ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

100万アクセス  達成です!

2014年12月15日 | お知らせ
おかげさまで100万アクセスを達成することができました。
とても嬉しく思っています。
これもひとえに皆様からのご支援があってこその達成です。
今週末は家内と美味しいものを食べにいくことになりました!

1口に100万アクセスと言っても、なかなか大変な数字だなと思っています。
このブログを始めたのが2011年3月22日。
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」を出版できたのが同年8月25日です。50万アクセスの達成は、実は今年の年初1月5日のことでした。そのことを1月7日のブログの冒頭に書いています。それまでに3年弱かかっていたのですが、なんと11か月後に2倍の100万アクセスとなりました。読者数、アクセス数とも加速度的に増加していて、そのスピードに正直驚いています。

出版が11年8月なのに、何故その前の3月に突然ブログを始めたのか?

はじめての出版をするため当然原稿書きが佳境に入っているハズの頃です。このエピソードは一、二度簡単に紹介させていただいたのですが、ご存知ない方のために再度紹介させていただきます。

理由は4月に出版予定だったのを取りやめたため、ぼーぜんとしながらブログを始めました。

出版取りやめは私が出版社の意向に対して「ノー」と言って拒否したためです。3月初旬、すでに最終稿の段階に入り締め切り寸前になっていた時、その出版社の編集長から内容の変更を強要されました。

出版がはじめての著者にとって編集長はいわば絶対権力者です。しかも相手はどなたもがご存知の大手出版社です。

どんな意見の相違があったのかと申しますと、アメリカ経済と財政に関する将来の見方が真っ向対立したのです。私はアメリカを楽観視していたのですが編集長は、

「いいか君、アメリカなんてこれから本格的大不況に入るんだよ。アメリカに関する楽観的な内容はすべて削除したまえ」

私「えっ、この本は債券投資の本でも内容的にはアメリカ国債以外は危険で話にならないということを書いている本ですよ。アメリカが大丈夫だというところを削除したら、何も残りませんが」

「いいんだ、その他に面白いところはあるから、黙って削れ」

「いいえ、絶対に削りません」

私はアメリカが今後いかに安全な投資先になっていくか、日米の現在と将来を数字で比較しながら説得しました。しかし編集長は「数字じゃない」と相手にしません。

「あんたはシロウトの書き手だ、おれは編集長だ。黙って言うことを聞け。出版してやらないぞ!」

彼はまさか私が恐いもの知らずのシロウトだとまでは計算できなかったのでしょう。

「結構です。私は持論を曲げる本など出版するつもりは毛頭ございません」

とまあ、売り言葉に買い言葉で返しました。そると相手は、

「いいか、おれの社はすでに○○印刷と配本の○○社で枠の設定が終わっていて、穴をあけることなど絶対にできない。いいからあと3日で削った原稿を出してこい」

なんという脅し文句でしょう。私は、

「御社と出版契約書などかわしていません」

「これだからシロウトはだめなんだ。出版業界では契約書など交わさん。口約束で十分だ」

と言って、席を蹴って出て行きました。

私はもちろん核心部分を削除した原稿など出しませんでした。

その後出版に穴をあけてしまった編集長がどうなったのか、私は知りません。お気の毒にその後のアメリカの隆盛を見て、一人泣いているのかもしれません。

これがブログを開始する直前のある出版社とのやりとりです。私は念のため彼とのやり取りをすべて書いて残してあります。

初めての出版がだめになった私は絶望しながらも、いつの日か自分の主張が正しいことを世の中の人が理解してくれる日は必ず来るだろうと思い、細々とブログを始めたのです。その時に私を慰めてくれたのは大学時代の友人達です。原稿段階から内容をチェックし、主旨には全面的に賛同して、出版社と対立していた時も陰ながら応援してくれました。

今また友人達にはこの場を借りて感謝いたします。本当にありがとうございました。

恩返しは投資の実績です。友人の何人かは2010年の年末あたりに私の原稿を読みながら、米国債などに投資を始めていました。長期債であればすでに2倍くらいのパフォーマンスが出ているはずです。

これがブログを始めたきっかけのエピソードです。その後私は自分の主張をそのまま全面に出した最終原稿をダイヤモンド社の代表メール・アドレスに送付しました。知り合いも何もいないいわばコールド・コールです。驚いたことに3日で「是非、出版したい」と返事がきました。そしてさらに驚いたのは、「○○出版」との話はどうなったのですか?」という問いです。私は公表などしていないのに、どうやって知ったのか?

ネットで検索したところ出てきたと言うのですが、私はブログもSNSも何もしていませんでした。あとでわかったのは、高校の同窓会のプライベートなお知らせ掲示板に、友人が応援する目的で「林敬一君が本を出版します。タイトルは『擬似国債』です」と書きこんでいたのです。プライベートなはずが、グーグルには引っかかっていたんです。

「その件はご破算になりました」と返答し、顛末を説明しました。するとすぐ編集会議にかけてくれ、一発でゴーサインが出ました。先日の記事でも言いましたが「編集局員の誰もが米国債は買うきゃない」と言ってくれたほど、受けがよかったそうです。
これが出版の顛末記です。

みなさまからの励ましが、今の私の原動力です。

今後もどうぞ応援をよろしくお願いいたします。

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アメリカの金利見通しについて、その3

2014年12月13日 | 2014年の資産運用
アクセス数は100万回まであと1,000を切りました。我こそは100万回目だという方、是非名乗り出てください。

  さて市場は為替の大変動に続き原油の暴落ですね。

  アメリカの金利の話が途中ですので続けます。原油の暴落も重要な要素です。

  12月5日の記事「その2」で私は以下のようなまとめを書いています。来年に向けての世界経済、米国経済を見通す上でも大事なポイントですので、まずはそのおさらいをします。

引用

・世界経済の動向・・・欧州経済が低迷気味で、物価上昇もゼロ近辺。中国の成長鈍化。IMFの世界経済予測も今年より来年の成長率鈍化を見込む。これらはリスク資産か安全資産かの選択に影響し、米国債への選好は継続しそう

・ドルをめぐる為替動向・・・経済の好調から株も買われ、世界経済のリスク回避から債券も買われる。通常は一致して買 われるより、片方が買われ片方は売られるが、投資家が世界に及ぶため、このような動きになっている。ドルの選好は米国債需要につながる。ユーロは今後さら に緩和策が実施されるため、対ドルでは弱含む。安全通貨と言われた円は危険通貨になりドル高の流れに変化なし

・資源価格の動向
・・・価格低迷は資源国の成長を鈍らせ、オイルマネーなどの先進国への還流が鈍化し米国債への需要を減らす。ファンダメンタルズ的には資源消費国アメリカの経済を潤し、他の先進国もプラスの影響を受ける。しかし物価の低迷につながるため、金利を抑制する

  次にアメリカ国内の要素の先行きを見てみます。

  金利の上昇要因であるはずの物価と雇用のうち、雇用は堅調さが持続することが見込まれますので、こちらは問題なし。一方物価はどうでしょうか。アメリカは貿易赤字国ですから、米ドルの強さは輸入価格の低下を通じて物価の抑制要因になります。その上世界の商品相場、特に原油価格の下落は物価をさらに押し下げる要因です。

金利上昇の最大のリスクになるのはこの物価だろうと私はみています。

引用終わり

  最後の文章で金利上昇の最大のリスクは物価だと述べていますが、リスクと言う言葉は危険の意味ではないことにご注意ください。

  この記事を書いた時点の原油価格はWTI先物で70ドルを若干下回ったくらいだったのが、なんとたった1週間で60ドルを下回る価格をつけてしまいました。これは下落傾向だった価格が堰を切って暴落してしまったというほどの衝撃的下落です。金利にも大いに関係しますので、しっかり見ておきましょう。

  では、現在世界を震撼させるほどになっている原油価格の暴落をどうみたらよいのか。私の見解を簡単にまとめます。私が書こうとしているのは超あたりまえのことですが、明日にでも世界経済がおかしくなるというようなコメントが多いので、警鐘の意味も込めます。

1.原油価格下落の最大の被害者は産油国であって、消費国ではない。つまり中東・ロシア・ベネズエラ・ナイジェリアなど

2.原油価格下落の最大のメリット享受国はアメリカ、EU、日本、中国の経済大国をはじめ産油国を除く全世界

3.経済問題以外で最悪の紛争解決に神風が吹いてきた。世界の火種である中東、ロシアの力を削ぐ神風が吹き、民主的諸国の力が増大するのは日本・アメリカ・EUを始め自由諸国にとって最高のプレゼント


  これがまとめの見解です。

  そして次に原油価格の各国経済へのインパクトを見通す数字がありましたので、みなさんの参考になると思い並べてみます。8日のウォールストリートジャーナルの記事です。原油価格が65ドル程度で1年継続した時の各国GDPに対するインパクト(%)です。大きく分けプラスに働く国々とマイナスに働く国々があります。

プラスの国; 韓国2.4  インド1.8  日本1.2  ドイツ0.8  中国0.8  アメリカ0.5

マイナスの国; クウェート18.1  サウジ15.8  イラク10.2  ナイジェリア5.4  ロシア4.7

  拙速で計算したものと思われ前提条件などの詳細はありませんが、当たらずしも遠からずというところでしょう。

  ロシアなどは資源モノカルチャーでそれ以外の有力な製造業などほとんどなく、財政も中東産油国同様資源依存度が高いので、このマイナス4.7%程度のインパクトで済むのか疑問です。

  またアメリカのプラスがたった0.5%と小さいように思えますが、これはシェールガス・オイルの生産にとってはマイナスに働くからということではなく、アメリカ経済全体の産業の厚み、消費の大きさに対して原油の下落など小さいことだ、という意味にとったほうがよいと思います。中国や全く資源ゼロの日本も同様で、全体が大きいのでインパクトは小さい。逆に韓国は経済規模が小さいのでインパクトが大きく出るのでしょう。

  原油価格がさらに下落したらどうなるのか?

  しょせんプラス国のプラス幅が大きくなり、マイナス国のマイナス幅が大きくなるということで、世界経済が恐慌になることなどありません。2度に渡るオイルショックにより世界経済が大きく落ち込んだことを思い起こせば、今回の暴落はその逆だということです。もちろん原油の暴落とは関係なくすでに世界経済はスローダウンしはじめていますので、メリットはスローダウンの緩和になるということでしょう。

  ここまで原油価格の下落のインパクトを見てみました。次回は金利へのインパクトをみることにします。

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100万回目は誰の手に

2014年12月09日 | お知らせ

  アクセスカウンターが9日17時現在991,984PV(ページ・ビュー)となっています。1日平均2千回程度のため、1週間以内に遂に100万回を達成の見込みです。これもひとえに皆様のおかげと感謝しています。

  我こそは100万回目だと思われた方がいらしたら、是非手を上げて、じゃないコメント欄に書いてください。

  このところの数字は以下のとおりです。
昨日は597人の方が訪れ、平均3.6ページくらい見ていただき、ページ・ビューが2,141、順位は210万中675位だったということです。

gooブログには2百万もブログがある中で、こんなにもまじめなブログの順位が1千位以内になっています。驚きの順位です。

2014.12.08(月) 2141 PV  597 IP  675 位 / 2101198ブログ
2014.12.07(日) 2211 PV  492 IP  835 位 / 2100842ブログ
2014.12.06(土) 2335 PV  560 IP  657 位 / 2100540ブログ
2014.12.05(金) 2334 PV  638 IP  576 位 / 2100204ブログ
2014.12.04(木) 1922 PV  610 IP  643 位 / 2099844ブログ
2014.12.03(水) 1700 PV  585 IP  695 位 / 2099514ブログ
2014.12.02(火) 1809 PV  644 IP  603 位 / 2099079ブログ

今一度、皆様に感謝いたします。

林 敬一

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ドル円の121円突破!

2014年12月06日 | 2014年の資産運用
  本日朝経済ニュースをチェックすると、アメリカの超強い雇用統計を受けて、ドル円が前日比1円25銭安の121.42銭となっていました。おっちょこちょいのななしさんのご要望もあり、私の見方を書いてみます。

  一日で1円以上動くのは尋常ではありません。これが果たしてアメリカの雇用だけで動いたのか、はたまたドル円に何らかの特異な力が加わったためかを見てみます。特異な力とは例えばトレーディングで積み上がったドル売りポジションが踏み上げ状態にされた、つまり強制的に決済させられたような状況を指します。

  我々にはトレーディング・ポジションが短期的にどうなっているかの詳しい情報を見ることはできません。しかしヒントになる情報はあります。ドルの対円だけではなく対ユーロなどの動きです。対ユーロでも対ポンドでも対円と同じ様な動きになっていれば、ドル円だけの特異の動きではなく、雇用統計によってドルが全通貨に対して高くなったということを意味します。

  昨日のドル円は1.25円、1.0%安。一方ユーロドルは0.75%安でした。両者ともに一日としてはかなり動いていますが、円とユーロでは大きな差はありませんでした。ポンドも同様ですので、今回のジャンプはどうやら雇用統計インパクトのようです。

  しかしドル円が大きく動く前の4カ月前の数字を比較すると大きな違いが見てとれます。ドル円は18%の円安ユーロドルは7%のユーロ安とかなりのひらきがあります。下の数値がそれを示していますが、ユーロの場合はドル円とは違い1ユーロが何ドルかで表示されますので、数字が小さくなるとユーロ安になります。

         8月5日   12月5日    比較
ユーロドル  1.3376    1.2286    7.5%のユーロ安
ドル円     102.58     121.44    18.4%の円安


  では、私が「120円を超えてくると大変だ」と言っていたことの内容について述べます。私が従来から心配していることの内容です。

1.07年来の円の安値124円を抜けてくると、いよいよ本格的円安の開始になる
2.せっかくしぼみかけた物価上昇の再燃は国民窮乏化に拍車をかける
3.政府・日銀の尻に火が付き、大本営発表だけでは済まなくなる
4.累積債務を積み上げ続ける政府、その債務を買い続ける日銀が共に信頼を失う

  それでも政府・日銀は振りあげたコブシを下ろすことができず、クロちゃんは大本営発表を続ける可能性は大いにあります。

何故か?

  超緩和政策を巻き戻すことは決してできないからです。円安が行き過ぎたからといって今さら国債買入れを停止することはおろか、売却することなど絶対にできません。彼の究極の目的である2年後2%の目標にまい進するのみです。

  また選挙運動中のアベチャンも「この道しかないんです」の大合唱をここでやめるわけには絶対にいかない。

  確信犯である二人の意地が日本国民を奈落の底に引きずり込もうとしています。

  それに対抗する道はたった一つ。「円のリスクから逃げること、『この道しかないんですよ、みなさん』(爆)」

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アメリカの金利見通しについて、その2

2014年12月05日 | 2014年の資産運用
  円ドルレートは遂に120円台をつけましたね。おっちょこちょいのななしさんから私が以前書いていた「120円になったら大変なことになる」って、いったいどうなるのという質問を受けました。この話はすぐフォローするようにしますが、今回はアメリカ金利の続きです。

  前回からアメリカの金利低迷の分析を始めました。前回指摘した金利に影響を及ぼしそうな要因は、

金利上昇要因;物価の上昇、雇用の回復、

  これらはおよそ予想の範囲で動いている

金利低下要因;需要サイドと供給サイドの要因があり前回はFRBと海外投資家の需要を数値で把握しました。
  
①需要;FRBによる国債購入が続いていた。額は14年の年間で36兆円

②需要;世界経済のスローダウンからアメリカにとっては海外投資家である世界の投資家がリスク資産から安全資産であるアメリカ国債にシフトしている。額は48兆円でこれは巨額

 そして私が見逃していた要素として以下があると指摘しました。それは

③供給:連邦予算の赤字削減

  ではその赤字額がどの程度か数字を見てみます。ピークだった09年度からちょっと飛ばしますが年度ごとに並べますと、

2009年度 :1兆4130億ドル               
  ---
2013年度: 6800億ドル
2014年度: 6490億ドル(前年比でマイナス4兆円、率にして5%)
2015年度: 5640億ドル (前年比でマイナス10兆円、率にして13%)
2016年度: 5310億ドル


  14会計年度(14年9月終了)の赤字は09年のピーク時から比較すると半減以下です。前年比での赤字削減額は4兆円程度でした。金利は将来を織り込んでいますので、すでに10月から開始されている15年度も見ますと、赤字は前年比で10兆円削減されることになっています。海外投資家の買いやFRBの買いに比べると要素としては小ぶりですが、発行見込み額が13%減少するのは小さい率ではありません。

  ということで15年はFRBの36兆円の買いがなくなりますが、予算上の赤字が10兆円減るので、差し引き額は26兆円です。もし海外勢の買いが今年と同じ程度継続するとしても26兆円の減少はかなりの額です。

 では、今後を見通していきましょう。インパクトの大きな海外勢の需要はどうなるのでしょうか。それを見通すのはとても困難ですが、にも関わらず金利に影響を与えそうな要素の大まかな見通しを、私なりに並べてみます。

世界経済の動向・・・欧州経済が低迷気味で、物価上昇もゼロ近辺。中国の成長鈍化。IMFの世界経済予測も今年より来年の成長率鈍化を見込む。これらはリスク資産か安全資産かの選択に影響し、米国債への選好は継続しそう

ドルをめぐる為替動向・・・経済の好調から株も買われ、世界経済のリスク回避から債券も買われる。通常は一致して買われるより、片方が買われ片方は売られるが、投資家が世界に及ぶため、このような動きになっている。ドルの選好は米国債需要につながる。ユーロは今後さらに緩和策が実施されるため、対ドルでは弱含む。安全通貨と言われた円は危険通貨になりドル高の流れに変化なし

資源価格の動向・・・価格低迷は資源国の成長を鈍らせ、オイルマネーなどの先進国への還流が鈍化し米国債への需要を減らす。ファンダメンタルズ的には資源消費国アメリカの経済を潤し、他の先進国もプラスの影響を受ける。しかし物価の低迷につながるため、金利を抑制する

  これらは独立して動くものではなく相互に影響しますのでクリアーな数量的な予測は困難ですが、いずれも今後アメリカ金利には抑制的な働きをしますので、要注意です。

  以上、金利を低下させるいくつかの要素を取り上げて見てみました。

  次にアメリカ国内の要素の先行きを見てみます。

  上昇要因であるはずの物価と雇用のうち、雇用は堅調さが持続することが見込まれますので、こちらは問題なし。一方物価はどうでしょうか。アメリカは貿易赤字国ですから、米ドルの強さは輸入価格の低下を通じて物価の抑制要因になります。その上世界の商品相場、特に原油価格の下落は物価をさらに押し下げる要因です。

金利上昇の最大のリスクになるのはこの物価だろうと私はみています。

つづく

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