4月に来日したバフェット爺さんの日本株買い宣言が誘い水になり、株式市場がとんでもない相場を形成し、勢いを増しています。ニュースは「株価は今日もバブル崩壊後の高値を更新しました」と毎日言い立てています。
崩壊後の高値って、いくらのこと？
不思議なニュースですよね。38,915円がピークなので、そこまではいつだって崩壊後の高値に決まってますよね。それを毎日更新だっていわれても、私には全くピンときません。ニュースを書いたり読んだりする人はそれに対して疑問を持たないのでしょうか。ピークを超えたら初めて「最高値更新」と言って欲しいですね。
この相場上昇要因として指摘されているのは、①東京証券取引所による「株価純資産倍率が1倍を切っているのはけしからん」という改善要請と、②4月中旬に来日したウォーレンバフェットの「日本株買い宣言」、③日本企業の収益改善、とされています。しかしこのうち東証による指導は、大した影響を持たなかったと私は見ています。
理由は単純で、2月の宣言から4月中旬のバフェット爺さん来日まで、株価はほとんど上昇などしていないからです。それに対してバフェット爺さんの「日本株をもっと買うぞ」との宣言後はほぼ一貫して上昇を続け、日経平均は2万6千円台が3万3千円台へ、たった2か月で25％以上上昇しました。
その間の買い主体は海外投資家で、東証宣言後の3月には2.4兆円も売り越していたのが、バフェット爺さんが来日した4月は3兆円の買い越し、5月も3.5兆円の買い越しです。これを見ても爺さんのご託宣の威力を感じます。
その間逆に売りに回っているのが個人投資家と信託銀行で、まさに逆張りをしています。相場の格言「人の行く裏に道あり花の山」を地で行っているのです。さてどちらが報われるか。
一方、要注意は証券会社などによる個人投資家を対象とした悪乗り商法です。今回は特にこれまで株式投資など経験したことの無い若い世代を中心にワナを仕掛けています。投資に関するサイトから週刊誌、TVのワイドショーまで、新NISA導入をエサに株式投資を煽りまくっています。
株式相場もう一つの格言は、「シロウトが株の話をし出したらピークだ」です。こんなに上昇している相場を見てこれから買いに入るのは愚の骨頂です。そんなことはいっさいかまわずに「さあ始めよう、新NISA使い方」と煽るのが銀行証券など、シロウト相手の商売上手です。先ほど指摘したとおり、これまでに株式投資を十分に経験した個人は、いまが売り時とみて売りに回っています。
TV番組を見ていてもう一つ気になるのは、投資初心者への解説です。株価の変動要因などいくらでもあるのに、あーだこーだと言い立て、それがいつだって普遍の真理だと教えていることです。
株式相場上昇の原因はほぼ経済金融要因ですが、下落要因は無限にあります。一番ありそうな経済金融要因は、ここまで保ってきたアメリカ景気が後退することによるアメリカ株の下落、そして確率は低くとも起こったら大ごとなのは日本財政の破綻です。しかしその程度の経済の内部要因だけでは済みません。ロシアがたとえ小さな核爆弾でも使用するか、あるいは中国が台湾に侵攻でもしようものなら大暴落間違いなし。特に台湾は日本の近隣ですから、上昇している日本の株価が世界で一番の大暴落になるかもしれません。そうしたことが投資のリスクだということなど、シロウト向け解説では聞いたことがありません。日本は地震国ですから、今年100年を迎えた関東大震災がまた起こるかもしれないし、30年以内の確率が6～7割もある東南海地震が起こるかもしれません。
天変地異に戦争などの災害は保険屋さんのように、「それは免責です」などということは株式市場にはないのです。それに対して米国債投資は、そうした天変地異や戦争などで株価が暴落するたびに世界中から買いが集まるなんとも幸せな大災害特約保険付投資であることを忘れないようにしましょう。
最後に私から日銀へ一言、
「上昇中の今こそ日銀は保有株を売るべきだ！」
じゃなかったら、いったいいつ売るんだ、今でしょ！
もちろん日銀の株式売りは株価の下落につながりかねませんが、この調子だと売り時を逃すか、あるいは暴落に拍車を掛けるタイミングで売るしかなさそうなのが気になります。
トータル
確かに債権のクーポンの方が魅力的です。月5万円以上になれば生活出来ますからね。
母の介護があるので年間配当型とストリップをゆっくり買い増していく予定です。
ストリップは、ブラックマンデー対策になりますし。
100年続く債務上限問題、プロレスです。
金利も月足で200MAを超えて反転、アメリカ国債楽しみです。
アップルの債権とアメリカのストリップ買いました。
ただ、よく理解できない部分があるので、うかがいます。
＞この本が1年前に出ていれば、NVIDIAを昨年12月に売り現在泣いています。
1年前に出ていたら、NVIDIAを買わなかったということですか？
＞確かに債権のクーポンの方が魅力的です。月5万円以上になれば生活出来ますからね。
債券は債権ではなく債券ですので、よろしく。
何に比べて魅力的なのでしょうか。
また月5万円以上になればとありますが、投資額によっては、今でも5万円以上になるとおもいますが・・・。
＞ストリップは、ブラックマンデー対策になりますし。
利付債ももちろん暴落対策になると思いますが・・・
＞金利も月足で200MAを超えて反転、
これはムービング・アベレージ、移動平均のことでしょうか。
株式投資をされている方はよく使う用語でしょうが、債券投資ではあまり使われないのでわからない方が多いかもしれません。
現状日本円に変えたら介護費で目減りしてます。
〜〜〜〜
私も４０歳まで某大学職員でしたが仕事で事故に遭い障害者年金と株の投資で10年食べてきました。
あの時に、アメリカ国債や債券（債権間違えました）に出会っていたら自分の肉体と時間を削らずに楽しく生きてこられたと悔やみます。
障害者年金とクーポンが月5万円以上で生活出来たでしょう。
〜〜〜〜
MAは、ムービングアベレージです。
数十年間下がり続けていた金利が反転しました。
株＆FX用語ですみません。
金利が上がり、安く買える今買い時だと感じました。
最後に先生の本に出会えて思ったことは、億万長者になるよりも、生活が豊かに出来ると思いました。生活費強化とストリップで資金の攻め。
私は50歳になりました。何かアドバイスがあれば教えてください。
誤字脱字がありすみません。
うれしかったです
発言内容を詳しく説明していただき、ありがとうございます。
ご自身の経緯などを含め、理解できました。
確かにNVIDIA株の売却タイミング、円への転換などタイミング、ともに難しいですね。
今さらですが、私の1冊目の著書が2011年、12年前ですが、それに出会うことができていたら、大きく変わっていたかもしれません。
それでも、今回私の著書に出会ったことは出会わないよりよほどメリットが大きいとおもいますので、気を持ち直して新たなスタートを切りましょう。
陰ながら応援しています。
ご質問の件、
＞最後に先生の本に出会えて思ったことは、億万長者になるよりも、生活が豊かに出来ると思いました。生活費強化とストリップで資金の攻め。
私は50歳になりました。何かアドバイスがあれば教えてください。
著書にも50歳代の方への一般的投資アドバイスを書いてありますので参考にしてみてください。決して遅くはありません。
基本的には複利運用のストリップ債と収入を補完する利付債を資金・収入状況に合わせ投資するのがよいと思います。
新刊本拝読致しました。大変参考となりました。誠にありがとうございます。
一点質問です、新刊本を参考に、現在の長期米国債で自分年金作るべく、利付債購入を検討してます。利回りを見ると、ネット証券で、
２０４３年満期
単価99.31 利率3.875% 利回3.925％
２０５３年満期
単価9８ 利率3.625% 利回3.733%
となり、短めの20年物の方が、30年物より利回りが良くなっています。すでに小生年齢が60台後半であり、どちらでもまあ生涯年金となりそうにて、より利回りの良い、20年物（2043年満期）を選択となるかと、考えておりますが、先生のｱﾄﾞﾊﾞｲｽ頂ければ幸いです。
著書の趣旨をまさに実行されていますね。
ご質問の件ですが、
＞短めの20年物の方が、30年物より利回りが良くなっています。すでに小生年齢が60台後半であり、どちらでもまあ生涯年金となりそうにて、より利回りの良い、20年物（2043年満期）を選択となるかと
年金を利付債でもらうということを考えますと、クーポン金利優先がよいと思います。つまりこの場合は20年債ですね。しかも最終利回りもそのほうが有利ですから、文句なしです。
20年債でも80歳台なかばまで年金をもらえるので、問題はないと思います。
それ以降は元本を使える年齢になりますし。
回答になりましたでしょうか。
読み始めの「はじめに」を読んだだけで感想を書きたくなりました。
私と母親は既に米国債投資で自分年金と老後計画を完成しているので、感想を報告出来ます。
私は既にリタイア組で自分年金の受取で生活をしております。利回りと円安で余剰金を生じるほどで、その余剰金で短期債への再投資や自動車購入や趣味にお金を回せる余裕があります。
母親は81歳になり、今月末に有料介護施設に入居しますが、資金的な余裕から第一希望の施設に入居可能になり、昨日契約を済ませました。
そして、感想を書ける理由が正に笑顔で、穏やかに日々を過ごすことができ、これで幸せに人生を過ごせることを私と母親が身をもって証明出来るからです。
私は当初、林先生に出会うことが皆様よりも遅く、遅れた投資家と名乗っておりました。しかし、直ぐに出遅れを取り返すことが出来きたのに気付き、救われた投資家と改名しました。
現在は、また改名が必要なほどですが、改名よりも実際に林先生にお会いしてお礼を申し上げたいと思います。
お会いするのは投資相談ではなく、投資結果報告ですが可能でしょうか。
早速ご回答頂きありがとうございます。
なるほど、20年物では、元本受け取る可能性が30年物より高くなりますが（運よく生きていれば）、元本使える年齢となっていると考えれば良いわけですね。自分年金満期より長生き目指して頑張れますね。
ご指導ありがとうございます。