ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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教員免許更新制度廃止の動き1

2009-09-13 14:16:38 | 時事
 今回の衆議院議員総選挙で、わが国の国民の多数は、失政・失策の続く自公連立政権に厳しい評価を下し、民主党への政権交代を求めた。民主党は「国民の生活が第一」というスローガンを掲げ、官僚主導の政治から政治家主導への転換を国民に訴えた。
 政治が官僚依存体質から脱却することは、急務である。政治家と官僚の癒着、不透明な特別会計、税金の無駄遣い、天下り・渡りの横行等は、ぜひ改めてもらいたい。ただし、民主党が厳しく批判するのは、霞ヶ関の中央官僚が対象であって、地方公務員には甘い。中央官僚だけでなく地方官僚も含めて、大胆な改革をするのでなければ、真の公務員制度改革とはいえないと私は思う。

 民主党の支持団体には、労働組合が多い。労働組合出身の政治家も、民主党には多い。政府が労働組合の主張・要望に左右されるならば、民主党の政治は、官僚政治から組合政治への転換にすぎないものとなるだろう。
 特に問題なのは、教育公務員である。民主党の支持団体に、日教組がある。民主党は、日教組の教育政策を、ほとんど受け入れて、党の政策としている。その政策の一つが、教員免許更新制度の廃止である。教員免許更新制度は、指導力不足の教員が増えているので、教員の質的向上を図るために導入された制度である。今年の4月に施行されたばかりだが、日教組は強く反発している。教員免許という教職員にとって、最大の既得権益が侵されるからである。
 民主党の輿石東(こしいし・あずま)参議院議員は、先ごろ教員免許更新制度を廃止に向け、国会に教育職員免許法改正案を提出する考えを明らかにしたという。輿石氏は、日教組出身の政治家である。民主党の参議院議員会長であり、党の代表代行である。そういう立場にいる政治家が、教育公務員の利益を代表して政治に反映させようとしているところに、民主党の大きな問題の一つがある。

 教育は「国家百年の計」という。国家を担う次世代を育成することは、政府の大切な役割である。これを怠った国は、必ず衰退する。そういう重要な教育に関する政策を、民主党は、日教組の政策をもって、党の政策としている。これは、政権政党として失格である。政治家主導と国民に約束しながら、実際は地方公務員である教職員の意思に従っているようでは、本末転倒である。公務員制度改革を謳うのであれば、霞ヶ関の中央官僚だけではなく、教育公務員に対しても、厳しく改革を進めなければならない。

 以下は、関連記事のクリップ。

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●産経新聞 平成21年9月13日号

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090912/stt0909122355017-n1.htm
教員免許の更新制度廃止へ 民主・輿石氏が明言
2009.9.12 23:51

 民主党の輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長兼代表代行は12日、甲府市内で記者会見し、今年4月に導入された教員免許更新制度の廃止に向け、来年の通常国会にも教育職員免許法改正案を提出する考えを示した。教員免許更新制度は安倍晋三内閣が教育再生の目玉として導入を決めたが、民主党の有力支援団体である日本教職員組合(日教組)が強く廃止を求めてきた。政権交代により教育改革路線は一気に後退する公算が大きい。
 輿石氏は元山梨県教組委員長で、日教組の政治団体「日本民主教育政治連盟」会長を務める。小沢一郎代表代行と太いパイプを持ち、「参院民主党のドン」といわれる。
 輿石氏は「教員免許更新制は変えなければならない。できるだけ早くやる方向になる」と明言、来年の通常国会での改正案提出についても「当然あり得る」と述べた。平成23年度から免許更新制を廃止することにも「間に合えばそうする」と前向きな考えを示した。
 指導力不足の教員排除を可能とする改正教育職員免許法は19年6月に成立。教員は10年ごとに計30時間以上の講習を受け、認定試験で不合格となれば、2年以内に再試験で合格しない限り、教員免許が失効する。
 民主党は衆院選マニフェストに「教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す」と明記。社民党も「免許更新制を廃止」を掲げてきた。(略)
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