北海道の正月三が日は結局穏やかに過ぎました。親類との食事会など、一連の行事を終えましたが、年々歳々、時代とともに昔のような正月らしさは失われているような気がします。
私自身、今年の年末年始はほとんどテレビ番組も新聞も見ませんでした。向こうからコマーシャルや広告付きであてがわれる情報よりも、ネットの中で集合知ができあがる様子を見ている方がずっとわくわくするということが分かったからです。
英語で"legacy"と言うと、「遺産、遺物」などという意味ですが、これをもじってテレビ・新聞などを時代遅れのメディアという意味で「レガシーメディア」という言い方をします。
一家団欒でテレビでも・・・、という正月の過ごし方が変わってきた理由の一つは、テレビや新聞などレガシーメディアの情報提供の内容がネットよりも質が低いことと、広告料で企業経営をするというビジネスモデルが崩れてきているようだ、という分析も登場しました。
「新世紀のビッグブラザーへ blog」から、2009/12/29の『誰が給料を払ってくれるのか?』という記事の抜粋です。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/22268837.html
* * * 【引用開始】 * * *
『インサイダーにあぜん 『この1年を振り返る』記者座談会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2008122802000113.html
今年も話題豊富だった放送界。NHK職員の不祥事は相変わらずで、インサイダーというド派手な悪事も発覚した。民放はといえば、CM収入の減少などで業績が悪化し、番組にも経営引き締めの影響が…。中略)
◆大物司会者の番組激減
★民放の経営悪化
D 民放は景気低迷やネット広告の台頭で赤字に転落するキー局が出るなど、経営が苦しい。二年半後に迫った完全デジタル化への投資も負担になっている。
E フジの「とくダネ!」で不況を特集した際、小倉智昭が、自分がいつ切られて代わりに局アナが座っているか分からない、というような皮肉を効かせた発言をした。実際、ギャラの高い大物司会者の番組が激減した。
F 広告費の減少を補おうと、ドラマと連携した通販などに力を入れている。
B トヨタの奥田碩相談役が厚生労働省に関する厳しい報道に関して「何か報復でもしてやろうか。例えばスポンサーを降りるとかね」とコメントした。民放連会長も、民放各社の社長も「(奥田発言は)公式の場の発言でない」などと弱腰。大スポンサーさまには、苦言を呈せない?
◆2008年放送界の主なニュース
(中略)
◆2008年度上半期の平均視聴率で、ゴールデンタイム(午後7-10時)の視聴率がトップに。大河ドラマ「篤姫」や、北京五輪が要因。
(中略)
◆北京五輪の平均視聴率は10.7%。瞬間最高は日本が金メダルを獲得したソフトボール決勝・米国戦の試合終了直後で47.7%。
◆在京民放キー局5社の2008年9月中間連結決算で、日テレ、テレ東が赤字に転落。景気低迷、テレビ広告収入の大幅減少などが影響。(後略)』
マス・メディア関連の話題ばかり続いて恐縮です。2008年は新聞、テレビが軒並み業績悪化し、存在が危ぶまれるメディアが登場した転換期となりました。恐らく、2009年には経営破綻するメディアが複数出てくるでしょう。
冒頭の記事にあるように、新聞だけではなくテレビの方も相当デンジャラスな状況になっています。特に民放各社が上半期のゴールデンタイムの視聴率で、NHKに敗北したというのは、相当にインパクトがあります。何か記事では北京五輪のせいにしていますが、高々平均視聴率10.7%のイベントが二週間あっただけで、六ヶ月の平均視聴率で敗北するのでは、言い訳になっていません。要するに、テレビの視聴者数が減少しただけのような気が致します。
2011年の地デジ全面移行は、様々な面から民放のビジネスモデルを崩壊させることになります。
まず記事中にもあるように、完全デジタル化の投資負担が莫大である事。次にアナログ放送終了により、視聴者のおよそ三分の一がテレビを全く見なくなる(地上デジタルチューナーなどに投資しないため)と予想される事。そして地上デジタル放送になると、全視聴者について受信機単位で把握できるようになる事です。
特に最後の「視聴者の把握」は大きいです。現在の視聴率は、ビデオリサーチが数百世帯(関東地区の場合、600世帯)を調査してサンプリングにより弾き出しているわけですが、これが地デジになると受信機単位で「何台」その番組を見たか、あるいは何台「その企業のCMを見たか」が把握できてしまうのです。CMを打った企業はテレビ局に「何台がCMを見たか?」と受信機単位で数値を求め、その数値と売上推移を比較することで、テレビ局や番組をスクリーニングしていくことでしょう。
売上に貢献しない番組やテレビ局は、企業から数値データを突きつけられ、淘汰されていくことになるのではないでしょうか。
さて最近、筆者はメディア関連の方々とお会いする機会が多い(多くは30代~40代の男性)のですが、皆様揃って現在のメディアのあり方、ベクトルの向き方に危機感を抱いているのが大変印象的でした。但し、現在の各メディアの経営陣は、まさに全共闘世代の方々で、若手の人たちが変革をする際のボトルネックになっているとの事です。(朝比奈など、典型ですが)
ある元大手新聞社の方が仰っていましたが「大手新聞社で働く記者は、誰が給料を払ってくれているのかが分かっていない」と指摘されました。要は、大手紙の記者は給料は会社が払ってくれるもので、自分たちはそういった心配をしないで「民衆を啓蒙」し、「世論を誘導」することが仕事と思っているとの事です。
もちろん、会社が給料を払ってくれるなどという事は有り得ず、実際に払ってくれるのは購読者である一般の日本人であり、広告を出してくれる企業な分けです。その点を勘違いしているので、現在の「日本ダメポ論キャンペーン展開⇒経済萎縮⇒スポンサーが広告を減らし、購読者が減り、新聞社が経営危機に陥る」という、バカバカしい自業自得に陥っているとの事です。
(以下略)
* * * 【引用終わり】 * * *
この文中で視聴率調査ができるという部分に関しては、記事へのコメントで「デジタル放送受信機を電話回線につないでいる人なんてほとんど居ないでしょうから視聴率調査には使えないんでは」というものがありましたのでご紹介をしておきます。
ここはちょっと自分でも調べておこうと思います。
時代の大きな波を言論やネットが変えるなどと言うのはとっても無理なことで、せめて情報を多方面から入手して、この大きな波に沈没しないように暮らし方の舵を切り間違わないようにするのが精一杯なのかもしれませんね。
今年は情報メディアの行く末から目が離せません。
私自身、今年の年末年始はほとんどテレビ番組も新聞も見ませんでした。向こうからコマーシャルや広告付きであてがわれる情報よりも、ネットの中で集合知ができあがる様子を見ている方がずっとわくわくするということが分かったからです。
英語で"legacy"と言うと、「遺産、遺物」などという意味ですが、これをもじってテレビ・新聞などを時代遅れのメディアという意味で「レガシーメディア」という言い方をします。
一家団欒でテレビでも・・・、という正月の過ごし方が変わってきた理由の一つは、テレビや新聞などレガシーメディアの情報提供の内容がネットよりも質が低いことと、広告料で企業経営をするというビジネスモデルが崩れてきているようだ、という分析も登場しました。
「新世紀のビッグブラザーへ blog」から、2009/12/29の『誰が給料を払ってくれるのか?』という記事の抜粋です。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/22268837.html
* * * 【引用開始】 * * *
『インサイダーにあぜん 『この1年を振り返る』記者座談会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2008122802000113.html
今年も話題豊富だった放送界。NHK職員の不祥事は相変わらずで、インサイダーというド派手な悪事も発覚した。民放はといえば、CM収入の減少などで業績が悪化し、番組にも経営引き締めの影響が…。中略)
◆大物司会者の番組激減
★民放の経営悪化
D 民放は景気低迷やネット広告の台頭で赤字に転落するキー局が出るなど、経営が苦しい。二年半後に迫った完全デジタル化への投資も負担になっている。
E フジの「とくダネ!」で不況を特集した際、小倉智昭が、自分がいつ切られて代わりに局アナが座っているか分からない、というような皮肉を効かせた発言をした。実際、ギャラの高い大物司会者の番組が激減した。
F 広告費の減少を補おうと、ドラマと連携した通販などに力を入れている。
B トヨタの奥田碩相談役が厚生労働省に関する厳しい報道に関して「何か報復でもしてやろうか。例えばスポンサーを降りるとかね」とコメントした。民放連会長も、民放各社の社長も「(奥田発言は)公式の場の発言でない」などと弱腰。大スポンサーさまには、苦言を呈せない?
◆2008年放送界の主なニュース
(中略)
◆2008年度上半期の平均視聴率で、ゴールデンタイム(午後7-10時)の視聴率がトップに。大河ドラマ「篤姫」や、北京五輪が要因。
(中略)
◆北京五輪の平均視聴率は10.7%。瞬間最高は日本が金メダルを獲得したソフトボール決勝・米国戦の試合終了直後で47.7%。
◆在京民放キー局5社の2008年9月中間連結決算で、日テレ、テレ東が赤字に転落。景気低迷、テレビ広告収入の大幅減少などが影響。(後略)』
マス・メディア関連の話題ばかり続いて恐縮です。2008年は新聞、テレビが軒並み業績悪化し、存在が危ぶまれるメディアが登場した転換期となりました。恐らく、2009年には経営破綻するメディアが複数出てくるでしょう。
冒頭の記事にあるように、新聞だけではなくテレビの方も相当デンジャラスな状況になっています。特に民放各社が上半期のゴールデンタイムの視聴率で、NHKに敗北したというのは、相当にインパクトがあります。何か記事では北京五輪のせいにしていますが、高々平均視聴率10.7%のイベントが二週間あっただけで、六ヶ月の平均視聴率で敗北するのでは、言い訳になっていません。要するに、テレビの視聴者数が減少しただけのような気が致します。
2011年の地デジ全面移行は、様々な面から民放のビジネスモデルを崩壊させることになります。
まず記事中にもあるように、完全デジタル化の投資負担が莫大である事。次にアナログ放送終了により、視聴者のおよそ三分の一がテレビを全く見なくなる(地上デジタルチューナーなどに投資しないため)と予想される事。そして地上デジタル放送になると、全視聴者について受信機単位で把握できるようになる事です。
特に最後の「視聴者の把握」は大きいです。現在の視聴率は、ビデオリサーチが数百世帯(関東地区の場合、600世帯)を調査してサンプリングにより弾き出しているわけですが、これが地デジになると受信機単位で「何台」その番組を見たか、あるいは何台「その企業のCMを見たか」が把握できてしまうのです。CMを打った企業はテレビ局に「何台がCMを見たか?」と受信機単位で数値を求め、その数値と売上推移を比較することで、テレビ局や番組をスクリーニングしていくことでしょう。
売上に貢献しない番組やテレビ局は、企業から数値データを突きつけられ、淘汰されていくことになるのではないでしょうか。
さて最近、筆者はメディア関連の方々とお会いする機会が多い(多くは30代~40代の男性)のですが、皆様揃って現在のメディアのあり方、ベクトルの向き方に危機感を抱いているのが大変印象的でした。但し、現在の各メディアの経営陣は、まさに全共闘世代の方々で、若手の人たちが変革をする際のボトルネックになっているとの事です。(朝比奈など、典型ですが)
ある元大手新聞社の方が仰っていましたが「大手新聞社で働く記者は、誰が給料を払ってくれているのかが分かっていない」と指摘されました。要は、大手紙の記者は給料は会社が払ってくれるもので、自分たちはそういった心配をしないで「民衆を啓蒙」し、「世論を誘導」することが仕事と思っているとの事です。
もちろん、会社が給料を払ってくれるなどという事は有り得ず、実際に払ってくれるのは購読者である一般の日本人であり、広告を出してくれる企業な分けです。その点を勘違いしているので、現在の「日本ダメポ論キャンペーン展開⇒経済萎縮⇒スポンサーが広告を減らし、購読者が減り、新聞社が経営危機に陥る」という、バカバカしい自業自得に陥っているとの事です。
(以下略)
* * * 【引用終わり】 * * *
この文中で視聴率調査ができるという部分に関しては、記事へのコメントで「デジタル放送受信機を電話回線につないでいる人なんてほとんど居ないでしょうから視聴率調査には使えないんでは」というものがありましたのでご紹介をしておきます。
ここはちょっと自分でも調べておこうと思います。
時代の大きな波を言論やネットが変えるなどと言うのはとっても無理なことで、せめて情報を多方面から入手して、この大きな波に沈没しないように暮らし方の舵を切り間違わないようにするのが精一杯なのかもしれませんね。
今年は情報メディアの行く末から目が離せません。