毎日毎日、自民党と立憲民主党の党首選びのニュースばかりで、正直な話ウンザリしています。理由は今後の日本に一番大事な論議が無視されているからです。与野党問わず、どの候補者もが同じようカネを使う公約ばかりを垂れ流しています。
今後の日本にとって一番大事なことは何か?
それは財政再建です。バブル崩壊以降、経済のテコ入れを優先するあまり、常に財政は垂れ流しに終始して、国の借金は1,300兆円に達しています。GDP対比では断トツの世界最悪、250%に達していますが、「財政再建」という話には両党候補者の誰もが触れずにしておこうと、まるで申し合わせがあるように感じます。選挙用の公約で触れたくないのはわかりますが、最大の問題を抜きに政権運営など不可能です。
もっとも有権者側も関心が薄く、自分の老後の心配はしても、本気で政府の過剰債務を心配している人はさほど多くはないように思われます。私のブログをお読みいただいている方々を除いて。
ですので、本気で「公約に財政再建が入っていない」と糾弾する人も、マスコミも、評論家もいないのでしょう。
ここでお笑いを一席。
「日本銀行における国債の引受けは、財政法第5条により、原則として禁止されています(これを「国債の市中消化の原則」と言います)。
理由は、中央銀行がいったん国債の引受けによって政府への資金供与を始めると、その国の政府の財政節度を失わせ、ひいては中央銀行通貨の増発に歯止めが掛からなくなり、悪性のインフレーションを引き起こすおそれがあるからです。そうなると、その国の通貨や経済運営そのものに対する国内外からの信頼も失われてしまいます。これは長い歴史から得られた貴重な経験であり、わが国だけでなく先進各国で中央銀行による国債引受けが制度的に禁止されているのもこのためです。」
この文章、私が言っているのではありません。いったいどこに書いてある文章でしょうか?答えは日銀のHPです。HPにある「日本銀行が国債の引受けを行わないのはなぜですか?」の質問に対し日銀自体が回答している文章です。
以下がその回答のページですので、とくとご覧あれ。
https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/op/f09.htm
言っていることとやっていることは正反対。テクニカルに直接引き受けを回避し、「違法ではない」というミエミエの言い訳はしていますが、国債発行残高全体の5割以上を自分が保有していて、引き受けはしていない、違法ではないとは、笑い話以外のなにものでもありません。
まあ、日本と言う国はそもそも憲法9条で明記されている戦力の不保持を無視していますので、そういうウソツキ国家なのだということなのでしょう。
念のため、憲法を復習しておきましょう。
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
自衛隊が戦力ではないなら、どうやって国を守るのか?
正々堂々憲法を改正すればいいのに。ただこれについては選挙公約に憲法改正を入れる動きがあるので、そこだけは評価してあげます。
以上、「党首選挙の公約に足りないもの」でした。
コロナ対策を理由に100兆円を突破した予算は、コロナが収束して元に戻すどころか、概算要求は120兆円を超えています。
素人目線では、財政赤字の解消は、もうソフトランディングは困難で、ハードクラッシュに突き進んでいるように見えます。戦前の財政赤字は、敗戦直後のハイパーインフレや新円切り替えで解消(?)されました。当時の債務残高GDP比の上昇カーブと、現在の上昇カーブが不気味なまでに似ています。
財政破綻の兆しは、どのようにして現れるのか、大変気になります。
与野党党首選挙選に触れていただきありがとうございます。財政再建について触れないのは、現代貨幣理論(MMT)を信奉している政治家が今の与野党に多いからではないかと思います。政治家だけでなく学者(もどき)でもこの理論を信じている人が平気でネットニュースに投稿もしております。こういう人たちは、日本国債(内債)の大量発行による価格の暴落を考えていないし、米国債と違って内債は基軸通貨でない上に海外から買いたいというニーズが少ないということも分かっていないです。私も仕事でも個人でも内債買う気全くしません。