ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

イエレンさんとクロちゃん

2015年12月19日 | ニュース・コメント

一昨日の記事の冒頭で私は、

「イエレン議長、おめでとうございます!」。9年半ぶりの利上げという大イベントを見事に乗り切りましたね。9月の見送りに次いで今回の利上げも、市場参加者の大方の予想を裏切らず、批判しようのない出来栄えだったと思います。

と書きました。今日は、

「黒田総裁、残念でした!」

とだけ書いておきます。

どこをみても、今回の日銀の追加策は不評でした。この彼我の差は、日本とアメリカの未来を象徴しているように思えます。株価が上がったか下がったかというのは一時の反応ですが、繰り出した策のタイミングを含む評価の差はあまりに大きい。日銀にはもう策がないことがバレてしまいました。

買い入れ国債のデュレーションを伸ばし、ETFの枠を拡大。それらを冷静に見たら、「こりゃ売りだ」が今回の結論でした。FRBの利上げタイミングに、このときとばかりに円安と株高を現出してやろうと思っていたのでしょうが、株式市場がまさかの暴落。

この先インフレ率が上がらず成長率も芳しくないと、日銀は同じ手しか残されていないので、手を出すたびに株は暴落かもしれません。これでもかとバズーカをミサイルに持ち替えたら、市場はそれこそ一巻の終わりになるほどの過剰反応を見せかねません。

今回で残された手はないことが見透かされたのですから、さすがのアベちゃんもクロちゃんをあきらめるかも。もっとも頭のすげ替えで事が改善するくらいなら、苦労はありません。

昨年10月末のバズーカ2号決定の採決は、クロちゃんへの支持はたった1票差の薄氷を踏む勝利でした。今後、決定会合で無理筋の手を繰り出そうとすると、戦わずして評決で負けるかもしれません。

  クロちゃん、そして辞任をせず頭も剃らない約束違反の副総裁どの、そろそろ潮時でっせ!

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする