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全英女子オープン開催のミュアフィールド訪問記

2022年08月03日 | ゴルフ

  先週、7月31日に終わった女子プロゴルフで、古江彩佳選手がスコティッシュ・オープンでの優勝を飾りました。最終日はボギーなしの10アンダーというとてつもないスコアでした。「アメリカツアー初優勝」というタイトルが飛び交っていますが、元々はスコットランドの女子オープン選手権で、アメリカツアーに組み込まれたものです。

  古江彩佳は2000年生まれの有望選手で、日本の女子ツアーでも抜群の成績を残していて、2020・21年の統合シーズンで6勝もしています。22年からアメリカツアーに参戦し、初年度ですが今回初優勝しました。その彼女も含め、今週8月4日木曜日から全英女子オープンが開催されます。コースはプロのゴルファーでもなかなかプレーできないスコットランドのミュアフィールドです。

 

  このコースはスコットランドでもプレーすることが最も難しいプライベートコースと言われています。どのようなコースなのか、Wikipediaの冒頭を以下に引用します。

 

引用

ミュアフィールド(Muirfield)は、スコットランドイースト・ロージアンにあるゴルフ場であり、名門プライベートコースとして知られている[2]

ミュアフィールドは18世紀半ば(1744年)に作られたとされるリンクスコースであり、過去に16回の全英オープンの開催実績がある。1973年にはライダーカップが開催された。2007年には全英シニアオープンも開催され、このときはトム・ワトソンが優勝した。

ミュアフィールドは開場以来長らく女人禁制のポリシーを持ち、2016年5月にそのポリシー見直しのメンバー投票が行なわれたが投票総数の3分の2に2%足りず否決された。それを受け、全英オープンを主催するR&Aはミュアフィールドを全英オープンの開催コースから外した。その後、2017年3月に行われたポリシー見直しの再投票では80%が賛成し、273年目にして初めて女性会員が認められることになり、全英オープン開催コースのローテーションにも復帰した。

引用終わり

  とまあ、いわくつきのコースです。不思議なことにこのコースの名前には、ゴルフクラブだとかカントリークラブだとかがありません。英語名は

Muirfield、

The Honourable Company of Edinburgh Golfers

とだけあります。このカンパニー組織は世界で一番古いゴルフクラブと言われていています。

  私もここだけはプレーは無理だろうと思っていたのですが、投資銀行出身のゴルフ仲間から突然の誘いを受け、2015年にプレーすることができました。その時の様子を15年8月にブログにアップしましたが、今回再掲させていただきます。

 

引用 タイトル;リンクスツアー その3 あこがれのミュアフィールド

   今回のリンクス・ツアーのきっかけは、「ミュアフィールドへ行かないか」という友人Kimiさんの一言からでした。この友人は香港在住の日本人で、世界中の素晴らしいゴルフ場を2,000カ所プレーすることを目標としいて、すでに1,400カ所を達成しています。私は国内310カ所、海外90カ所くらいですので、彼の足もとにも及びません。彼のサイトはkimi golfの名で運営されていますので、興味のある方はどうぞご覧ください。

     その彼から一生に一度はプレーしてみたいと思っていたあこがれのミュアフィールドに誘われては、断るわけにはいきません。私は1997年にスコットランドに10日間ほどのリンクス・ツアーに出かけたのですが、その時はミュアフィールドをプレーすることができませんでした。

  ジャック・ニクラウスが1966年に初めて全英オープンを制したのがこのコースです。それ以来大のお気に入りで、自分の作った故郷オハイオのコースには本家から名前をもらってミュアフィールド・ビレッジと名付けたくらいです。去年松山英樹が勝ったメモリアル・トーナメントの舞台です。

   ミュアフィールドはエジンバラの東、車で40分ほどの距離にあります。その名を世界に轟かせているプライベート・クラブであるオナラブル・カンパニー・オブ・エディンバラ・ゴルファーズのホームコースです。敷居の高さもさることながら、コースの難度も世界一級であることは間違いありません。プレーをするにはゴルフ場にある高級ホテル、グレイ・ウォールズに3泊もしなければなりません。ペブルビーチやオールド・コース・ホテルは1泊すればそれぞれのコースでプレー可能だったと思います。グレイ・ウォールズ・ホテルにはシェ・ルーという名のフレンチレストランがあって、ゴルフをやらなくとも高級なオーベルジュとして楽しむことのできるホテルです。部屋数はたったの23部屋で、世界中のゴルファーが1年も前から予約を入れてその日を待つのです。我々も予約は昨年の10月に開始しました。

   このコースの印象を一言で言いますと、「気品あふれるリンクス」です。オープン開催コースにありがちな挑みかかるようなところはありませんし、フォトジェニックでもありません。しかしラウンドが始まると見方が一変します。

   我々ゲストはインコースの10番ホールからのスタートでした。10番は470ヤードもあるパー4。私のティーショットはフェアウェー左の250ヤード地点。リンクスではボールが実によくころがり、飛距離がすごく伸びたように感じます。キャディが「残りは215ヤードだけど、200ヤードくらいのクラブで十分だ」とのこと。私はグリーン左右のバンカーを意識して、そこまですら届かない7番ウッドを選択し安全を期しました。

  ショットは若干トップ気味で、途中にあるポットバンカーは越えましたが、自分の感覚としてはせいぜい170ヤードくらいしか飛んでいないだろうと思っていました。途中のバンカーの縁が盛り上がり、私にはボールの行方は見ることができませんでした。するとキャディが「Good shot!」というではありませんか。しかしグリーン方向に歩いて行くとボールがありません。キャディにどこかなと聞くと、あれだよと50ヤードも先のグリーン上のボールを指さし「バーディーチャンスだ」というのです。にわかには信じられないのですが、行ってみると確かに自分のボールでした。ティーショットも飛んでいましたが、7番ウッドのミスヒットが215ヤードも飛んで、ピンの真横4mにあるとは驚きです。そのパットを慎重に決めて、なんとミュアフィールドの最初のホールをバーディーでスタートしました。

 

  とまあ、実はすべてのショットはホールごとの詳細なマップの書いてあるコースガイド上に、使用クラブや当たり具合をしっかりとメモしてありますのでたどることができるのですが、みなさんにとってはどうでもよいことだと思いますので、以下省略します。

   最終結果を統計として記しますと、

・ティーショットのフェアーウェー・ヒット;14ホール中9ホール 64%

SWで出すような深いラフは1回だけで、あとはファーストカットか浅いラフでした。

・パーオン;3回 だけ

・パット数;34回  1パット3回、3パット1回、2パットが15回

・バンカー;4回つかまり、すべて1回で脱出成功

・スコア;バーディー1回、パー3回、ボギー10回、ダボ4回  トータル88回(パー71)

   全英オープン開催の名だたる難コースで80台のスコアは、自分としては上出来だったと思います。あこがれのミュアフィールドでのプレーは、十分に満足のいくプレーができました。

   ちなみに戦後のミュアフィールドでのオープン優勝者は、59年ゲーリー・プレーヤー、66年ジャック・ニクラウス、72年リー・トレビノ、80年トム・ワトソン、87年ニック・ファルド、02年アーニ―・エルス、13年フィル・ミケルソン。

  トレビノの勝った72年はニクラウスの絶頂期で、彼はこの年4月にマスターズに勝ち、6月に全米オープンを制し、年間グランドスラム達成かと騒がれましたが、メジャー3戦目7月の全英では1打差でトレビノに敗れました。ちょうど今年のジョーダン・スピースがマスターズと全米オープンを制し、3戦目の全英では1打差でプレーオフに進出できなかったのと同じです。

  ホテルでは最後の夜に1度だけシェ・ルーのフレンチをみんなで食べましたが、イギリスとは思えないほどの美味しいディナーだったことを付け加えます。

  このツアーに誘ってくれたkimiさんに感謝です。

引用終わり

 

  以上が私のミュアフィールド訪問記でした。

  今回初めて女子オープンを開催するミュアフィールドですが、誰が優勝するか今から楽しみです。ちなみに先週全英女子の前哨戦であるスコティッシュオープンで優勝した古江彩佳ですが、彼女のプレーしたダンドナルドリンクスは今世紀に入ってから新しいオープンしたコースです。そのためか彼女のショットはピンそばにビシビシとついていました。そのゴルフがミュアフィールドでも果たして通用するでしょうか。ガンバレ12人の日本女子ゴルファーたち。

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