5月28日、鎌倉市で講演を行った。北朝鮮を中心とした国際情勢、国防に関する国民の意識の変化、憲法改正に向けた最近の動向等について語った。講演の概要を掲載する。
1.緊迫する朝鮮半島情勢
日本国憲法施行から70年を経た現在、わが国は、戦後最大の危機にある。まず国際情勢に目を向けると、環境の厳しさは一段と増している。
本年1月に米国でトランプ政権が誕生した。トランプ大統領は、北朝鮮が核兵器の小型化を進め、また米本土に届くICBMを完成させることに、強い危機感を持っている。オバマ政権が取っていた「戦略的忍耐」の方針を否定し、あらゆる選択肢を検討するという姿勢に転換した。
北朝鮮は4月15日に、金日成生誕105年祭に当たり、核実験を行うことが懸念された。米国は、北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射をする場合は軍事行動を辞さないという強い姿勢を示した。空母カール・ビンソンを中心とする第1打撃群を朝鮮半島近海に移動させて、北朝鮮と中国に圧力をかけた。米国は、北朝鮮の行動によっては、核ミサイル関連施設への攻撃や金正恩ら指導部の一掃を図る「斬首作戦」等を行うことが検討されている。戦争になれば、日本への影響が想定され、緊張が高まった。
4月29日ティラーソン米国務長官が国連安保理閣僚級会合で、事態の深刻さに危機感を示し、「北朝鮮の東京、ソウルへの核攻撃に現実味がある」と発言した。中国の王毅外相は「予期できないことがかなりの確率で起こるだろう」として、対話による対応が必要と述べた。中国が米国の要請に応えて石油の輸出禁止や外貨取引の停止をすれば、北は窮地に陥る。だが、体制維持のため暴発の恐れがあり、中国は慎重である。ロシアが石油を送るなどでして北を自国に引き寄せる可能性もある。各国の利害と思惑が複雑に絡み合って、意思統一が困難な状態と見られる。
一方、北朝鮮の核・ミサイル開発は、確実に進んでいる。発射準備に時間がかからない固体燃料、どこからでも打てる移動式発射装置、海中から打てるSLBM等の技術を取得している。5月14日早朝に発射した弾道ミサイル「火星12」は、高高度から落とすので迎撃の難しいロフテッド軌道の技術を試したもの、21日夕方の「北極星2」は空中で点火するコールド・ローンチ方式を試したものとみられる。ICBMは、完成時期に近づいている。早ければ年内にも完成すると見られる。
わが国は、現在の迎撃システムの能力では、もし北朝鮮から核搭載のミサイルを一か所に向けて同時に数発撃たれた場合、完全な防御はできない。また、安倍首相が4月に明言したことだが、ミサイルにサリンを搭載する可能性もある。北朝鮮は、金日成時代から世界有数の毒ガス保有国であり、現在はサリンやVXを2500~5000トン持っていると見られる。最大限の警戒が必要であるとともに、北朝鮮の攻撃を防ぎ、日本を守る体制をしっかり作り上げなければならない。
北朝鮮に対応するには日本・米国・韓国がしっかり連携することが必要だが、問題は韓国である。朴槿恵大統領が大スキャンダルを起こし、大統領を罷免された。北朝鮮の工作のもと、韓国の親北勢力が民衆を扇動して、この状況を生み出した。5月9日に行われた大統領選挙で、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)が当選した。親北左派で反日反米の過激な発言を繰り返している人物である。文政権のもとで韓国が大きく北朝鮮寄りになる恐れがある。また、慰安婦合意が白紙にされるなど、日韓関係の悪化も懸念される。
中国による尖閣諸島周辺の領海侵犯はいっそうエスカレートしており、こちらも油断できない。
わが国は、戦後最大の危機に直面している。国家の再建を急ぎ、この困難を乗り切らねばならない。
2.国内では国会が空転
ところが、こうした重大危機にありながら、今年に入って国会では、森友学園の件が大問題になった。国家の根本に関わることを議論しなければならない時に、民進党等の野党はこの問題で、政府の批判・攻撃に終始した。1か月以上、国会が空転した。
その際、マスメディアの多くは、森友学園の幼稚園で教育勅語を教えていることを取り上げ、戦前の教育理念を誹謗するような報道を繰り返した。だが、教育勅語は、明治23年に明治天皇より賜ったお言葉であり、日本人に伝わってきた生き方と教育の理念が説かれている。伝統的な日本精神を最もよく表しているものの一つである。戦後、教育勅語が国会で排除・失効の決議がされ、勅語のもとに教えられていた修身をなくした。教育の立て直しには、教育勅語を復権する必要がある。
ところで、平成33年度から実施される新学習指導要領は、保健体育で、武道の例として9種目を挙げ、柔道・剣道等とともに「銃剣道」を記載した。銃剣道は、戦前軍事教練で教えられたが、戦後はスポーツとして復活した。日本武道協議会に加盟する武道の一つであり、国体競技種目にもなっている。軍国主義の復活などとする批判は当たらない。
教育勅語や日本の伝統文化を否定する左翼や偏向したマスメディアが、日本精神の復興を妨げている。
次回に続く。
1.緊迫する朝鮮半島情勢
日本国憲法施行から70年を経た現在、わが国は、戦後最大の危機にある。まず国際情勢に目を向けると、環境の厳しさは一段と増している。
本年1月に米国でトランプ政権が誕生した。トランプ大統領は、北朝鮮が核兵器の小型化を進め、また米本土に届くICBMを完成させることに、強い危機感を持っている。オバマ政権が取っていた「戦略的忍耐」の方針を否定し、あらゆる選択肢を検討するという姿勢に転換した。
北朝鮮は4月15日に、金日成生誕105年祭に当たり、核実験を行うことが懸念された。米国は、北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射をする場合は軍事行動を辞さないという強い姿勢を示した。空母カール・ビンソンを中心とする第1打撃群を朝鮮半島近海に移動させて、北朝鮮と中国に圧力をかけた。米国は、北朝鮮の行動によっては、核ミサイル関連施設への攻撃や金正恩ら指導部の一掃を図る「斬首作戦」等を行うことが検討されている。戦争になれば、日本への影響が想定され、緊張が高まった。
4月29日ティラーソン米国務長官が国連安保理閣僚級会合で、事態の深刻さに危機感を示し、「北朝鮮の東京、ソウルへの核攻撃に現実味がある」と発言した。中国の王毅外相は「予期できないことがかなりの確率で起こるだろう」として、対話による対応が必要と述べた。中国が米国の要請に応えて石油の輸出禁止や外貨取引の停止をすれば、北は窮地に陥る。だが、体制維持のため暴発の恐れがあり、中国は慎重である。ロシアが石油を送るなどでして北を自国に引き寄せる可能性もある。各国の利害と思惑が複雑に絡み合って、意思統一が困難な状態と見られる。
一方、北朝鮮の核・ミサイル開発は、確実に進んでいる。発射準備に時間がかからない固体燃料、どこからでも打てる移動式発射装置、海中から打てるSLBM等の技術を取得している。5月14日早朝に発射した弾道ミサイル「火星12」は、高高度から落とすので迎撃の難しいロフテッド軌道の技術を試したもの、21日夕方の「北極星2」は空中で点火するコールド・ローンチ方式を試したものとみられる。ICBMは、完成時期に近づいている。早ければ年内にも完成すると見られる。
わが国は、現在の迎撃システムの能力では、もし北朝鮮から核搭載のミサイルを一か所に向けて同時に数発撃たれた場合、完全な防御はできない。また、安倍首相が4月に明言したことだが、ミサイルにサリンを搭載する可能性もある。北朝鮮は、金日成時代から世界有数の毒ガス保有国であり、現在はサリンやVXを2500~5000トン持っていると見られる。最大限の警戒が必要であるとともに、北朝鮮の攻撃を防ぎ、日本を守る体制をしっかり作り上げなければならない。
北朝鮮に対応するには日本・米国・韓国がしっかり連携することが必要だが、問題は韓国である。朴槿恵大統領が大スキャンダルを起こし、大統領を罷免された。北朝鮮の工作のもと、韓国の親北勢力が民衆を扇動して、この状況を生み出した。5月9日に行われた大統領選挙で、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)が当選した。親北左派で反日反米の過激な発言を繰り返している人物である。文政権のもとで韓国が大きく北朝鮮寄りになる恐れがある。また、慰安婦合意が白紙にされるなど、日韓関係の悪化も懸念される。
中国による尖閣諸島周辺の領海侵犯はいっそうエスカレートしており、こちらも油断できない。
わが国は、戦後最大の危機に直面している。国家の再建を急ぎ、この困難を乗り切らねばならない。
2.国内では国会が空転
ところが、こうした重大危機にありながら、今年に入って国会では、森友学園の件が大問題になった。国家の根本に関わることを議論しなければならない時に、民進党等の野党はこの問題で、政府の批判・攻撃に終始した。1か月以上、国会が空転した。
その際、マスメディアの多くは、森友学園の幼稚園で教育勅語を教えていることを取り上げ、戦前の教育理念を誹謗するような報道を繰り返した。だが、教育勅語は、明治23年に明治天皇より賜ったお言葉であり、日本人に伝わってきた生き方と教育の理念が説かれている。伝統的な日本精神を最もよく表しているものの一つである。戦後、教育勅語が国会で排除・失効の決議がされ、勅語のもとに教えられていた修身をなくした。教育の立て直しには、教育勅語を復権する必要がある。
ところで、平成33年度から実施される新学習指導要領は、保健体育で、武道の例として9種目を挙げ、柔道・剣道等とともに「銃剣道」を記載した。銃剣道は、戦前軍事教練で教えられたが、戦後はスポーツとして復活した。日本武道協議会に加盟する武道の一つであり、国体競技種目にもなっている。軍国主義の復活などとする批判は当たらない。
教育勅語や日本の伝統文化を否定する左翼や偏向したマスメディアが、日本精神の復興を妨げている。
次回に続く。
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