ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

北海道が危ない2~外国人土地取得の規制を

2016-09-14 13:17:50 | 時事
 北海道への外国人土地取得は、勢いを増している。本年5月中旬、産経新聞は、宮本雅史記者による「北海道が危ない」というシリーズ記事を載せた。外国人土地取得の深刻さを伝える震撼すべき記事だった。宮本記者は、7月末にその続編を書いた。これもまたショッキングな内容だった。
http://www.sankei.com/premium/news/160509/prm1605090005-n1.html
http://www.sankei.com/premium/news/160729/prm1607290005-n1.html
 これらの記事は貴重な情報を満載している。そこで項目別に整理し、要点をまとめて資料化して置く。

1.概況
 
 北海道庁は平成24年4月、水源地を売買する際、事前届け出を求める水資源保全条例を施行した。この条例は外国資本による道内の水源地買収を監視するためのものである。水資源保全地域を指定し、同地域内にある土地を売却する場合は事前届出制にした。ただ、強制力はない。現在、58市町村169地域、11万9861ヘクタールが保全地域に指定されている。一方、外国資本の森林などの売買は規制がないため、道庁は22年度から独自に、外国資本が資本金の50%以上を占める企業についてはその動向を注視している。だが、中国と関係のある日本企業が買収しているケースや、中国企業が日本企業を買収し、そのまま所有権を引き継ぐケースもあり、実態把握が困難と伝えられる。
 記事は、条例施行から4年だったところで、道内の外国資本の動向を追ったものである。本稿は、記事の内容を、森林資源、農業資源、観光資源、居住地、商業施設、地方行政への影響、深刻化する現状に基づく将来予測という各項目に分けて整理する。

2.森林資源

 海外資本による北海道の森林買収は、平成27年12月末現在、26市町村で計1878ヘクタール(東京ドーム約400個分)。中国資本が明らかに多いという。道庁の調査で、道内に総計約4万ヘクタールの所有者不明の山林があることが判明した。
 元東京財団上席研究員の平野秀樹氏は、「日本の土地は『所有者絶対』の原則が貫かれているので、所在不明の主体に売ったが最後、糸の切れたたこのように浮遊し続ける土地が続出してしまう。国家の主権そのものが脅かされ、モラルハザードが当たり前の社会に成り下がってしまうかもしれない」と警告する。

3.農業資源

 帯広市拓成町では、中国生まれで「反天皇」の農場主が170haを取得し、朝鮮総連議長らが訪問している。
 この農場経営者は、地元財界の有力者。「これまでに170ヘクタールを買収し、最終的には400~500ヘクタールまで広げ、バンガローも年内には7棟建てる。いずれはヘリポートの建設も予定している」と語る。昨年10月31日、この農場に朝鮮総連の許宗萬議長や議長補佐、朝鮮大学校長、同大教授、それに横浜中華街華僑連合会長らが訪れた。
 この経営者は中国・済南生まれで、天皇陛下をののしり、政府の農業政策を批判し、「有機農法を勉強したいのなら、中国人にもただで教える。北朝鮮も中国もロシアも関係ない」と強調する。
 長年にわたり中国資本による道内での不動産買収を注視している前道議の小野寺秀氏は、「中国資本はこれまでは建物や部屋、土地の一部などを買っていたが、最近は集落単位で買っている。自己完結的に生活できるようなものを買おうとしているのではないか」という。
 農場には「縄文ロード 帯広市拓成町~静内町農屋 延長55km」の看板が設置されている。山が削り取られ、広範囲にわたって整地され、一つの集落のようになっている。コンクリート製の電柱が増え、大量の電気が使われている様子であり、相当数の車が出入りしている形跡もあるという。
 日高山脈を隔てて拓成町に隣接する平取町豊糠地区では、平成23年に人里離れた山間の集落が、中国と関係の深い農業法人に、ほぼ「村ごと」買収された。買収した農業法人は、業務用スーパーを全国にフランチャイズ展開するA社の子会社。農地123万3754平方メートルが買収され、原野や山林を含めるともっと増える。
 A社は、中国に子会社があり、中国との関係が深いとされる。「買収後、中国の領事館ナンバーの茶色いバンが、豊糠地区内を走っているのを複数の住民が複数回見た」との証言もある。一部住民の間では「地目を変更すれば、住宅や工場を建てられる。農地を荒れ地にしておいて、『雑種地』に地目変更するつもりではないか。変更すれば、誰でも自由に買えるようになる」という憶測が出ている。また中国事情通は「中国人からすると、将来的には日本人と結婚をして中国人の血が流れている子孫を増やすという大きな狙いがある。そのためにはまず、地域に拠点を作ることが優先される」と語っている。人里離れた袋小路状態の集落ゆえ、「中国人を中心とした閉鎖的な集落ができるのでは」と不安が広がっている。
 日高山脈・十勝幌尻岳の山麓にあるポロシリ自然公園の隣の山間に「帯広南の丘 スイス牧場」という看板が立っている。森林に覆われ、牧場には見えないが、建物が数軒、木々に埋もれるように建っている。入り口とおぼしき林道には車が出入りした形跡はあるが、柵が設置され、「私有地につき立ち入り禁止」の看板が立っている。地元住民は「ほとんどの住民は存在すら知らない。所有者も全く分からない」と語り。帯広市農政課と管轄の川西農協も「名前を聞いたことはないし、全く把握していない」という。
 「場所は分からないが、中国人が牧場を丸々買ったという話を聞いた」という証言をする住民がいる。「山の奥に行くと、家はないはずなのに、いろいろな家が建っていて、だれが住んでいるのだろうと驚くことがある。『あの人は日本人?』という感じの人もいる。でも、だれが住んでいるのか、どういうルートで売買されたのか全然分からない」という証言もある。

 次回に続く。