北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

中川町の茂吉ロード

2006-09-17 23:45:16 | Weblog
 中川町キャンプの2日目。さすがに夕べは冷え込んで、シュラフの中で震えていました。う~寒かった~。 

【中川町の茂吉ロード】
 今日も快晴で絶好のキャンプ日和。天候に恵まれた二日間で良かった。

 中川町の朝は、地元の絞りたて牛乳のサービスから。絞りたての牛乳はそのままでは飲めないので、一度湧かしてから振る舞われます。

 鍋一杯の牛乳だったのですが、これも飲んでも飲んでも減りません。人間が一度に消費出来る食物なんて量が知れているんですね。

 北海道農業も生食を頼りにしているようでは駄目で、保存食に転換して付加価値をつけることを目指さなければ、ただ買いたたかれてしまうのです。

 牛乳を飲みながら、今回の企画に加わっていた不思議な企画人のKさんに「この牛乳もチーズにすると付加価値がつくように思うのですが」と話しかけました。するとKさんは、「もちろんそうです。でもね、牛乳をチーズにする菌も特許の世界で、結局は外国に買い求めないと行けないんです」

「むむむ、なるほど」
「でもね」とKさん。「今、外国特許にかからなくてそれでいてちゃんと牛乳をチーズにする事が出来るある物質を研究中ですから楽しみにしていてください」

 Kさんは、こうした不思議な嗅覚でアイディアをあちらこちらに振りまいているのです。

「アスパラなんか、長さを揃えるのに裁ち落とした後の半端な部分を使えずに悩んでいるんですよ」とKさん。
「なるほど、それが売れれば少しは収入になりますね」

「これをフリーズドライで粉末にすると、パンや麺など粉ものに混ぜる事が出来て付加価値がぐんと増すというものです」
「それをやっているのですか?」

「ところがこのフリーズドライにする機械というのがまともに注文すると億単位の値段がかかって、とっても商売にならないんです」
「うーん、残念」

「でもね、それを今度は普段真空を扱っている宇宙技術とドッキングさせると、実に安価に出来そうだ、ということになって、いま道内のある企業と研究中なんです」
「農業と宇宙技術ですか。それぞれ単独のプロなら思いつかないし提携など出来そうもない組み合わせですね。そういうところにこそKさんの存在価値があるというわけですね」

 宇宙技術が北海道農業を助ける日が近いかも知れません。徹底した専門性と徹底して幅の広い視野。この組み合わせが大事なのですね。

    *   *   *   * 

 朝食後は歌人斎藤茂吉が昭和7年に中川町を訪ねたという史実を追いかけて、当時通ったであろう山道を歩いてみる「茂吉ロード探訪」に参加しました。

 斎藤茂吉は、昭和3年北海道各地に補助住民が入ったときに制定された拓殖医としてこの地に勤務していた兄を訪ねて昭和7年の8月に五日間滞在しているのだそうです。

 茂吉は医師である兄の家を訪ねたところ、診療台として地元の住民が置いていった大きなアンモナイトに驚愕した、という記録があるそうです。


  この谷の奥より穫りしアンモナイト貝の化石を兄は呉れたり


 茂吉はこのときの情景をこのように詠んでいます。昭和7年の北海道に思いを馳せながら茂吉ロードを歩きました。

 私の目についたのはラクヨウきのこばかりでしたがね…。

    *   *   *   * 

 昼に中川町のイベントを終えて帰宅の途につきました。途中、美瑛に立ち寄って新しい物産館の「丘のくら」を見学。本格的な石窯の窯焼きピザが美味しそうです。

 その後は富良野に立ち寄って、倉本聡さん脚本のテレビドラマの舞台になった喫茶店「森の時計」へ行ってみました。

 もう夜7時近いのに、席が空くのを待っているお客さんがずらりと並んでいて、入るのを諦めました。

 そのかわりにすぐ近くにあるソウ’ズ・バーで食事をしてきました。案外こちらの方が穴場かも。もちろん飲酒運転などはしていませんよ。

 ニングルテラスという面白いコンセプトのお土産売り場も楽しく見学出来ました。

 今日も盛りだくさんな一日。2日で往復700kmは結構な旅ですわ。 
コメント (4)
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