北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

アカウンタビリティの意味

2009-01-12 23:55:58 | Weblog
 今日は都内でちょっとした勉強会に参加してきました。

 話題は建設技術に関することだったのですが、その会話の中で「アカウンタビリティとは何か」ということが話題になり、今まで余り深く考えたことがなかったのですが、重要なことに気づかされたのです。

 アカウンタビリティというと、最近は官庁や企業でも「事業や方針の説明責任」という意味で良く使われます。「役所にはアカウンタビリティがあるから、ちゃんと住民によく説明をする責任がある」などという文章を見かけます。

 その場ではメインスピーカーからある人が指さされて、「はい、あなた、アカウンタビリティとはどういうことですか?」と訊かれて、やはり上記のような答えをしていました。

 するとメインスピーカーは「アカウンタビリティを単なる説明責任と訳し、説明する責任とだけ理解しているのは失敗ですよ」と、やや不満げに言いました。

「いいですか、食品会社が腐った食べ物を出荷してしまったとしましょう。当然それがばれて世間の批判を受ける。アカウンタビリティの立場から、テレビの向こうで謝っているのは誰ですか?社長ですか?副社長?品質担当部長?それとも広報担当者ですか?」
「…」

「アカウンタビリティの立場から、と言うのであれば説明責任者ということになりますが、それは説明を仕事にしている責任者と言うことではありませんよ。そんなものを出荷してはダメだ、と気づいた時に『出荷を止めろ!』と言って『出荷を止める権限を有している人』こそが説明責任者なのです。責任には権限が付与されているからこそ責任が伴うのです。ここを実に多くの人が勘違いしています。説明して謝るべきは誰か、という視点が欠けていることが余りにも多いのです!」

    ※    ※    ※    ※ 

家に帰ってきてから早速、Wikipediaで『アカウンタビリティ』を調べてみました。すると『説明責任』という項目があらわれて、書きのような説明が書かれていました。

    ※    ※ 【以下引用】 ※    ※
 説明責任(せつめいせきにん、アカウンタビリティー(Accountability) の日本語訳)とは、政府・企業・団体などの社会に影響力を及ぼす組織で権限を行使する者が、株主や従業員(従業者)といった直接的関係をもつ者だけでなく、消費者、取引業者、銀行、地域住民など、間接的関わりをもつすべての人・組織(ステークホルダー:stakeholder、利害関係者)にその活動や権限行使の予定、内容、結果等の報告をする必要があるとする考えをいう。

    ※    ※ 【引用おわり】 ※    ※

 なるほど、確かに二行目に『権限を行使する者が』としっかりと書かれています。しかし通常は、官庁などが説明をする時も専門の広報担当者がいたりして、本当に権限を行使することで責任を有している人が説明をしている例は少ないように思います。

 責任は権限があるからこそついてくる。軽く考えていた私には目からウロコでした。

 これからはアカウンタビリティという言葉は慎重に使おうと思います。


 ※渋谷の道玄坂 今日は祭日なので日の丸が掲げられていました。

コメント
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