イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

竹串を飲み込んでいた生物は・・。

2021年02月17日 | Weblog
10年前と同じウミエラという生物なのだろうなと思ったのだが、前回の釣行で引っ掛かってきた奇妙な生物について、今回はかなり細くてそれに竹串を飲み込んでいるというのが気になったので和歌山県立自然博物館に問い合わせをしてみた。竹串がなかったら巨大なゴカイのようにも見える。

問い合わせ方法は10年前とは違い、メールではなくてフェイスブックのメッセンジャーが窓口となっていた。時代は進んでいるようだ。

丁寧な返信をいただき、これはやはりウミエラの一種だったそうだ。そして、気になっていた竹串だが、これは骨軸というものだそうで、ウミエラにとっては体を支えている脊椎のようなものらしい。
そういえば試しに折ってみた時、片手で簡単に折れてしまったのだが、竹ならそう簡単には折れないし焼き鳥の串にしては長すぎる。夜店の屋台の串焼きならこれくらいの長さの竹串を使うかもしれないが、船の上でそれを食って海に捨てる奴もいないだろう。ただ、この海域は瀬戸内海でも有数の海洋ゴミの漂着スポットだから誰かが夜店で買ったものを捨ててここに流れ着いた可能性は否定できない。
そこまで竹串にこだわるのは、この骨があまりにも直線的に見えたからだ。生物ならもっと曲線的な骨を持っていそうだが、これはどう見てもまっすぐだ。先端の体の部分がちぎれて露出している部分の色を観てみるとやっぱり竹串にしか見えなかったのだ。

ちなみに、ウミエラはこの写真のうち、からだのつるつるしている部分を海底に突き刺して住んでいるそうだ。そして先端の丸くなっている部分を膨らませて錨のようにして体が流されないようにしているらしい。たまに海底から這い出して動き回ったりもするそうだ。けっこう合理的な構造をしている。

しかし、人知れず名前もつけてもらえず海底に潜んでいるこんな生物だが、おそらく未来永劫、この海の水が干上がることがない限り観察されることはないはずだ。コペンハーゲン解釈によると、(人に)観測されないものは存在しないと考えても差支えがないということになっているが、この生物は確かに存在し、おそらく何らかの形で加太の海域の生態系の形成に寄与しているはずだ。
そうなってくると、やはりコペンハーゲン解釈は間違いでその先にある量子力学についてももう一度考え直してもらわねばならないのではないかと思うのである。

 
コメント
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