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「秘密探偵JA-ジェイエー-」-ミサイル事件の巻-

 望月三起也氏の初期の代表作の一つ「秘密探偵JA-ジェイエー-」は、少年画報社の児童漫画雑誌「週刊少年キング」の60年代、1964年から68年まで長期連載されたスパイ·アクション巨編です。

 後に、少年画報社の新書判ヒット(キング)コミックスで全15巻で刊行されました。最初に第1巻が刊行されたのは1967年みたいですね。僕が全15巻を続けて完読したのは1970年頃ですね。後々、文庫本にもなってますので90年代頃、何巻か文庫で読み直しています。

 ここで紹介するエピソード「ミサイル事件の巻」は、僕の少年時代の記憶だとコミックスの第15巻、最終話だと思ってたんですが、これは記憶違いだったようで、どーもコミックス第10巻あたりに収録されたエピソードみたいですね。

 新書判コミックス単行本収録では、キング連載の1エピソードがだいたいコミックス1冊に収まっていたようです。だから「ミサイル事件の巻」は大長編連載漫画「秘密探偵JA」のお話の第10作目あたりかな。

 東京の下町で4本に見えたり3本に見えたり1本に見えたりする煙突が、あるとき1本も見えなくなり、子供に気付かされた下町のオヤジが“幽霊煙突”だと大騒ぎして、警察に通報するが相手にされない。

 この物語導入部のエピソードは、実際に東京·足立区に昔存在してた東京電力千住火力発電所の、眺める角度によって本数が違って見える、4本の煙突、通称“お化け煙突”に絡めたものですね。

 それで、この“お化け煙突”のエピソードの際に、この会話をする下町のオヤジと子供は、漫画家·水島新司さんの絵柄で、オヤジの方の絵は水島新司さんが自分の漫画の中で描く自身の漫画キャラクターそのものの絵ですね。水島新司さんはこの時代の、週刊少年キングに「下町のサムライ」など幾つもの作品を続けて連載してましたからね。

 望月三起也さんのオアソビかな。「ミサイル事件」に戻らないと。

 この話を警視総監から世間話の笑い話として聞いた、大佐と呼ばれるJ機関大幹部は、その煙突の立つ地域を部下に調査させた。

 4本の煙突の立つ場所は工場跡で、現在は米軍の管理地域となっていて、日本人が調査に入ることができない。米軍基地の一部といってもこの工場跡は、研究所扱いの場所だった。

 J機関の、上空からの撮影やさまざまな調査で、この施設内で秘密裏にミサイルを製造していることが解り、“幽霊煙突”はミサイル発射台になっているということだった。4本の煙突が現れたり消えたりするのは、ミサイル発射台が地下に収められたり地上に出て来て発射台として機能したりしているということなのだ。ミサイル発射台が、何本か立つ工場煙突の一つとしてカムフラージュされている、ということだった。

 工場跡施設で製造されるミサイルには核弾頭が搭載されるらしい。

 J機関の大幹部·大佐から、特一級の超腕利きエージェント·飛鳥次郎に命令がくだった。J機関の用意した車輌やヘリコプターなどを使って、核弾頭を盗み出してミサイルを無効にしろ、という指令だった。

 この作戦のチーフとなる飛鳥次郎には、この作戦のために仲間が組織された。工場内に隠密裏に侵入して作戦を遂行する仲間は、ふだんは研究者や歯科医やコックやサーカス団員として普通に社会で生活しているが、ひとたび司令がくだればJ機関のエージェントとして任務にあたる要員だった。

 何かこういうのってちょっと、自衛隊の自衛隊退役後に予備隊員として、ふだんは自衛隊外で他の仕事に就いたりして普通に生活してるけど、自衛隊本部から要請があれば臨時自衛隊員として自衛隊の作戦に参加する、特別な役目の人たちに似てますね。こういうのを「予備自衛官制度」というらしいですね。この人たちにもときどき訓練があるらしい。

 一方、敵側、つまり日本国内で使用されてない工場跡の施設内で、密かにミサイルを製造し、それに核弾頭を取り付けようというぶっそう極まりないことをやっている組織の方には、凄腕の“スパイキャッチャー”という役目のチームがいて、その名も“ハンギングツリー”という。ハンギングツリーというのは訳すと、樹木の枝に首吊り死体をぶら下げる意味ですよね。抜け目のない残忍なスパイキャッチャー·チーム。

 敵側の監視を欺いてさまざまな方法で、まんまと施設内に潜り込んだ、飛鳥次郎らJ機関の工作員チーム。度々、正体がバレそうになって危機に陥りながらも何とか作戦を進めて行く。特にハンギングツリーの連中は作戦遂行の大きな障壁となるが、好運にも助けられながらも幾つかの危機を乗り越え、作戦のミサイルから核弾頭を取り外し、最終的には核弾頭そのものをヘリコプターで摘まみ上げ、施設外へ持ち出すことに成功する。

 敵組織はいわゆるテロリスト組織で、核弾頭搭載のミサイルを、当時の香港を出て日本の東京湾へと向かって来る、アメリカ第百艦隊という空母と軍艦の大規模艦隊チームに狙ってぶち当て、これを殲滅して、アメリカ国家に核攻撃したのは仮想敵国のソ連か中共と勘違いさせて、アメリカの報復核攻撃を誘導し、世界大戦争を起こして地球上を大混乱に陥れようと画策している。

 そもそも米軍が研究所として管理している、東京の閉鎖工場の跡地の施設を、いったいどうしてアメリカ大艦隊を爆破するために核ミサイルを製造する、テロリスト組織が使用しているのか??というのが、このお話の不思議なところなんですけど、このテロ組織の日本人幹部の大金持ちの大資産家があり余る金にものを言わせて、この米軍施設をのっとったと説明されています。何かあんまり釈然としない説明ですが、そこのところは詳しく説明されてない。

 この日本人大幹部の他に最後に顔を現す、本当の組織の大ボスが登場して、終盤クライマックス、核ミサイル発射ボタンを争って、主人公·飛鳥次郎と拳銃撃ち合ったり、工場内施設で互いに落下したりされたりしながらも格闘して、次郎はミサイル発射を阻止する。

 「秘密探偵JA」の主人公·飛鳥次郎の所属するJ機関の正式名称は、日本防衛組織で、日本国を狙う内外の暴力組織に対抗して日本に戦争など重大な被害が起きないように秘密裏に活動する防衛組織であり、諜報機関でもある。

 J機関の最高幹部は大佐と呼ばれる初老の男性で、映画·007シリーズのMにあたる存在。J機関の超腕利きのエースは3人しかいなく、その3人はJAと呼ばれ、主人公·飛鳥次郎はそのJAの1人。

 「秘密探偵JA」が週刊少年キングに連載された期間は1964年のキング第1号から1969年夏場の第34号までだそうです。僕の8歳から13歳時までですね。僕の小学生時代、小三頃から毎号続けて週刊少年マガジンを購読するようになり、週刊少年サンデーもまあま買って来て読んでたけど、週刊少年キングはときどきしか買って読んでなかったですね。僕の10歳頃から、当時住んでた家の近所の毎日通っていた貸本屋が、マガジン·サンデー·キングを取り扱って貸し出すようになり、一年間くらいはキングも毎号読んでたけど、僕の11歳当時の春、この貸本屋が閉店してしまった。

 少年時代、僕はマガジン·サンデー·キングの三週刊誌とも大好きだったけど、キングはあんまり読めなかったですね。週刊少年キングの当時の連載漫画陣の中でも「秘密探偵JA」は、8歳9歳当時の頭の悪いガキだった僕には、国際的なスパイ·アクション漫画は難しかったのか、そんなに熱中して読んだ漫画ではなかったですね。

 僕が中学三年生の後半くらいの頃だと思うけど、「秘密探偵JA」のヒット(キング)コミックス全15巻をぶっ続けて全巻読んで、このときは本当に面白く読みましたね。頭のデキの悪い少年の僕も14歳くらいになってたからお話の内容がよく解って面白かったのでしょう。

   

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 週刊少年キングも大好きな漫画雑誌だったので、小学生~中学生の間は読みたかったですねぇ。マガジン·サンデーはよく読んでたし、中一からは当時家が近所で同学年で小学生時代よく一緒に遊んでたF T君と、僕の毎号購読のマガジンとF T君が毎号購読のサンデーを毎週交換して読んでたので、週に二冊は毎号読めてたのですが、キングだけはなかなか読めなかった。キングは僕の小遣いに余裕のあるときだけ買って来て読んでました。

 マガジン·サンデーは毎週毎号読んでるからそうでもないけど、タマに小遣いの余裕があって買って来るキングには、何か愛着というのか特別な思い入れみたいなもんがあって、一冊を何度も読み返してましたねぇ。

 週刊少年キングを読んでたのは中学三年時までで、高校一年から先、雑誌·少年キングは一度も読んでないと思う。週刊少年キングは週刊雑誌としては1982年に終わるけど、だから僕は週刊少年キングは1971年頃から82年まで読まずに終わった。こういう言い方は悪いが、1970年以降はキングを購読するくらいならチャンピオンかジャンプを買ってただろうし。僕は18歳以降は少年雑誌は購読しなくなったしな。職場の休憩室とか喫茶店や食堂店舗に読み捨てたよーな少年漫画誌があれば、暇潰しにパラパラ見てたかも知れないけど。

 この僕のブログも60年代漫画の題材が多いのは、この人生思い返すに、自分の小学生時代が一番楽しかったなぁ、と思って、60年代漫画のことをブログ記事であれこれ書きながら、楽しかった子供時代を思い出して、何かうっとりしたようにノスタルジーにどっぷり浸かって楽しんでるからですね。

 随分歳喰って爺ィになってしまったから、はるか昔を思い出して、あの時代は楽しかったなぁ、とうっとり思ってるけど、本当はあの子供時代にも多分嫌なこともいっぱいあったんでしょうね。僕は先生に好かれたことないし、毎日毎日先生に頭殴られて怒られてたし。小学校一年当時は登校拒否児童だったし、本当は学校嫌いだったし。

 まるで勉強できなかったし勉強解らなかったし、ワルガキの方でワルガキ仲間もいっぱいいたし、劣等生だったし。駈けっこ遅かったしなぁ。でも学校にはクラスの友達も多くて休み時間や放課後、友達と遊ぶのが楽しかったなぁ。

 60年代漫画のブログ記事をかなりの本数書いて来て、思い出す漫画作品はまだまだあるんだけど、僕ももう自分自身の子供時代のエピソードがなくなっちゃった。だからここのブログもうやめます、という訳でもないんだけど、正直、このブログで書く自分のエピソードがなくなってしまった。枯渇。

 子供時代は何かホント充実して生きてたと思う。学校にはワルガキ仲間の友達がいっぱいいたし、家では毎日貸本屋通って月刊誌·週刊誌の漫画本購読して漫画浸けで、雑誌漫画や貸本漫画の真似して毎晩鉛筆殴り書き漫画描いてて、学校休みの日は近所の友達と遊んで、家の斜め前の邦画ロードショー館でしょっちゅう映画見て、家の前に隣接というかくっ着いてあった電力会社の事務所の若い社員の兄ちゃんたちにからかい半分、いろいろ話して貰って、空想の友達も何人かいたから独り言話して独り遊びして、モノクロテレビの仮面ヒーローに憧れて独り遊びで真似して、ああ~、子供の日々は本当にイロイロ楽しかったなぁ。

 中学生になるとこれが変わっちゃうんだけどね。中学生という少年時代はそんなに楽しかったなぁ、とは思わないな。小学生時代に比べるとどうしてか楽しさは相当減少した。小学生時代みたく、楽しかったなぁ、とは思い出さないな。自分も同級生のみんなも成長して少し大人に近付いたからかな。中学校一年になったら即何かクラブ活動や部活に入らなくちゃならなかったし。

 強制されるのが大嫌いな性格だったけど、運動部の部活なんて部の顧問や先輩の強制オンリーの世界じゃないですか。部活、嫌だったなぁ。やめたかったなぁ。運動するのはけっこう好きだったんだけど、あの命令されたり指示されるのが嫌で嫌で。先輩後輩の序列の絶対上下関係も嫌だったし。小さい頃から集団活動が嫌いで、だから部活とかクラス全員で一緒に何か活動するとかって嫌いだったなぁ。

 小学生の頃は人生バラ色に楽しかったけど、中学生になったらそんなに楽しくなくなった。頭の良い友達は学校の勉強に力入れ出すし、中間考査·期末考査って定期的な試験があって、友達はみんなマジで試験に臨み出すし。小学校のときみたく授業聞いてなくて教科書にラクガキして窓の外眺めて何か空想して、あ~休み時間が待ち遠しいなー、給食まだかなー、早く帰りたいなー、って気楽にできなくなった。

 って中学も勉強してないし授業もたいして聞いてなかったけど。比較的頭の良い子は中学になると学習塾に通い出し、勉強に力入れ出したな。勉強にマジになる子が多かった。

 だんだん大人になって行くにつれ、楽しくなくなって行った感じかな。高校生時代は最悪だったし。高校生時代はあんまり良い思い出がないなぁ。何となく高校生の頃を思い出すと気が重い。青春なんてとんでもない。10代末から20代というのは、それでも思い返せば楽しいこともあったと思うし、楽しいときも割りとあったように思う。

 まぁ、そういう訳で僕の人生、4、5歳くらいから12歳頃までが一番楽しかった。この時代に読んでた数多漫画群も忘れ得ない。あの時代に読んだ漫画は本当に楽しくて面白かった。

 だからブログに60年代漫画のことをいっぱい書く。70年代、80年代、90年代に読んだ漫画も面白い漫画はいっぱいあったから、それもタマにときどき書く。

 

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