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スコットランドから帰りました

2015年07月28日 | お知らせ

   昨晩、スコットランドへのゴルフツアーから戻りました。東京の暑さと時差もあってまだ半分ぼーっとしていますが、とりあえずの帰朝報告です。

   今回はスコットランドの南西部にあるグラスゴウからスタートし、東部のエジンバラ方面、北東部のアバディーン方面のゴルフ場を9カ所回りました。うち一カ所だけ9ホールの古いゴルフ場があったのでラウンド数は8.5ラウンドです。天候はいたって良好。雨は全ラウンド中たった3ホール降られただけで、全行程の半分は快晴に近い晴れ、あとの半分は曇り時々晴れの天気が続きました。ちょうど雨や風で中断されたり延期されたりした全英オープンをやっていた時にすぐ近くでプレーしていたのですが、我々は風で困ったり、雨で中断されるようこともなく、すべて予定通りのラウンドを楽しむことができました。晴れ男は健在でした。気温も20度くらいと快適で、暑さで疲れるという事はありませんでした。しかし連続して8.5ラウンドもすると、さすがに足や腰には疲労がたまっていますので、しばらくは思いっきり体を休めるつもりです。リンクスでのゴルフについては次回から報告します。


   さて、私がスコットランドに旅行をしていた10日間あまりの間は、出発前のギリシャ問題や中国株の暴落ほどの市場の混乱もなく、比較的平穏でした。と言ってしまうと、株式投資をされている方からは怒られるかもしれませんね。イギリスでは地元のBBC、FTを始め海外メディアが最も話題にしていた経済ニュースは商品価格の下落でした。ゴールドや原油だけでなく、その他の資源価がかなり下げていました。それにつられるようにして世界の株式市場も下げていますね。メディアが伝える内容は一様に、中国株式の下落とアメリカの利上げの可能性が世界の相場を下押しているというもので、きっと日本でも同様のことが言われていたのだろうと思います。今ひとつは同じアメリカの利上げ見通しにより新興国からオカネが流出し、新興国の株式市場が縮小しつつあるという解説でした。まあきっとその解説は当たっているとは思うのですが、それをもって悲観一色になるのは間違っていると私は思います。


   まず張本人のアメリカは、経済が順調なので利上げに向かっているのであって、利上げですぐ不況になるようなら利上げなどしません。そして何度か申し上げているように、アメリカはもともと貿易収支が大幅赤字なので、ドル高と原油など資源・商品価格の下落は大歓迎のはずです。アメリカの輸出が落ちることばかりが言われますが、逆にGDPにはマイナス要因である輸入金額が減少します。マイナス要素の輸入の方が輸出を大きく上回っているので、ドル高によって貿易収支は必ず好転します。経済全体は成長のゲタを履かせてもらったようなもので、アメリカには不利どころか有利な条件がそろったわけです。その分成長率を高めるので、ドル高と資源価格下落は大きな問題ではありません。

   ヨーロッパもギリシャ問題が一段落し、もともと経済は回復基調にあったため、原油など資源価格の下落は物価下落から消費を刺激することにつながり、大歓迎なのです。

   日本はどうか?と言うよりも、日本はどうかしている国なので、資源価格の下落は物価の下落につながって政府と日銀だけは困る。でも庶民は円安と増税による物価高に苦しんでいるので、とても助かる。エネルギーやその他原材料価格が下落した分、消費に回せるオカネは増えるので、成長率のプラス要因になります。

 

  この様に考えれば新興国の成長率ダウンによる輸出減くらい、自国の成長率が高まれば打ち消すことができるので、どうということはないのです。それは数字でしっかりと考えれば簡単に分かります。例えば輸出に大きく頼る日本経済はGDP全体が約500兆円、うち個人消費は6割の300兆円、輸出は80兆円程度です。新興国のスローダウンにより輸出が10%の8兆円減少したところで、物価の低下で個人消費がたった1.6%伸びれば8兆円は相殺できるのです。ましてアメリカのように個人消費が7割を占め輸出にあまり頼らない国であれば、新興国への輸出減などもののカズではないのです。ドル高と資源安は物価抑制を通じて消費を増やし、成長率を高めるのです。

 

  中国株の下落の時も私は同じようにしっかりと数字と理屈で考えろという解説をしました。株が暴落して騒ぐヤツのことばかりをニュースにするから間違う。得したヤツは賢いので黙ってほくそ笑んでいるのです。

 改めて言います。

 世の中の事、特に経済金融は数字がすべてなのです!

 何か大きなことが起こった時には、皆さんもこうした発想を心がけてください。そうすれば、大きく事を仕損じる事はないはずです。

    

  私の旅行中にコメント欄ではみなさんから円ドル為替の取引コストや今年中の益出しに関して、かなり突っ込んだコメントをたくさんいただきました。とても役に立つ情報が多かったと思います。情報を寄せていただいたみなさんに感謝いたします。

 

  今後は情報のカテゴリーを細かく分けて、みなさんが後で確認しやすくするつもりですので、その節はご協力をよろしくおねがいします。今検討中の記事のカテゴリーはおよそ以下の通りです。

 ・アメリカ国債の売買情報、どの証券会社がお薦めか

・円からドルへの転換はどの証券会社・銀行・FX取引会社がお薦めか

・円からドル建てMMF、そしてアメリカ国債への投資をする場合のお薦め方法

・来年の証券税制改正の内容と、何をしておくべきか

 

  上記の見出しだけの記事を私がアップし、そこにみなさんから自由にコメントをつけていただくという方法を考えています。すると半年後に例えば「税制はどうなるか」などを知りたい時に、「カテゴリー」の一覧からバックナンバーを探しやすくなると思います。上記の仮のカテゴリー分類や追加のカテゴリーの提案があれば、是非お寄せください。みなさんからの提案をおまちいたします。なお、私自身は中立の立場を維持し特定の証券会社などの推薦はしないことにしていますので、その点はご容赦ください。

 

  ついでに、私のこれまでのカテゴリー分類はずいぶんといい加減なところがありますのでそれを反省中です(笑)。特にニュース・コメントで始めた議論がどんどん展開してしまってシリーズ物になってしまったり、シリーズ物も最初のタイトルから内容がどんどんあらぬ方向に変化してしまうことが多く、あとでバックナンバーを読む方にはご迷惑をおかけしています。そのあたりの改善も追々していくつもりです。

  反省、ペコリ

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