ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

脱少子化は命と心の復活から1

2007-07-13 09:58:24 | 日本精神
 7月8日、東京深川で行なわれた「脱少子化フォーラム2007~産む喜びを」に、私はパネリストとして参加した。この会に臨むに当たって、自分の考えを整理して書きまとめた。パネルで話せることは、この数分の1に過ぎないので、以下にこのノートを掲載して、脱少子化を考えていただくための参考に供したい。

1.前置き

●日本精神復興促進運動本部とは

 日本精神復興促進運動は、大塚寛一先生が提唱した運動である。大塚先生は、日本の文化や伝統には、非常に優れたものがあると説いている。日本人は、人と人が調和し、人と自然が調和して生きる生き方を心がけてきた。そうして生きていた日本人が先祖代々受け継いできた心を、大塚先生は日本精神と呼んでいる。
 ところが、日本人はその大切な日本精神を失ってきている。そこに、今日の社会の問題(健康・家庭・教育・社会・国家等)の大きな原因がある。そして、日本の再建のため、「日本人は日本精神に帰れ」と大塚先生は訴えておられる。
http://www.nsfs.jp/

●本フォーラムを後援する理由

 大塚先生は、宇宙にはすべてのものを貫く法則がある、その自然の法則に沿って生きると、健康で幸福に生きられるということを説いている。お産にしても、自然で楽なお産で健康な子が授かるという。
 もともと人間のお産は、動物と同じように楽だった。ところが、お産というと長時間陣痛で苦しむものという既成観念がつくられ、お産は女性の大厄とも言われるようになった。これは本来の姿とは違う。本来の人間の体には、自然なお産で楽に子供を生めるような働きが備わっている。その働きにそっていけば、自然分娩で健康な子供を授かることができる。そういう自然にそった生き方、考え方を、お産という場面でも大切にしていただきたいと思う。

 「助産婦石村」は、自然分娩で、また家庭出産をしたいという人々のお産を取り扱っている。またそこで出産された方々が、自然分娩で、家族が支えるお産を通じて、少子化というわが国の社会問題について考えている。そこでその趣旨に賛同し、日本精神復興促進運動本部は、本フォーラムを後援している。
http://www.josanpu-ishimura.com/

●我が家の体験

 私は、子供が二人いる。妻の出産の時、二度とも立会った。ともに助産院でのお産で、家庭出産ではない。二度とも短時間で楽な自然分娩のお産だった。

 一度目のお産は、ちょうど私の休みの日だった。妻と二人で助産院に行った。産むのは、妻である。男は、何もすることができない。祈るしかない。妻と二人で祈った。妻は、陣痛で苦しむことなく、助産院の先生から、「静かですね。普通はこんな風にしていられないのですよ」「よくここまでコントロールできますね」などと言われた。妻はいろいろ姿勢を変え、最後は、私が分娩台の端に座り、妻は私の肩に身をもたげ、ひざ立ちで産んだ。
 私は父親として、生まれた我が子のへその緒を切らせてもらった。今もそのときの光景がよみがえる。生命の誕生に感動した。それは、自分の命を受けた子供の誕生への感動でもあった。
 出産後、妻はすぐ分娩台から立って、別の部屋に移動した。先生から、「お産の後じゃないみたいですね」と言われた。

 二度目の時は、別の助産院だった。妻が産気づいたのは、早朝だった。その日は、特に仕事の予定がなく、休みにしてもらった。このときは、産婆さんのやり方が違い、私は妻に精神的に協力する形だった。産婆さんが妻の体をさすっている間、私は産婆さんといろいろな話をした。妻は、まったく痛がることがなく、声一つ出さずに、二度の息みで、子供は産まれた。
 産婆さんに取り上げられた我が子の姿が、まぶしく感じた。産婆さんが。「この子は、元気はつらつだね!」と言ったのが、うれしかった。義母に連れられて入室した上の子が、「赤ちゃん! 赤ちゃん!」と言って喜んだ。
 この時も妻は、すぐ別の部屋に移った。生まれたばかりの子が、手足を高く上げて、大きな声で鳴き続けた。産婆さんがそれを見て、また「元気はつらつだね!」と言った。

 妻は、二度とも産後の肥立ちもよく、完全母乳で二人の子を育てた。子供は、夜泣きをせず、私は睡眠を妨げられて困ったことがない。幸い子どもたちは、二人とも健やかに成長している。
 妻が妊娠してから、自分は、お腹の子供に声をかけたり、歌を歌ったり、テープを作って音楽を聞かせたりした。子供が誕生すると、父親としての役割や責任は、もっとはるかに大きく、重いものだということを実感するようになった。上記のような立会い出産を経験できたことが、その思いを強くしていると思っている。

 私は結婚する前から、足掛け10年ほど、民間の日曜学校のようなところで、小中学生の担当をした。子育てに関わることの大切さ、子供に接する楽しさを感じ、子供にものを教えることを通じて、子供から教えられることによって、自分の性格や考え方がずいぶん変わった。父母の方々と接し、一緒に子育てにかかわることで、人生の先輩からいろいろ学ばせてもらった。
 自分に子供が生まれてからは、それまでこうした活動を通じて抱いていた思いが、格段と深くなった。今日、しつけや家庭教育のことなど、教育や社会問題等に関して、ネット上で発言したり講演したりしているのは、こうした体験に裏付けられてのものである。

 次回に続く。