ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

外国人参政権付与と地域主権1

2009-09-18 20:36:24 | 時事
●民主党は主権の分散・分譲を企図

 民主党は、永住外国人への地方参政権付与を早期に進めようとしている。民主党はまた地域主権の実現を推進しようとしている。永住外国人への地方参政権付与と地域主権の実現が合体すると、劇的な効果を生むと私は考える。
 永住外国人への地方参政権付与と地域主権の実現は、ともにわが国の主権を本質から変えるようとする政策である。
 参政権は、憲法に定められた「国民固有の権利」であり、国民とは日本国籍を持つ者のことである。永住外国人に対し、外国籍のまま地方参政権を付与することは、国民の権利を外国人に分与することであり、国民固有の権利であることの否定である。
 民主党の地域主権という概念は、地方分権を徹底し、主権の所在を中央から諸地域に移転しようとする思想である。地域主権は、参政権を持つ者が国民のみであれば、国民の間で地方分権を極度に推し進めたものとなる。これは主権の分散である。
 しかし、永住外国人に地方参政権を付与しながら地域主権を推進したならば、地方自治体の政治は外国籍の有権者の意思によって、大きく左右されるようになる。これは主権の分譲である。
 主権の分散と分譲は、わが国の国家としてのあり方を、劇的に変えることになる。日本の分解と分裂が起こる。わが国が周辺諸国に浸潤され、国内各地に外国籍の有権者があふれ、やがては中国に併呑され、日本のシナ化が進むだろう。

●参政権は「国民固有の権利」

 現行憲法には、参政権は「国民固有の権利」と明記されている。第15条「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と。ここにいう公務員とは、国会議員や地方自治体の首長・議員等が含まれる。また、地方参政権に関しては、第93条「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」とあるが、この「住民」は、「国民」であることを前提としている。このことは、最高裁判決(平成7年2月28日)も認めており、「憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばない」としている。
 「国民」とは、日本国籍を持つ者のことである。日本国籍のない者は、「国民」ではない。故に、外国籍の人間に参政権を与えることは、明白な憲法違反であると私は考える。
 国籍とは、自分が帰属する国家と共に生き、国家と運命をともにするという意思の表れである。多くの国では、自国の国籍を持つ者、すなわち国民に国家に対する忠誠義務と国防の義務を課している。また、国家反逆罪等を設け、いったん国籍をとった外国人が国を裏切らないように縛りをかけてもいる。万が一、戦争となったときは、国民は、自国の一員として生命を投げ出して戦い、国家を守る義務を負うのが、近代国民国家の普通のあり方である。
 それゆえ、参政権とは国家と運命をともにする覚悟のある者が、国家の運命の決定に参与する資格なのである。国の運命を自分の参政権の行使によって決定していくのが、国民の役割であり、使命である。
 国民の権利と義務は本来、表裏をなすものであり、参政権と、国防・国家忠誠の義務は一体のものである。ところが、現行の日本国憲法は、国民の権利を多く保障する反面、国民の義務は少なく、実質的に納税の義務しかない。このように権利と義務がアンバランスな関係にあるため、国民の間に国民の意識が薄いのが、戦後のわが国の状態である。この関係を是正しないまま、外国籍の人間に参政権を与えることは、一層、国民の意識を希薄にすることになる。

●帰化による国籍取得、在日特権廃止、二重国籍不許可が妥当

 私は外国人に外国籍のまま、わが国の参政権を与えてはいけないと考える。参政権を得たい外国人は、日本に帰化するとよい。帰化すれば、日本国民の権利として参政権を得ることができる。
 特別永住者については、帰化がしやすいように、特例的に手続の簡略化・迅速化をするのがよいと思う。帰化を望まない人には、帰国の道もあるから、一定の期間を決めて、どちらかを選択してもらう。その後、入管特例法を改正して「特別永住者」の制度を廃止する。帰化によって日本国籍を取得したコリア系日本人は、基本的に日本国民と同じ権利に限定する。参政権は与えるが、各種の特権、いわゆる在日特権は廃止する。引き続き外国籍のままで日本に在留したい人は、一般永住者の地位で居住を許可する。このようにするのがよいと思う。
 私は、外国人への二重国籍許可には反対する。外国籍を持ったまま、日本国籍も与えるとすれば、その人は、二つの国家に帰属することになる。この場合、わが国がその国と戦争になったら、二重国籍者は相手国を利する行為を行なう可能性があるから、国家安全保障上、二重国籍を認めるべきでない。また、国益に係る重大な問題が生じた場合、二重国籍者はもう一つの祖国の利益のために、行動する可能性があるから、国益上、二重国籍を認めるべきでない。
 とりわけわが国は、現状、憲法に国民に国防の義務がなく、国家忠誠の義務もまた憲法に規定されていない。また刑法は外患援助罪のうち、第83条から89条の通謀利敵に関する条項が、敗戦後GHQにより削除されたままである。このような状態で、外国人に地方参政権を付与し、二重国籍を認めることは、危機管理上、危険である。

 次回に続く。

関連掲示
・外国参政権問題については、拙稿「外国人参政権より、日本国籍取得を」にて在日特権の問題と絡めて論じている。ご参照下さい。
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion03f.htm