北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

地上波デジタル化の裏話

2009-01-28 23:47:24 | Weblog
 ある会合で某国営放送局のAさんとご一緒しました。

 不況で民放の経営も大変そうですね、という話題で少し盛り上がりました。定額給付金に話が及ぶと話は更にヒートアップ。

Aさん「いえ、本当に、あの定額給付金で地デジ対応のテレビを買って欲しいものですよ」
私「一人1万2千円ではちょっと予算が足りないのではないでしょうか」

「それだったらチューナーだけだって良いですよ。それなら安いですもん」
「この不況で、そうした出費も控えそうですね。アメリカでもデジタル放送完全移行を延期したというニュースが流れていましたよ」

「あ、それは日本のチューナーに相当する変換コンバータを買うためのクーポンを配っているんだけど、その配布が間に合わないという理由なんですよ。延期と言っても4ヶ月ですからね」
「でも日本でも普及のテンポが遅いようですから、現実には地デジ移行が延期されるんじゃないかと思っているんですけど」

 するとAさんは無理無理!という顔をして、
「それをやったら民間は本当に潰れますよ」と言います。
「ええ?どうしてですか?」

「わが放送局もそうですが、今は民放各局もアナログ放送と地デジ放送の二つの電波を送っていて、この両方をやるための施設の経費が大変な負担なわけです」
「はあ」

「アナログ放送の施設は、2011年7月の地デジ完全移行まではなんとかメンテナンスでもたせるつもりですが、もう機材関係も耐用の限界に近づいているものも部品交換で凌いでいます。これをもう1年延期などと言われたら、機材メンテではもたないところが出てきて、新しい機材購入なんて事にもなりかねません。だから無理なんです」
「へええ、なるほど、そう言うお話は始めて聞きました」

「アメリカではチューナーを買うためのクーポンを配っているくらいですから、日本もお金じゃなくて、地デジチューナー券にしてくれると良かったのですがねえ(笑)」

    ※    ※    ※    ※

 私の大胆な予想では、二年後の地デジ完全移行がなされる頃には、日本人はテレビをパソコンで見ることになると思っています。

 今や24インチのパソコンモニターが実売で3万円を切るところまで来て、地デジチューナーも1万円を切るものが出始めました。

 あと2年もあれば、モニターはもう一回り大きな26インチ化が進み、地デジチューナーも標準装備、おまけにパソコンの記録装置もBD(ブルーレイディスク)が標準となると、数万円で録画も自由自在にできる26インチのテレビが手に入るでしょう。

 リアルタイムで見る番組はスポーツ番組だけで、あとは全て録画で対応。録画された番組を見る時は、CMスキップ機能を利用する人が増えてだれもコマーシャルを見てくれないので、テレビへの広告は激減、新たなビジネスモデルが作れるところは生き残り、テレビ局がいくつか再編される…、というシナリオです。

 実はこの流れは地デジ化とは直接リンクしていないのですが、まさにタイミング的には同じ時期にマスメディアの構造変化がやってきたということになるのでしょう。

 さてさて、皆さんのお宅では地デジ化は進んでいますか? 
コメント
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