イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

水軒沖釣行

2021年11月16日 | 2021釣り
場所:水軒沖
条件:中潮 4:24満潮
釣果:コウイカ 1匹

今日、母親が退院する。病院では退院する人たちは午前中、午後から入院する人が入ってくるというホテルのチェックインとチェックアウトのようなシステムを取っているそうだ。
だから午前10時には病院に到着しておかねばならない。
この時間から逆算すると午前8時には釣り場から脱出する必要がある。当然加太には行けないので小船のローテーションということもありコウイカを釣ることにした。まあ、3匹釣れれば今日は満足という気持ちで出かけたのだがまたまた悔いだけが残ってしまった。

その悔いのひとつが禁断の仕掛けだ。持って行こうか行かないでおこうかと思案していたのだが、一文字の切れ目からポイントまでだけでも流してみようとやっぱり持って出た。
航海灯が必要でなくなるくらいまで待って出港。



予定通り切れ目の前から禁断の仕掛けを流し始める。するとすぐにアタリが出た。それも相当大きな奴だ。この釣りはいきなりドカン!と言う感じでアタリが出るので面白いことは面白い。しかし、この後が厄介だ。竿もリールもない手だけの釣りなので魚が大きくても糸を繰り出すことも竿の弾力でためることもできない。糸を持ったまま耐えるだけだ。今回もひたすら耐えるだけだ。少しの間は魚の手ごたえがあったがじきに軽くなってしまった。仕掛けを回収してみると一番先っちょの鉤がなくなっている。仕掛けは10号、そうそう切れることはないと思うのだがあっけなかった。



初島でブリを釣ったときは枝素が8号。それでも獲れたのだから今日の魚もそれに匹敵するサイズだったのかもしれない。
う~ん、残念。釣ったとしても魚を持って帰るためのクーラーボックスも持ってきてはいないのだが、それはそれであとで考えればよいこと。この前、目の前で逃げたサワラといい、無念が続く。

残った2本の鉤を流しながらポイントへ向かうがアタリはこの1回だけであった。
この釣りで時間を食ったので残り時間は1時間半ほど。それでも調子がよければ3匹は釣れると確信して仕掛けを下すが心のどこかに焦りがある。この釣りの秘訣のひとつはじっくり待つことだが微妙な心理が仕掛けにも伝わるのかアタリはない。
潮の流れは緩やかなので思い切って赤灯台の前まで移動。ここは少し速い流れになっていて仕掛けを入れ直すことを何度かすることのなるのだが、そのたびにフグがまとわりついてくる。今年の加太は大量に湧いていてえらいことになっているが、こんなところまで勢力を伸ばしているとは思わなかった。コロナウイルスよりも蔓延力が強いのかもしれない。
そして僕の仕掛けにも喰いついてきた。運悪くアシストフックにがっちり掛かっている。



サバフグなので毒はなく、食べることができるし意外と美味しいのだが、最近は毒のあるクロサバフグとのハイブリッドがいるらしく油断ができない。この魚も尻尾の形を見ると毒はないのだが退院してきた日に家族全員フグの毒で死んじゃったというのは落語のオチにもならないと思い放流。
ここはフグしかいないと考え、もうひとつの好ポイントである一文字の交差点に行きたいと思ったのだが、この時刻、シラスを獲るバッチ網がやってきていた。仕方がないので最初に入ったところで再開。



ここでも魚がヒット。これは結構大きい。しかし、アシストフックには掛かっていなかったのか、すぐにバレてしまった。明らかにフグの引きではなかったのでこれも残念。おそらくコチであったと思う。
その直後に根掛かり。船の位置を変えても抜くことができず引き抜くと上のスッテだけは回収することができた。タイムアップまでにはまだ30分ほどある。幹糸にそのまま錘を結んで釣りを続行。



直後にイカのアタリ。小さいイカだがとりあえずボウズはなくなった。

そのまま釣りを続けているとバッチ網の船は針路を変えてこっちに向かってきた。同時に運搬船が近づいてきたので、邪魔だからそこをどけろと言われるのかと思ったら、「なに釣ってんの?」と、僕の釣りに興味があっただけのようだ。「イカです。」と答えると片手を上げてそのまま行ってしまった。残された僕はこのままここに居ても大丈夫なのかしらと逆に心配になってくる。どちらにしても帝国軍と違い、海は誰のものでもないと思っていてくれるのはうれしいではないか。



タイムアップまで15分。バッチ網の船もどんどん近づいてくるし、ふと、この時間ならまだ禁断の仕掛けでも魚が釣れるのではないかと思い立ち、片肺の仕掛けでイカを釣り続けるよりもそっちを選択。
一文字のテトラに沿って流しているとまた魚が掛かった。今度はそれほど大きくない。糸を切られることはないと思っていたら、取り込みの直前で魚がエンジンの下に潜り込み暴れ始めてあえなくバラし・・。今夜のハマチの塩焼きは海の底に消えていった・・。
それからしばし仕掛けを流してみたが、神様は3度目の微笑は与えて下らさらなかった。(仏さんは3度まで微笑んでくれるのだが・・)
これで完全にタイムアップ。

港からの帰り、いまだ影は低く長い。



家に帰って1匹のイカをさばいて病院へ。



また来週には入院となるのだが、夕食はこの前釣ってきたチャリコで退院祝いとした。
病院の食事は歯ごたえもないし味も薄いので全然美味しくなとこぼすほど元気なのはありがたい。とりあえずもう1回、今回の馬力で乗り切ってほしいものだ。

去年の今日も仕掛けを落としてばかりいたようなのだが、どうも11月16日は鬼門である・・。

その鬼門の日に初めてバーコード決済というものをやってみた。
5,000円分のマイナポイントを欲しいというだけでチャージしたものだが、いつまでも使わないわけにはいかない。試しに使ったのが釣具店だ。「ペイペイって使えますか?」とぎこちなくスマホを取り出し、これでいいんですかとペイペイの画面を呼び出す。
そして支払いはあっけなく終わってしまった。こんなに簡単に済んでしまうとは危険である。お金を支払った感覚がない。



「天才バカボン」でバカボンのパパが、銀行からもらったメモ用紙を小切手と思いこみひと悶着起こすという話があったが、それに近いものがあると感じてしまった。お金をお金と感じなくなりそうだ。これが時代であるというのはわかるけれども、僕はこまめに財布を開きたいと思うのだ。

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