今回はいただいたコメントに応える形で、「これからのトランプ占い」をします。
Owlsさん、Jake Jackさん、ただの個人投資家さんへ
まずOwlsさんへのコメントです。
>私の個人的な予想ではトランプは口ほどなにもしない(できない)と予想しています。そうこうしてる中間選挙で大敗して何もできないに本格移行、
次の選挙では負けて1期四年で終わりかなと思っています
どうみても労働者の味方ではなさそうなので
トランプ当選を後押しした人たちの支持を失うのも
そんなに長い時間はかからないと勝手に予想してます
みなさんは意外に思われるかもしれませんが、私のトランプ評はかなり違います。彼の中で「豹変」は自然の成り行きそのもので、自分の支持者への裏切りでも何でもないのです。
「ビジネスとは機を見るに敏であるべき」なのでしょう。
「それができるからオレはここまで来た、大統領にまで登りつめたんだ。」
このことはトランプという人間が政治家ではないからです。選挙中の言動、当選してから公約をちゅうちょなく反故にする言動、どれをとっても「公約こそ命」の政治家とは全く違うのです。
そして支持者の大多数は公約よりも、エスタブリッシュメント側の政治家ではない彼を支持しました。早い話、彼のあの恐るべき人間性を含めたすべてを支持しているのです。なので、公約違反は支持者の離反にはつながらないというのが私の意見です。
もちろん彼に投票した支持者も、こう言ってはなんですが、まともに世の中や人間のあるべき姿を追っているような人間とは思えません。これまでは普通の人間として振る舞ってはいたが、本音は全く別、という人間が支持者でした。
彼らもトランプと一緒に「本音のカミングアウト」を楽しんでいる。それがどんな恐ろしい世界を作ってしまおうが、おかまいなしの人達です。自分の子供が学校でマイノリティに暴言を吐いても、「よくやった」と言ってしまえる人間なのでしょう。
従って公約を反故にしようが、全く問題なし。何度も言いますが、低所得者の味方だと言いながら、高額所得者に最大の減税を行うという矛盾した公約で当選を果たしているのです。「公約など知ったことか」、というのがトランプであり支持者なのです。
次にただの個人投資家さんのコメントへ、
>トランプは廻りをゴールドマンサクス出身を集めたり、金持ちのための資本家のための政治をすんではないかと、、、
まったくそのとおりで、どこが低所得労働者の味方かという閣僚人事です。私に言わせれば、このこともトランプは公約など鼻から顧みていない証拠の一つなのです。
閣僚の布陣を見ると、極右の元ゴールドマンや狂犬の元軍人がいたりはしますが、他はいたって無難そのものです。
誰かシナリオライターがいるのではという憶測を、アメリカはじめ世界のマスコミはしています。彼の娘婿が選挙中からシナリオライターだという説がありますが、私には一部はそうでも、すべてがそうだとは思えません。人事は相当程度娘婿を含むトランプ陣営が推薦し、最終的には彼自身が決めているのでしょう。
シナリオライターがいないと言える理由は、選挙戦を通してまともな人間とは思えない言動を続ける彼を、誰も制御できなかったからです。もし陣営が力を持っていたら、制御しているはずです。
ロッカールーム発言がばらされた時も、ひとことおざなりの謝罪をしただけで、本気で改心などしていませんでした。その直後セクハラを受けた9人もの女性が訴え出ても彼は微動だにせず、逆に「訴えてやる」と吠えただけです。
それだけの確信犯が、なんとも違和感のあるまともな閣僚をアサインしていく様子を見ていると、やはり彼は「ビジネスマン」だとしか思えないのです。
今後も驚くほどの豹変を連発し、ツイッターでマスコミは振り回され、予測不能大統領となるのでしょう。彼は決してツイッターをやめないでしょう。彼の最大の楽しみなのですから。いきなり台湾の総統に電話をしたりするのもその一環。世界を振り回すのが、楽しくて楽しくてしょうがないのです。
ネットの世界で人々を困らせて喜ぶ悪ガキがいますが、彼はそうした悪ガキそのもので、半分は愉快犯だと思っておいた方がいい人間です。なので私は前回、彼のツブヤキなどにいちいち反応せず「無視しろ」と言ったのです。
最後にJake Jackさんのコメントに対してです。
>仮にトランプが無茶をしようとしても
市場が機能しているアメリカなら
市場にボコボコにされて
おとなしくせざるを得ないでしょうから。
そうでしょうね。彼が政治家ならば。
ただ機を見るに敏なビジネスマンの彼のこと、ボコボコにされる前に臆面もなく豹変できる強みを持っています。
では彼に死角はないのか?
そんなことはありません。
「英雄並び立たず」
それが彼の一番の死角です。
我々から見れば悪の枢軸としか思えないようなプーチン、ドゥテルテ、習近平、エルドアン、アサド、そしてそのうちルペンやイタリアのコメディアン、ベッペなどとも、おててをつないだりするでしょう。しかし彼らはしょせん「オレ様が一番エライ」連中同士です。
英雄並び立たずで、一触即発の危機に至るほどの大喧嘩が始まるに違いないと私は見ています。台湾の総統への電話がその序幕です。国内や陣営内でもきっと争いが絶えないでしょう。
今回は結局トランプについてばかりになってしまいました。かく言う私も実は彼に振り回されているのでしょう(笑)。
みなさんへ
私のこの極論へ、どうぞ忌憚のない賛否のコメントをお寄せください。
つづく