の方は、知らん顔。背の高さと腕の長さを生かして、みんなに見せてやっていました。

 その後は、通訳担当の学生を残して、オリエンテーションです(「初級(Ⅱ)」のクラスの学生達は、3時から授業です)。

 日本で暮らしていく上での注意事項の説明が終わったあとは、勉強に関すること、特に授業中の注意、心構えなどを説明しました。

 ところで、ふと気づいたのですが、いつの間にか、新入生一人一人に、通訳担当の人がついていたのです。タイの学生には、タイ人の学生が、インド人にはインド人の(同じ言葉を話す)学生が、ガーナ人には英語の得意なインド人の学生が、ミャンマーからの二人の学生のためには、引率してきた先生が通訳の役をかってでてくださいましたし…。なんとも贅沢なことですね。

 それからは、属する「クラス」の確認です。全く「いろは」からの学生が二名、「初級(Ⅱ)」レベル(三級合格レベル)の学生が二名。「中級(20課から)」の学生が一名(ミャンマーで「上級」の教科書まで終わっていますが、私の授業中の言葉の速さについて行けないので)。それから、必要な教材を確認してもらい、オリエンテーションは、終わりました。

 言葉の不自由さはあるものの、この「入学式」を通して、学校の雰囲気、在校生の勉強に対する意気込み(出席してくれた在校生達が、口を揃えていってくれたのは、普段は優しい先生だけれど、勉強の時はとても厳しい)などを、肌で感じてくれたことでしょう。

 勉強を一生懸命している人達は、半年も経つと日本での暮らしに慣れ(もう何十年もここにいるような顔をしている学生もいます)、やりたいことを責任を持ってできるようになりますし、他の人に教えてやることもできます。それが、ひいては、日本語に対する自信にも繋がり、もっと勉強しようという意気込みも生まれてくるのでしょう。

 特に「中級」の学生達は、できるだけ速く「一級レベル」にまでやって、自由に新聞レベルのものが読め、テレビのニュースくらいのものは聞き取れるようにしておかねば、大学や大学院に入っても苦労してしまいます。

 勿論、こういう「式」や「課外活動」などは、学生達も参加して楽しめますし、学校側にとっても、一つの区切りになるので、やっているようなものですが、それだけではありません。

 教室の中では見えない学生達の良さ、がんばり度などが、教師に判るだけではなく、学生同士でも確認できる場にもなっているのです。

 何人かの学生は、他の学生から、
「びっくりした。上手になったねえ」
と言われることによって、それまでは、宿題のプリントなども出しっぱなしだったのに、間違いの箇所をチェックするようになりましたし、どうしてそこが違っているのかを質問するようにもなりました。

 本当に、学校も、一つの教室のようなものなのです。毎日、一緒に勉強しているのですから、この中の一人だけが、みんなとは別個に、一人だけ日本語が上手になれるというわけがありません。毎日を共に勉強し、おしゃべりし合っているのですから、上達の早い遅いこそあれ、結局は同じように上手になるのです。毎日、互いに影響し合っているのですから。

 それも確認し合えた、いい「入学式」でした。

日々是好日
コメント
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