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マスターズ、もう一人の日本人の勝利

2021年04月18日 | ゴルフ

   マスターズの日本人勝利にもっと酔いしれようと、アメリカのメディアが松山選手の勝利をどう伝えているかをネットで探していたのですが、そこで見つけたのはもう一人の日本人の勝利でした。それは他でもない松山のキャディーの早藤将太君です。

 

  松山が18Hで最後の短いパットを入れた瞬間、早藤キャディーはピンフラッグを持ったまま松山と抱き合って喜びを分かち合いました。そこまではどのトーナメントでも見られる型通りの所作なのですが、そこからマスターズで勝利したキャディーならでは行動があります。それはピンをただ差し戻すのではなく、まずあの黄色いフラッグを持ち帰ることが許されているため、ピンからはずすのです。オーガスタではそれが優勝キャディーのルーティーンなのです。しかし早藤キャディーはさらに世界のゴルフファンが見たことのない美しい行動を取りました。それは帽子を取ってコース向かって一礼する姿です。

  この素晴らしシーン、当日の日本のテレビ中継では見ることができませんでした。何故ならTVカメラは涙を浮かべる松山の顔と、その後パトロンの間を通りハウスに戻る松山をひたすら追い続けたからです。

 

  今年のマスターズ後アメリカ人の間で最も見られた動画は、スポーツチャンネルESPNがツイッターに上げたわずか20秒ほどのキャディーの一礼です。なんと再生回数180万回という驚くべき数字で、いまだに毎日増え続けています。

  この早藤君の行動は、日本のトーナメントでは時々見られる光景ですが、マスターズではきっと初めてのシーンです。多くの参加プロたちがこの一礼をリツイートして絶賛していますし、一般のアメリカ人の間でも評判になり、180万回も再生されているのです。すでにこのシーンのTーシャツが売られているのもいかにもアメリカですね。

  

  こうした日本人の礼儀正しい行動はゴルフよりむしろアイススケートではよく見られます。演技を終えた羽生結弦選手などが毎回やっています。ほかにも日本では例えばマラソンを走った選手がゴール直後にコースを振り返り一礼するのはよく見る光景です。私が毎年見ている年始の箱根駅伝でも、タスキを渡して倒れそうな選手までもがコースを振り返り一礼する姿にたびたび感動を覚えます。

 

  アメリカ人のツイートの内容をかいつまんで日本語訳してみます。

・こんな美しい姿はゴルフでは見たことがない(マスターズ・チャンピオン、バッバ・ワトソン)

・日本人の礼儀正しさが勝利を生んだ

・マスターズ史上に残るキャディーの行動だ

・柔道や空手では見るが、ゴルフでも日本人は素晴らしい礼儀を持っている

・アメリカ人のキャディーも優勝した時くらいやったらいいのに

 

  ところが韓国では自国選手がプレー中パターに当たりちらして壊し、その後はウッドクラブでパットをしているのを見て、

・日本人を見習え

・国の恥だ、帰ってくるな

というようなことになっています(笑)。

 

  それはともかく、マスターズを終えてアメリカ人の多くが日本人プレーヤーの優勝を心からほめたたえるとともに、キャディーを礼賛することにとても誇りを感じ、私の記憶に永遠に残るマスターズ2021になりました。

 

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