みなさんへ
ブログ運営側の理由と思われますが、フォントの大きさが小さいままで、調節ができません。
とりあえずテーマは急を要するため、このままで投稿します。
日銀とFRBの会合の結果、株式、金利、為替が大きく動きましたね。特に株式投資をされている方は、日経平均が7月初めの高値4万2千円台からあっという間に3万6千円台まで6千円、約15%もの急落で、株式投資のリスクの大きさに驚いたことと思います。
一方8月1日の日経新聞朝刊の一面の大見出しは、日銀の利上げで「金利ある世界へ」でした。日銀の政策金利(翌日物金利)はマイナスだった金利を3月にプラスの0.1%程度に上げ、今回はさらに0.25%まで上昇させました。
同じ政策金利、アメリカは5.5%程度です。日銀の利上げにより日米の政策金利の差はこれまでの5.45が5.25になっただけです。それだけで円はドルに対して4円ほど高くなったのでしょうか?
今回の円の値上がりは両国の政策金利の動きによると説明されていますが、私はそれだけではなく、投機筋の動きが大きいと見ています。投機筋はいままで積み上げた円売りのポジションをかなり解消しているのです。
為替の変動が大きいという理由で介入する政府に対して、私は「変動を大きくしている投機筋などは、必ず反対売買をするからほっておけ」と再三言いつづけました。この2週間余りの円高方向への動きは、シカゴIMMの為替ポジションを見るとわかるのですが、膨らみ続けたドル買い=円売りポジションを投機筋は解消しているのです。つまりドルを売って円を買う反対売買して、ポジションを解消したということです。政府の売り介入は一時的には効果があるものの、大きな相場の動きを作り出すものではない、ということです。そして投機筋による動きもまた、ドルを買った者はそれと同額を売る。でないと利益は出せません。これもしょせん中立です。
米国債への投資を検討されている方にとってドル安はチャンスですが、一方で金利の低下は不利に働きます。ではどうすべきか?
私は常々みなさんに「為替より金利優先で考えるべきだ」と申し上げています。もちろん米国債金利が高くてしかもドルが安いのが一番好ましいのですが、それはいわば「ない物ねだり」です。為替と金利はある程度連動しますので、米国債の金利が高い時にはドルも高くなってしまうし、いまのようにドルが安くなった時には金利も低下してしまいます。
もちろん為替も金利もその他の要因でも大いに動かされますから、これがすべてというわけではありません。では「為替より金利優先で考えるべきだ」というのは何を根拠にいっているのか。それを説明します。
そもそも米国債投資を考える方の基本スタンスは、10年以上、30年近い超長期投資がほとんどです。そしてこれまでの投資結果をみると、「金利は為替に勝ってきた」のです。
例えば私が一冊目の著書を書いた2011年までの長期投資の結果を見ます。30年債だと投資開始は1981年で、その時のドル円はなんと240円でした。それが2011年にはわずか83円と約3分の1になってしまいました。では投資は失敗だったのでしょうか。81年の30年物米国債の金利は8%台でしたから、1万ドル=240万円の投資は複利だとなんとドルでは24倍の24万ドルにもなっていました。ということは、
償還時は、24万ドルx83円=1,992万円
償還時1,992万円÷投資時240万円=8.3倍
ドルが3分の1になっても円建てで8.3倍にもなり、とてもよい結果になっていました。
では2冊目の著書が出版された2023年までの同じく30年前に米国債投資を行っていたら、結果はどうなっていたか。
それは本のカバーに大きな字で書かれていますが、100万円が768万円、つまり約7.7倍になっていました。
この結果は今から10年後、30年後の将来を保証するものでは決してありません。しかし少なくともドルベースで考えると、確実な数字が導けますので以下に示します。
10年債の場合、
10年債金利を4.0%と想定し、1万ドルのゼロクーポン債を買うと今の投資額は150万円程度です。
10年後にドル元本は複利で約1.5倍になります。
1万ドルの投資だと複利で1万5,000ドル程度になります。
ブレーク・イーブンの計算は、
当初の投資額150万円 ÷ 償還額15,000ドル = 100円
当初の円建て投資額を、もらえるはずのドル建て償還額で割り算するとブレークイーブンが計算できます。ブレーク・イーブンの為替レートは100円です。
では30年物ではどうか。
30年債金利 4.30% で1万ドルを買うと投資額はやはり150万円程度です。
30年後にドル元本は3.5倍の35,000ドルになります。
先ほどと同様の計算をします。
ブレーク・イーブンの計算は、
150万円÷35,000ドル=43円程度になります。
10年債でも金利が4%前後であれば、かなりの円高にも十分に耐えうると思いますし、30年債であればなおさら安全度は高いと思います。
今後長期で見た場合のドル円相場は、決して投機筋の動きや政府介入の有無で決まるわけでなく、経済の実力しだいです。
ですので、現在の金利レベルとドル円相場でも、「米国債は買いだ」となります。
ブログ運営側の理由と思われますが、フォントの大きさが小さいままで、調節ができません。
とりあえずテーマは急を要するため、このままで投稿します。
日銀とFRBの会合の結果、株式、金利、為替が大きく動きましたね。特に株式投資をされている方は、日経平均が7月初めの高値4万2千円台からあっという間に3万6千円台まで6千円、約15%もの急落で、株式投資のリスクの大きさに驚いたことと思います。
一方8月1日の日経新聞朝刊の一面の大見出しは、日銀の利上げで「金利ある世界へ」でした。日銀の政策金利(翌日物金利)はマイナスだった金利を3月にプラスの0.1%程度に上げ、今回はさらに0.25%まで上昇させました。
同じ政策金利、アメリカは5.5%程度です。日銀の利上げにより日米の政策金利の差はこれまでの5.45が5.25になっただけです。それだけで円はドルに対して4円ほど高くなったのでしょうか?
今回の円の値上がりは両国の政策金利の動きによると説明されていますが、私はそれだけではなく、投機筋の動きが大きいと見ています。投機筋はいままで積み上げた円売りのポジションをかなり解消しているのです。
為替の変動が大きいという理由で介入する政府に対して、私は「変動を大きくしている投機筋などは、必ず反対売買をするからほっておけ」と再三言いつづけました。この2週間余りの円高方向への動きは、シカゴIMMの為替ポジションを見るとわかるのですが、膨らみ続けたドル買い=円売りポジションを投機筋は解消しているのです。つまりドルを売って円を買う反対売買して、ポジションを解消したということです。政府の売り介入は一時的には効果があるものの、大きな相場の動きを作り出すものではない、ということです。そして投機筋による動きもまた、ドルを買った者はそれと同額を売る。でないと利益は出せません。これもしょせん中立です。
米国債への投資を検討されている方にとってドル安はチャンスですが、一方で金利の低下は不利に働きます。ではどうすべきか?
私は常々みなさんに「為替より金利優先で考えるべきだ」と申し上げています。もちろん米国債金利が高くてしかもドルが安いのが一番好ましいのですが、それはいわば「ない物ねだり」です。為替と金利はある程度連動しますので、米国債の金利が高い時にはドルも高くなってしまうし、いまのようにドルが安くなった時には金利も低下してしまいます。
もちろん為替も金利もその他の要因でも大いに動かされますから、これがすべてというわけではありません。では「為替より金利優先で考えるべきだ」というのは何を根拠にいっているのか。それを説明します。
そもそも米国債投資を考える方の基本スタンスは、10年以上、30年近い超長期投資がほとんどです。そしてこれまでの投資結果をみると、「金利は為替に勝ってきた」のです。
例えば私が一冊目の著書を書いた2011年までの長期投資の結果を見ます。30年債だと投資開始は1981年で、その時のドル円はなんと240円でした。それが2011年にはわずか83円と約3分の1になってしまいました。では投資は失敗だったのでしょうか。81年の30年物米国債の金利は8%台でしたから、1万ドル=240万円の投資は複利だとなんとドルでは24倍の24万ドルにもなっていました。ということは、
償還時は、24万ドルx83円=1,992万円
償還時1,992万円÷投資時240万円=8.3倍
ドルが3分の1になっても円建てで8.3倍にもなり、とてもよい結果になっていました。
では2冊目の著書が出版された2023年までの同じく30年前に米国債投資を行っていたら、結果はどうなっていたか。
それは本のカバーに大きな字で書かれていますが、100万円が768万円、つまり約7.7倍になっていました。
この結果は今から10年後、30年後の将来を保証するものでは決してありません。しかし少なくともドルベースで考えると、確実な数字が導けますので以下に示します。
10年債の場合、
10年債金利を4.0%と想定し、1万ドルのゼロクーポン債を買うと今の投資額は150万円程度です。
10年後にドル元本は複利で約1.5倍になります。
1万ドルの投資だと複利で1万5,000ドル程度になります。
ブレーク・イーブンの計算は、
当初の投資額150万円 ÷ 償還額15,000ドル = 100円
当初の円建て投資額を、もらえるはずのドル建て償還額で割り算するとブレークイーブンが計算できます。ブレーク・イーブンの為替レートは100円です。
では30年物ではどうか。
30年債金利 4.30% で1万ドルを買うと投資額はやはり150万円程度です。
30年後にドル元本は3.5倍の35,000ドルになります。
先ほどと同様の計算をします。
ブレーク・イーブンの計算は、
150万円÷35,000ドル=43円程度になります。
10年債でも金利が4%前後であれば、かなりの円高にも十分に耐えうると思いますし、30年債であればなおさら安全度は高いと思います。
今後長期で見た場合のドル円相場は、決して投機筋の動きや政府介入の有無で決まるわけでなく、経済の実力しだいです。
ですので、現在の金利レベルとドル円相場でも、「米国債は買いだ」となります。
ご縁あって林様の本に出会い、こちらのブログにたどり着きました。
ちょうど先月末に一部の資産を投資信託から米国債20年ものに切り替えたところだったのですが、ちょうどアメリカの株価が暴落してきた初めのタイミングで、これ以上持っている株を今売るとこれまででていた利益よりも低いところで利確してしまう。。と思い、途中でやめて様子をみていたところさらに暴落して、動けなくなってしまいました。
幸い予定していた額の3分の2ほどは債券に移せたのですが、本当はもう少し個別株や投資信託を売却して資金を作り、米国債へ入れ替えようと思っていたところで、暴落騒動になり途中となってしまいました。
長期金利が秋ごろにはより下がってしまう懸念もあると聞くため、暴落最中でも早めに株式は売却して債券に移したほうがいいのか、もうしばらくすればた多少は状況もおちついて、それから債券購入でも支障はないのか、ご意見伺えませんでしょうか?
現金化しないと債券を購入する資金を調達できないため、しばらく様子見になってしまうかな‥と思っているのですが、今後についてアドバイスいただけると参考になります。
よろしくお願いいたします。
>昨年、株式から米国債に乗り換えましたので慌てることなく経済ニュースを見ています。
それはよかったですね。ストレスフリーの生活ができて、なによりです。
>今後も切れ味のいいコメント楽しみにしております。
ありがとうございます。励みになります。今後もよろしくお願いします。
3分の2をぎりぎりのタイミングで切り替えできてよかったですね。
>長期金利が秋ごろにはより下がってしまう懸念もあると聞くため、暴落最中でも早めに株式は売却して債券に移したほうがいいのか、もうしばらくすればた多少は状況もおちついて、それから債券購入でも支障はないのか、ご意見伺えませんでしょうか?
株式相場は昨日だいぶ戻しました。しかしこれからどうなるかを、的確に予想できる人は世の中には誰もいません。
私の回答はいたって単純です。
「早めに米国債に乗り換える」です。
答えは早めに債券に切り替える、なのですね。
アメリカの株価は回復していないようで、私の持ち分はさらに下落しており、いままでプラスだった利益がついにマイナス域にいってしまいました。株式は両刃ですね。
今までが順調すぎたのかな〜と思いつつ、もう一足早く売っておけば。。と思いましたが後の祭りです。
タイミングが悪いですね。
さすがに今のマイナスで手放す勇気はなく、多少の回復をまとうかなと思う次第です。
その頃にまだ債券の利率がよいといいのですが‥
こんにちは。投資を考えており、先生の著書の
『投資は米国債が一番』を買ってよみました。
私に投資を説明してくれたAFPの方の言われたいた内容が
遥かにわかりやすく説明されていました。
あとはNISAも、やはり落とし穴はあるのだかとかんじました。
私も米国債の購入を考えております。証券会社よりも
手数料が少ない保険会社から(米国一位の保険会社です)の購入を考えておりますが
どちらから購入した方がよりよいなどの指針はございますでしょうか?
よろしければご教授いただけますと幸いです。、
>私も米国債の購入を考えております。証券会社よりも手数料が少ない保険会社から(米国一位の保険会社です)の購入を考えておりますがどちらから購入した方がよりよいなどの指針はございますでしょうか?
保険会社が米国債を販売しているとは初耳です。
それは生の米国債ですか?
だとすれば、日本で証券の免許を持っていることになります。ドル建て年金ではないでしょうか?
私は中立性を保つため、証券会社選びはみなさんにお任せしています。
その代わり、「米国債投資にあたっての証券会社選び」というカテゴリーがあり、その記事にみなさんが経験談を書いてくれていますので、それを参考にしてください。
> たまご さんへ... への返信
こんばんは。ご返信遅くなり申し訳ありません。
はい、生債権ではなく、ドル建年金です。
コメント返信いただきありがとうございます。
過去のブログにも目を通してみます。
そして、本の内容はすごくわかりやすかったです。
林先生の著書で私の様な初心者向けに、他にもおすすめの本はございますか?