北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

利き腕の文化

2009-01-29 23:42:44 | Weblog
 今夜は知人に連れられて神楽坂の隠れ家的なお店へ行きました。

 神楽坂と言えば大正時代に隆盛を誇った花街。初めてのお店はお値段が解らず不安なものですが、この知人に寄れば「お店はこぎれいでお値段もリーズナブルなんですよ」とのこと。行ったことのある知人と一緒なら安心です。

 お店の名前は日本料理の「河庄」さん。

 高級料亭ではなく日本料理のお店ということで、居酒屋のような喧噪はなくて静かな雰囲気でほっと落ち着きます。

 しかもお店の内装が素晴らしい数寄屋風の造りで、細かな造作に精緻な技が尽くされています。珪藻土の壁に天井の張り物も様々な衣装が用いられています。使われているちょっとした柱も繊細で、ふすまにはなんと葛布(くずふ)を使うという見事なこだわりです。葛布の襖ならば張り替えずに百年は保ちますから、後々には飴色の風情が出ることでしょう。

 このお店は、古い木造を鉄骨のビルに建て替えたとのことですが、きりもりするお母さんのご主人はもともと建築の職人で、息子さんが料理人になったのだとのこと。、お店の内装は飛騨まで行って、材料選びから吟味を重ねたそう。これらに囲まれての会食はとっても贅沢なものです。
 ひさびさに心地よい空間での会食を楽しめました。神楽坂に嬉しい空間を見つけました。

 

    ※    ※    ※    ※

 さて、会食の中で右利き左利きの話題になりました。基本的には世の中には右利きが多いので、左利きの人は案外有利になるというのです。

 例えばテニスなどでは、右利きとの対戦が多く、右利きの人がかけるスライスボールは跳ね方が予想出来て対応出来るのですが、左利きの人が放つスライスは跳ね方が逆になって対応が難しいというのです。

 左利きの人は普段から右利きの人と練習していて対応ができるので、そこで有利になるのだそう。なるほど、ボクシングでもそういうことがあるかもしれませんね。

 ところで日本の弓道は、もともと奥に神棚があってそこに正対する形で弓を放つというものなので、右利きが正しいのだそう。自分が左利きだからと言って、神棚に背を向けて弓を射ることはないので、弓に関しては右打ちに矯正するのが正しいようです。

 しかしネットを見ていると、「左利きでも弓道はできるのでしょうか」という質問に対して、「左でも大丈夫だと思いますよ」とか「アーチェリーにはいました」や、「全員が同じ方向を向くのが美しいので…」、「左打ちが混じると向かい合ったりしてやりづらいと思う」などといった回答があって混乱しています。

 もっとも最近は、公共の弓道場が増えて、そこでは普通神棚を置いたりすることはないので、これもまた日本の歴史的な文化を背景にした真の理由が忘れられかけているような気がします。もしかしたら指導者の人たちも解らなくなっているのかも知れません。

 利き手の文化論というのも面白いですね。 

コメント
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