ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

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「ラジオのタマカワ」出演を終えて

2024年08月17日 | お知らせ

 とても楽しい会話でした。

  TOKYO FMは皇居に面した半蔵門にあり、7階のスタジオからの景色は抜群です。到着すると「出演者控室」に通されましたが、そこと実際のスタジオはガラスの扉1枚です。番組開始時間の5分前に初めて玉川さんとアシスタントの原千晶さんに会い、ご挨拶。

 進行表は前日にいただいていましたが、そこには何時に開始し、初めに自己紹介、何分後に音楽が入るとか、質問例がいくつか書いてある程度で、ほぼぶっつけ本番の生でした。しかも実際の進行は表とは全く違う時間で進行しました。

 番組が始まるとそれを控室から直接見ることができ、音声もスピーカーから流れてきます。私の出番が近づくとディレクターが入室を促してくれて席に着きましたが、音楽が流れている2分くらいの間にイヤホンを付け、マイク位置のセットを行い。すぐに出番が来ました。

 玉川さんはテレビのモーニングショーに出てくるままの方で、とても明るく、質問もクリアーだし回答に対する反応も早く、スムーズに会話を楽しむことができました。

 私はこうした時にあまり緊張しないタイプのため、あとでディレクターの方からスムーズだったとほめていただきました。しかし当人同士がろくに会話も打合せもせずいきなり本番に入るとは、ずいぶん大胆ですよね。もし緊張するタイプのゲストで言葉につまるような方だったらどうするのでしょう。それだけは不思議に思いました。しかも渡されていた時間割はないも同然で進行。さらにリスナーの方から来た質問もその場で聞かれて回答する必要がありました。それでもどうやら無事こなすことができました。

 

 番組は玉川さんがディスクジョッキーを兼ねているため、何曲か音楽が入るのですが、ゲストが1曲だけリクエストを入れることになっています。その曲が入るのは会話開始から11分後とスケジュール表に書いてあったのですが、実際に曲に入ったのは開始から20分近くたってからでした。こんな調子で大丈夫かなと思いながらも玉川さんとアシスタントの原さんとのトークにまかせて進行していきました。

 ゲストのリクエスト曲の時間になり、私は自分が若いころにのめり込んだビートルズの曲をあらかじめ選んでいたのですが、私とビートルズのかかわりを話してくれと言われていたので、曲が終わるとビートルズの東京公演を見に行ったことを話しました。

 スタジオからは東京公演の行われた武道館が見えていたので、「高校2年の時、公演はあそこで見ましたよ」というと彼は興味津々で、「本物の公演を見たという人に出会ったのは初めてです」といたく感動していました。

 プラチナ・チケットを手に入れることができたのは、「高校の同級生にビートルズの呼び屋さん、キョードー東京の息子さんがいたので、みんなで行けたんですよ」という話をすると、原さんと二人で納得して大きくうなずいていました。その時の会場の雰囲気はどうだったかと言う話になり、彼はなんと前座がドリフターズだったことを知っていて、私のほうが驚きました。

 私が選曲したのは「ノールウェージアン・ウッド」、選んだ理由は夏の暑い中、うるさい曲より「清涼感」を感じられる曲がよいと思って選びました。ノールウェーの森を感じられる涼やかな曲ですが、実はこのタイトルは「森」ではなく、「木材」で、森は誤訳ですと説明。英語名は・・・woodで、森の・・・woodsではないと説明すると、納得はしたものの違和感も感じているような顔をされていました。

 

 では肝心な資産運用のお話です。彼が私に興味を感じたのは著書の「投資は米国債が一番」を読み、「自分が全く知らなかった米国債という安全な投資対象にとても興味を持った」とのこと。しかし当然「為替リスクをどう考えたらよいのか」ということを焦点にして質問が来ました。

 

 「例えばドルは20円くらい簡単に変動しますよね。すると4・5年分の金利などすっとんじゃいませんか?」と言う質問をぶつけてきました。

 私からの回答は、「私の提唱している米国債投資は、最低でも10年、さらに20年、30年という長いタームでの運用です」。すると金利は為替に勝てるんです。ということで1冊目の本で例に上げた30年債投資のことを説明しました。

 1981年に30年のゼロクーポン債を買い複利で運用したケースの実例です。その時の為替レートは1ドル240円。それが本を書いた2011年にはなんと83円、満期を迎えた時のドルは約3分の1に目減りしていました。しかし金利が8%台と高かったので、複利でドル元本は24倍にもなった。為替で3分の1になったとしても、8倍にもなった。株でもなかなか8倍にはならないのに、安全な債券で8倍です」と説明すると、彼は「債券はすごい。複利は人類最大の発明の一つといわれていますね」と納得。

 2冊目の著書でも同じく30年投資の計算例がカバーに書いてあり、彼は手元の本を取り上げて、「本当だ、23年までの30年でも7.68倍になってる」と感心していました。

 一方の原さん。「私ぜんぜんお金がないんですけど、それじゃだめですよね?」ときました。私は笑いながらもすかさず「大丈夫、今なら毎月わずか100ドル、1万5千円だけでも米国債に投資できます。証券会社によっては100ドルで売ってくれるんです」と回答。「それならできそうです」となりました。

 

 次の玉川さんからの質問は簡単に回答できそうもないだろうという前提でぶつけてきたものでした。それは「私は今の円安は行き過ぎているので、140円台が年末くらいには120円台になってしまうと思っています。そこから投資しようと思いますが、どう思われますか」というものでした。

 私の回答は「為替レートはどんな優秀なアナリストであろうが的確な予想などできません。今年160円台になると予想した人は皆無でしたからね」。

「もし玉川さんがいくらいくらを投資したいのであれば、年末までに例えば3回に分けて投資をされたらいいですよ。」とアドバイス。

 そうすればシナリオどおりでもシナリオからはずれて逆に行っても、投資し損ねることはありませんから」と回答。これもガッテンいただきました。オンエアはこのような会話でほぼ終わりました。

 

 番組が終わって控室でまずは3人での写真撮影。パネルの前に並んで記念の写真を撮ってくれました。TOKYO FMの「ラジオのタマカワ」のHPにその写真が貼ってあります。その後お二人とディレクターを交えて20分ほど話をしました。玉川さんとディレクターの方に共通していたのは、やはり日本国に対する不安で、それが円安への不安にもつながっているので、それを少しでもヘッジしたいとのこと。

 私は従来からみなさんにも申しあげているように、「ヘッジするならあなたの金融資産のすべてをドルにしないと大きな効果は望めません。何故なら住んでいる家の不動産も、給料や退職金、将来の年金もすべてが円建てですよね。今の預貯金をすべてドルに換えても、ヘッジには足りないかもしれません」という話をすると、お二人とも「そうなんだよな、そのとおりだな」と納得された様子でした。

 

 こうして約1時間のとても楽しいオンエアとその後の会話が終わりました。私はテレビで見ていた鋭い突っ込みをする玉川さん相手に、そこそこかみ合った会話ができたかなという感想を抱いて、スタジオをあとにしました。

 以上、ご報告でした。

 なお、やっとフォントの大きさを以前と同じサイズにすることができました。

 

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tatsunorinnsaku)
2024-08-18 10:21:43
おはようございます。
ラジオ拝聴できず、とても残念でしたが、内容をお伝えいただきありがとうございます。
私は、昨年夏頃からNISAを始めましたが、株にしろ、信託にしろ、一喜一憂の日々に疲れ、先生の著書にたどり着きました。株はほとんど売却し、積立NISAの金額は1/5に下げ、長期米国債と短期優良米社債を少しずつ購入しております。為替の変動が多少気になりますが、ストレスはかなり軽減されました。会社の新NISA組は数十万の損失を出された方も少なくなく、ポートフォリオを見ることをやめたと言っておりました。
そのような方に米国債の話しを向けると、非常に興味を持って聞かれ、先生の著書を教示させていただきました。
ストレスフリーは大事だと改めて思いました。
今後とも宜しくお願いします
返信する
Unknown (救われた投資家)
2024-08-18 21:05:34
ラジオ拝聴しました。

私の感想です。
リクエスト曲が遅くなったのは途中で話を区切ることが憚れるほど玉川さんの質問に対する林先生の回答が明確且つドンピシャだったからです。
この為、最後まで一気に番組が進行したと感じました。

ですから、全て終わった最後にリクエスト曲になったと記憶しております。玉川さんも最後にと言ったと思います。
リクエスト曲の選曲理由を問われ、実際の公演を見たとのことで、リクエスト曲後にもお話しを聞きたいという突然の流れでした。
リクエスト曲の前で林先生の出演が全て終わっているのに異例の流れで起きたことだと思います。

誤訳に関しては、確かに納得していない様子で無言でした。
私も玉川さんと同年代の61才ですが、前座のドリフターズのことは知っていますが、同名の小説がある村上春樹が誤訳云々を言っていることも知っております。
私と同年代は村上春樹世代なので、玉川さんの失態です。

それでも、玉川さんが林先生の本の本質を見抜く能力、日本国に対する不安を抱くディレクターさんがいることに安心しました。
何故なら、私の資産は米国債及びその配当収入が99%で、残りの1%は生活の為にドルから円転したものです。
ですから厳密に言えば100%ドルです。

林流投資術を実践している身としては、更なる安心を確信した番組でした。
返信する
Tatsunorinnsakuさんへ (林 敬一)
2024-08-19 21:31:56
私の著書をお読みいただき、ありがとうございます。

>私は、昨年夏頃からNISAを始めましたが、株にしろ、信託にしろ、一喜一憂の日々に疲れ、先生の著書にたどり着きました。株はほとんど売却し、積立NISAの金額は1/5に下げ、長期米国債と短期優良米社債を少しずつ購入しております。

大事なことに早めに気が付き、よかったですね。この株価の値下げを全部浴びてしまうと、立ち直れないほどのショックを受けかねません。

>会社の新NISA組は数十万の損失を出された方も少なくなく、ポートフォリオを見ることをやめたと言っておりました。
そのような方に米国債の話しを向けると、非常に興味を持って聞かれ、先生の著書を教示させていただきました。
ストレスフリーは大事だと改めて思いました。

今後も是非米国債を中心に据えて、安全安心のストレスフリー運用をエンジョイしてください。

なお私の対談は、放送から1週間はTOKYO FMのサイトで聞くことができますので、聞いてみてください。
返信する
救われた投資家さんへ (林 敬一)
2024-08-19 21:34:46
いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。

>リクエスト曲が遅くなったのは途中で話を区切ることが憚れるほど玉川さんの質問に対する林先生の回答が明確且つドンピシャだったからです。
この為、最後まで一気に番組が進行したと感じました。

うれしいコメントをいただき、ありがとうございます。

>私の資産は米国債及びその配当収入が99%で、残りの1%は生活の為にドルから円転したものです。
ですから厳密に言えば100%ドルです。
林流投資術を実践している身としては、更なる安心を確信した番組でした。

救われた投資家さんは、実は私が2冊目の著書を書こうと決心したきっかけを作ってくれた方で、コメント欄の書き込みを著書にも引用させていただきました。

そして実際に最も初期の段階から私の流儀を実践していただいている方でもあります。
その方からまたコメント欄に投稿いただくのは本当にうれしいかぎりです。

再度、ありがとうございます。
返信する
Unknown (安全性第一)
2024-08-19 22:16:04
林先生

お久しぶりでございます。
数か月前に、
円安時の米国債購入について質問し、
先生からご教示頂いた者です。

先生が出演されたラジオ番組は拝聴出来ず、
大変残念ですが、
拝聴された皆様のコメントから、
先生はトークも大変お上手なのだと想像しております(^^)

前回先生にご教示頂いた後に、
安心して米国債を買い進め、
先生の著書から学ばせて頂いた米国債で自分年金作りを実践し、
金利4.5%前後、ブレークイーブン70円以下の米国債を、
満期時1万ドルを、10年間、毎年受け取れる様に米国債を購入することが出来ました。

心配性で一歩が踏み出せずにいたのですが、
先生の説得力のあるお言葉に背中を押され実践出来ましたので、
お礼を申し上げます。

ありがとうございましたm(_ _)m

またひとつ、先生にご教示頂きたいことがございます。
9月中旬にアメリカの利下げがあるのでは、
との記事を読んだのですが、
例えば、その際に0.25%の利下げがなされた場合、
現在4%の米国債の金利は、3.75%まで下がるということなのでしょうか??

まだまだ米国債を増やしたいのですが、
金利が4%のうちに、
利下げ迄のあと3週間のうちに購入するかを迷っております。

ご教示頂きたく存じます。

お忙しい中恐れ入りますが、
どうぞ宜しくお願い致します。
返信する
安全性第一さんへ (林 敬一)
2024-08-20 08:10:57
ラジオはまだ聞けますよ。TOKYO FMのHPで。

>例えば、その際に0.25%の利下げがなされた場合、現在4%の米国債の金利は、3.75%まで下がるということなのでしょうか??

FRBの利下げと長期金利の動きは、連動しません。
いままで利下げが全くなかったのに、長期金利は5%から4%を切るところまで行きましたよね。景気がスローダウンし始めると長期金利は下がります。

>まだまだ米国債を増やしたいのですが、金利が4%のうちに、

金利低下の影響ですが、利付債への投資だと債券の金利は影響を受けませんが、価格が上昇するため最終利回りは低下します。

そのあたりのメカニズムはどうぞ私の著書をお読みください。
返信する
Unknown (安全性第一)
2024-08-20 19:05:20
林先生

お忙しい中、
迅速にご回答下さいまして有難うございます。

アメリカの利下げと連動して米国債の金利も下がるのではないのですね!

利下げまでに、とまでは急がないものの、
できる限り早い段階で米国債での自分年金作りを目標額まで達成し、
安心して心穏やかに過ごしたいものです。

先生の出演された番組は今からでも拝聴できるとのこと、早速聴いてみます!
楽しみです(^^)

厳しい残暑が続いておりますので、
くれぐれもご自愛くださいませ。
返信する

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