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ゴーンに一撃を食らわせる法

2020年01月12日 | ニュース・コメント

  ゴーンが相変わらずマスコミを手玉に取りながら言いたい放題を言っています。彼の日産再生に対する貢献は非常に大きいものがあるのは認めるし、称賛もしましょう。しかし上場されている大企業である日産の私物化と私腹を肥やす違法行為は許せません。そこでこの強欲経営者に一撃を加えましょう。

   彼の今回の懇親会と称する記者会見の仕切り役は、フランスで一流のPR会社だったそうです。海外報道や一般人へのインタビューを見ていると、今回の勝敗は明らかにゴーンの勝ちです。100%ではないですが、80対20くらいでしょう。

   救いはレバノン国民の多くは意外にも反ゴーンだというところです。現在多くの国民は反政府デモを行っている最中で、デモの焦点は政府要人や金持ち財界人の腐敗です。経済的に困窮している国民の多くは腐敗した政治家と強欲な財界人によって自分たちが困窮していると非難しデモをしているのです。そしてゴーンもその一派とみなされており、デモ参加者から見れば非難の対象で、彼らへのインタビューでも反ゴーンの言葉が多く聞かれました。ベイルートは彼にとって決して安住の地とは言えないようです。現政権は彼の取り扱い方法を誤ると、転覆につながりかねません。

  ゴーン問題では国際的には分が悪い日本の検察です。国際的スタンダードと乖離していることは認め、改革の必要はあるでしょう。しかし私には逃げおおせたゴーンに対して一矢報いたいという思いがあります。そこで以下の提案をします。それは「公開質問状」です。

 

  彼は懇親会と称する会見で、自分に掛けられた容疑は濡れ衣だというだけで、具体的証拠は示せていません。そこでこうなったら日本の検察の有する証拠とともに罪状をすべて並べ立て、「反論してみろ」と公開質問状を世界に向けて発するのです。その場合、日本側の主張だけでは彼は相手にしない可能性があるので、世界の主だったマスコミを巻き込むべきでしょう。検察は自ら質問状は出せないでしょうから、日本のマスコミに世界のマスコミを加え連名で質問状を突き付けるのが効果的です。そこにヨルダンのマスコミが加わってくれればなおよし。

  質問の中身では、言い逃れが可能な質問はせず、明白に容疑を立証できるものだけにすべきでしょう。例えば、陰謀か否かなどというのはあいまいですので出さない。しかしカネの流れから証明できている以下の点などは有効打になるはずです。

 

・     すでに起訴されているゴーン夫人へのカネの流れ

・  個人で実行した為替のデリバティブ損失18億あまりを会社への付け替えた件

・     自分の息子の会社へ資金を流した件

・     今ベイルートで住んでいる家をはじめ日産名義の6軒、計60億円あまりの高級住宅やクルーザーを私物化している

などなど。その家に今居住しているとは、盗人猛々しいとはこのことです。

  逆に当初の容疑である収入の有価証券報告書への虚偽記載などは会社の行為であり言い逃れが可能なのでやめ、上記の個人の特別背任に焦点を合わせるべきでしょう。彼の悪党としての人間性を暴くほうが腐敗を糾弾しているヨルダン人には特に有効です。

  彼はトランプ同様自分は絶対に間違っていないと思っているサイコパス人間なので、自分にかけられた嫌疑の公開質問状に黙っていられないはずです。そしてこの公開質問状は、世界のマスコミが報道していない、あるいは知らない悪事を報道せざるを得ないようにする効果を持つはずです。

  厳密にいえば犯罪行為の挙証責任は検察側にあり犯人側にはありません。でもあの会見で反論したと自慢するゴーンへの有効なカウンターパンチにはなるでしょう。世界のマスコミが彼の犯罪の内容を詳しく知ることになり、これに反論できなかったり拒否すれば、矛先が日本からゴーンへと方向転換するきっかけにはなると私は思っています。

  この事件にはもう一人、ケリーという被告がいて、彼も自分への嫌疑はすべて否定し、検察と戦う意思を示しています。その裁判が控えているため、検察がゴーンの悪事の証拠をすべてマスコミに公開するのは難しいでしょうが、特別背任にあたるゴーン独自の悪事は、検察が思い切れば公開できないことはないと思われます。

  以上、ときどき出てくる私の「腹立ちまぎれ」でした。

林 敬一

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